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note上の詐欺事案をめぐる考察

これでも一応SEOライターの端くれの、ワタシ。恒常的に数値が取れているかどうかは別にして、先日、「Google検索でトップを取る」という経験をしました。
今のところ、私がnote以外で記事を書いているのは、クライアントワークだけ。過去にもnoteでGoogleのトップ10入りをしたことがありますし、noteがGoogleのアルゴリズムにも強いというのは、私の体験からも明らかです。

noteの詐欺事案についての記事で、なぜ1位を取れたのか。せっかくの機会ですので、その事実について、考察してみました。

事例情報の公開の妥当性

トップに躍り出た理由として考えられるのは、最新の情報である点です。
発端は、あるユーザー様が「note社から記事削除を要請するメールが送られてきた」という出来事でした。その相談を受けた方が、御本人の許諾を得てメールを公開し、「このような事案に騙されないように」と広く呼びかけた、というのが大まかな流れです。

ですが、呼びかけた記事はnote社によって削除されました。私の推測ではありますが、note社が削除に踏み切ったのは、次の二つの理由からだと考えられます。

• 公開されたメールが、本物のnote社からのメール、もしくはその可能性を示唆した
• 記事中にあった添付ファイルから、警告されたユーザーが特定できた

当のユーザー同士では公開に合意していたため、問題がないように思えた。ですが、新たな犯罪などの呼び水となる可能性も考慮して、note社が削除に踏み切ったのでしょう。
「偽物のnote社の文書と本物のnote社の文書」の基準を公開すると、それを参考にして、悪用しようとする人が出てくる可能性があったと考えられます。

削除された投稿の内容は有意義だった

ですが、かの投稿は非常に有意義だったと、私は捉えています。
検索1位を取った投稿でも触れたように、私は、送りつけられた人をターゲットとした「コンサルティング詐欺」の可能性を疑っていました。

これは根拠のないことではなく、弁護士の資格を持たない人が、有料サークル(今のメンバーシップ)で、法務コンサルティングを謳うような宣伝をしていたのを、知っていたからです。

一見、善意で立ち上げられており、何ら問題はないように思えるかもしれません。サークルやメンバーシップは、有料が前提です。この点が、弁護士法72条に抵触すると私は判断しました。

加えてここ最近、私自身が誹謗中傷事案の関係者でないにも関わらず、身の回りでやたらと「誹謗中傷」の話が聞こえてくるのが、ずっと気になっていました。
偶然の一致といえばそれまで。それにしても、立て続けに起こりすぎました。

かの方の投稿は、私の懸念を裏付けるような内容だったのです。

note社が明確な基準を公開しないもう一つの理由

そもそも、note社からユーザーに送られてくるメールは、法律上、私信扱いではないでしょうか。
私もかつて私信を公開されて、憤慨したことがあるのですけれど(そもそもプライバシー権の侵害です)、note社についても、法律上は「人扱い」。
この点においても、法的にまずいと判断された可能性が高いです。

――とはいえ、「幾人ものユーザーに対して、無意味な違反報告」が行われているという事実は、ぜひ情報を共有していただきたいものです。
やたらと「訴訟」「○○罪」などを持ち出すのは、反社勢力などが相手に脅しをかけ、言うことを聞かせるセオリーの一つ。
法的な知識を持たない一般ユーザーの不安を煽り立てる、卑劣な手法です。
一歩踏み込むならば、訴訟や罪名を無意味にちらつかせる行為自体が、刑法上の「脅迫」に該当する可能性があります。
それを知っている本物の法律家は、揚げ足を取られないように、安易に訴訟を持ち出さないものです。

かつてのnoteでの詐欺事案の懸念

私にしては珍しく、今回はnoteでSEOライティングの手法も織り混ぜながら、記事を書いています。
というのも、「有料note」についての記事の存在が気になったから。
ランキングの数字そのものが気になるのではなく、「副業ビジネス」への誘導が目的と思われる投稿も含まれているのが、気になるのです。

宣伝そのものは、法律上は合法。ただし、それでトラブルに巻き込まれても、「自己責任」で片付けられる可能性が高いのですよね。
法律上は、詐欺事案とすれすれの「グレーゾーン」といったところでしょうか。

