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自分がまったくできていないからこそ誰にも教えたくない、おそらくはもっとも理想的な小説アピール法

 今や作家でも自分の作品を宣伝する必要に迫らせている昨今、そのための方法に苦心している方は多いでしょう。

 そこで、私が感じるアピール方法なんですけど、あまりにも手間がかかるためにできていない、だからこそ教えたくない方法論を教えます。

 ちょっと前にIxyさんという人気イラストレーターさんがnoteを一時頻繁に更新していらっしゃったのをみなさん覚えていらっしゃいますでしょうか。

 その方は筆が早く、頻繁にTwitter上にイラストをアップすることで知られています。
 その方がnote記事のリンクをアップする時、つねに描き下ろしのイラストを付していたのですよね。
 イラストレーターであるIxyさんからしたら慣れたものだったのかもしれませんが、まったく違う文化圏にいた私はそれにすごく感心しまして。


 結論から申し上げますと、記事更新のたびにつねに自作の新しい画像と共に宣伝をツイートするという方法こそ、私がもっとも理想と感じた方法論なのです。

 Web小説投稿者の小説宣伝をよくご覧になる方はお気づきと思いますが、ご自分で凝った画像や動画を作成し、それと共に小説を宣伝していらっしゃるのをよく目にすると思います。
 
 手作り感にあふれたものから、プロ顔負けに目を引くものまで、実にいろいろな表現方法で彩られた画像で作品をアピールしておられる方が多くてすごいなあと素直に感心しています。
 
 しかし、凝ったものをひとつ作れる方はいても、それを更新のたびに変えることのできる方は非常に少ない。正直、どんなにすごいものでもずっと見ていると飽きてしまうのですよね。
 Twitterのイラストがバズるのは、その絵描きさん(またはその著作物を管理する運営)のアカウントだけがアップできるイラストだからです。たとえその一枚絵がかわいらしいものだったとしても、ソーシャルゲームのスクリーンショットとしてすでにかなり多くの人がアップしたならばその一枚自体の価値はものすごく薄まるでしょう。
 同様に、使い回しの宣伝を繰り返しているうちに、宣伝の力も弱まってしまうのです。
 結果、小説家同士のみで宣伝をリツイートし合う空間が生まれがちになります。

 とはいえイラストレーターの描き下ろしなんて一般人たるわたしたちにはできるわけない、ってご意見もあると思います。

 イラストが描けないなら描けないなりにできることとして。
 小説のアピールにも、YouTuberたちのサムネイル作成術が非常に有効なのではないか、と私は思っていて。
 YouTuberは、動画のたびに目を引くサムネイルを作っているじゃないですか。それはユーザーを飽きさせないため、というのと、動画ごと違いを演出し特別感を高めるため、など色々考えられますが、それを小説の宣伝でもやればいいんですよ。
 加工可能なフリー素材を借りるなりしてもいいでしょう。画像編集ソフトを使って、毎度変化をつけるんです。

 YouTuberのサムネイルはYouTubeのために特化しているので、それをそのまま移植しないほうがいい場合もあるでしょうけれど、大切なのは、見る人を飽きさせないことです。
 
 たとえば「11話です! ここから物語が大きく動きます!」といったフキダシをつけたりするだけでも印象は大きく変わってくると思います。
 
 
 また、宣伝画像作成時に意識すると差がつくと思うポイントは……
 MSゴシック・メイリオ・創英角POP体といったWindowsやワープロソフトなどにデフォルトで備わっているフォントは極力目立つ形で使わない、ということです。
 小さな字で補助的に使うなら効果的かもしれませんが、小説タイトルや作者名をデフォルトのフォントで大きく表現してしまうと、途端に陳腐さが出てしまうんですよね。
 それだけ改善すればそれだけで見違えるのに惜しいなあ、というのが、いろいろな方の小説宣伝用の画像を見ていて思うところです。
 
 これもあまり教えたくないことなのですが、実は有志の方が製作されている、無料ダウンロード可能なフォント(フリーフォント)でもかなりカッコいいものがあって、それをタイトルに添えるだけで見栄えがガッチリ変わってきます。
※各種フォントの利用範囲については各フォントの注意書きに従ってください。

 
 画像編集ソフトを使って、作品名とその他で文字のサイズにメリハリをつけるよう変更したりするだけでも見違えるようになります。
 なるべく商業に流通している本でカッコいいと思ったデザインを参考にしてみるとよいでしょう。
 ライトノベルやマンガですとタイトルにも力が籠もっているので、それを完全再現は無理としても、ある程度参考にすることはできるはずです。

 ちなみに無料で使える画像編集ソフトはいくつかあるんですが、私の場合いちばん有名なGIMPはちょっと肌に合わなかったので、paint.netというソフトを使っています。ただ、いにしえの画像ソフトPixiaで長い間慣れてしまっていたので未だ使いこなせないでいます(

 あとこれは私自身がやる小技ですけど、背景にぼかしなどのフィルター機能を使ったり、コントラストを調整するだけで、これまたかなり引き締まります。文字と背景をデフォルトで重ねるだけではなく、ほんのちょっと透けさせたりすると、野暮ったさが薄まって、ちょっとできる人の画像っぽくなります。極力原色を使わないようにするといい感じです。

 また、動画が作成できる方ならば画像よりも動画のほうが効果があると思います。ぜひそちらもお試しください。
 導入にやや難がありますが、AviUtlという神フリーソフトがあります。
 とりあえず入門サイトをリンク致します。


 ちなみにこのAviUtlでテロップの挿入があまりにもやりやすすぎるために、AviUtlで画像編集とテロップをつけてからスクリーンショットで保存、でゴリ押ししたこともありました(
 
 以上、偉そうに語ってますが、これは私がまったくできてないことです。
 なぜかというと、小説更新のたびにこんなのをこしらえてる時間がない、と思って結局作業しないままになってしまうからですね。
 
 早い話がめんどくさい。
 
 ですが、めんどくさいと思って避けてしまっていること、そこにこそ攻略ポイントがありますほかの誰もやっていないことだからこそ、それをやれた時、確かな差となって現れるはずです

 悲しいかな、いい作品をいくら作っていたとしても、それを見つけてもらわなければ埋もれてしまうのが現代の飽和しきったWeb小説界です。
 ご自分の作品力に自身のある方こそ、SNSの宣伝が求められる時代、というのならば、その宣伝で少しでも差をつけなければならないと思います。

 ちなみにこんなことを言ってる割にはセンス皆無なので、センスのいい方はマジで羨ましいです。
 

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