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カクヨム短歌・俳句コンテスト応募作より

胸中をさつと祓へる麦嵐むぎあらし
磐根いわねの歌の健気けなげなるかな

元ネタは俳句の下書きなので、季語が入っています。上の句だけを取り出せば、季語は「麦嵐」。

 そして、下の句についてですが、「磐根」とは、私が愛する「安部井磐根」のこと。幕末~明治時代にかけて活躍した二本松出身の政治家です。
 それだけでなく、歌人としても有名で、彼の歌は「万葉調」なのが特徴とのこと。
 お家が裕福でないにも関わらず(家禄は六十五石と、中くらいの身分です)、本居宣長の古事記伝を全て書き写したという古典オタク?の人です(笑)。

拙作「直違の紋に誓って」を読んでいただいた方は、主人公の剛介が二本松に戻るきっかけを作ったキーパーソンとして、名前に見覚えがあるのではないでしょうか。 

少し嫌なことがあったもので、お口直しに磐根様の歌集を再鑑賞して、その健気さ(現代語に訳すと、力強いという意味になります)に改めて感動した。そんな思いを、俳句の季語である「麦嵐」に託してみました。
安部井磐根の名前を知らなくても、「磐根」の単語から、「自然の岩や木の根の歌」と解釈していただくのも、ありじゃないかなあと思います。

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#短歌
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