もっとも刑法上の詐欺罪については、いくつかの要件を網羅しなければならないので、アフィリエイトの類が全て「詐欺」とは断言できません。
ですが、個別事案の違法性についてまでは、Googleもnoteも、責任を持ってくれないのです。

パワーワード・実績の強調はマーケティングの常套手段

また、恒常的にパワーワードや実績を強調する人も、要注意。
例外は、月曜日に発表される「コングラボード」くらいなものです。
これはnoteの公認ですからね。

SEOライティングの手法の一つに、あやふやな書き方を避ける方法があります。
あやふやな書き方とは、たとえば、「~かもしれない」「~だと思います」というような締め方をする書き方のこと。
この手法を避けると、それだけで文章全体が説得力を持つものです。
元々はマーケティング手法の一種ですが、現在では、多くの文章に利用されています。

ですが、あまりにも、パワーワードの多用&「自分がどれだけ凄いか」を売りにしている文章は、やはり裏の意図があると考えるべきでしょう。

代表的なE-A-Tの手法

「〇〇1位」など実績を強調するのも、「E-A-T」の手法です。
手法そのものは悪いことではありません。ですが、中には「誇大広告」も混じっている点に注意。
※EAT:「Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)」のこと

たとえば、リサーチ会社にお金を払うと、一定期間リサーチをして、その中でランク付けされることがあります。
この場合、全てのリサーチ会社の「調査結果」が、本当にユーザー全員にとって「有意義」であるかどうかは、疑問が残りますよね。

Googleも日々研究・改善を重ねていますし、昔のSEOの手法は通じなくなってきています。
ですが、本当に「その情報が正しいか」を判断するのは、最終的には消費者自身であることを忘れてはいけません。

売名欲に囚われて不幸になるのは自分自身

noteは誰でも利用できるのが魅力の一つです。共感性の高いSNSですし、特定のジャンルに特化していないため、UXにも優れている。
意地悪な言い方をすれば、自己顕示欲を満たしたい人にとっても、非常に魅力のあるおいしい市場です。

ですが、「他人の思い」を無視し、自分を売り出すことのみを考えて、それで本当に幸せになれるのでしょうか。
やはり、「自分さえ良ければいい」というのは無理があると、私は考えます。

パワーワードに酔い続けた人の末路

最近、「パワーワードに酔っている自分」に自己嫌悪を感じ、SNSそのものに疲弊している人を見かけました。
特定の人ではありません。複数の人々です。
それでも、「共感される快感」が忘れられないのでしょう。
ますますパワーワードを重ね、人々の関心を買おうとしているものの、逆に人が離れていく負のスパイラルに陥っているのが見て取れます。
これは、SNSの落とし穴に他なりません。

マーケティングの手法を多用し、検索上位に来るような共感性が高い記事を書くのは、勉強と経験を重ねれば、ある程度までは可能でしょう。
ですが数字に振り回され、自分のことしか見えなくなっては、本末転倒。まともな人であれば、結局、自己嫌悪で苦しむ羽目になります。

マーケティング手法の悪用は人を遠ざける

はてなブログやアメブロと異なり、noteではアフィリエイトの手法で収益を出すことはできません。
言い換えれば、そもそもnote自体が、「自分さえ売れれば良い」と考える人には、不向きなプラットフォームなのです。

私がnoteを利用し始めてから、まもなく2年になりますが、その間、noteを離れた人も多くいます。
離脱の原因はさまざまでしょうが、「自分さえよければいい」と考える人は、人が離れていき、信頼できる仲間を増やせていないように感じるのです。
決して、私の思い過ごしではないでしょう。

もっとも、「ピュアなクリエイターを手玉に取ろう」と考える人がいるのも、また事実。
この手合に騙されないようにするには、やはり、マーケティング手法の知識を身につけるのが有効です。


マーケティングの手法も、元を正せば、「誰かを幸せにする」ための手段でした。
本当に自分がnoteでしたいことは、何なのか。
それを意識した上でnoteを利用していれば、noteを原因とする不幸に陥らずに済むのではないでしょうか。

©k.maru027.2022

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