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名作ADVと忘れ去られたフリーゲームの話

 以前私のゲーム遍歴について書きましたが、ここではそこで書ききれなかったゲームについて書いてみようと思います。
 
 ここでは私がかつてプレイしたアドベンチャーゲームを採り上げようと思います。ただし京都アニメーションさんがアニメ化したことでも知られる、『Kanon』や『AIR』といったゲームはあまりにも有名であるので、ここでは割愛させていただきます。非常に好きなゲームではあるんですけど。

 ここnoteはディープなオタクがいないのかユーザー層が完全に違うのか、まったくこういったゲームを勧める人がほとんどいないことにびっくりしました。みなさん健全ですね。
 本来は私ごときが書かなくてもいいくらいに思えるんですけど、昔のブログのサービスがなくなってしまっていたりするので、日時が経つたびにそのゲームがあったという記憶そのものが消えてしまうのではないか、という怖さのようなものがあります。
 なので語り継ぐ、と言えば大げさですけど、こんなゲームがあったんだよ、ということを書き留めていきたいと思います。
 

コンシューマーゲーム

ダブルキャスト

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 あるVTuberが実況したことでTwitterトレンド入りもした、初代PSの名作ゲーム。「やるドラ」と言われたシリーズで、当時としてはかなり珍しかった全編アニメーションで進行、選択肢を選ぶことで物語が分岐します。 
 
 ひょんなことで記憶喪失の少女・赤坂美月と出会った主人公は彼女との生活を続けているうち奇妙な事件に巻き込まれていきます。
 なんといってもこの物語の魅力は、ヒロインである赤坂美月のかわいさとプレイヤーの想像を超える意外な真実にあります。とはいえ、もはやレトロもいいとこな昔のゲームなんで検索すればいくらでもネタバレが拾えますけど、初見だと必ず驚くと思います。
 『ソードアート・オンライン』や『魔法少女まどか☆マギカ』などの音楽を担当した梶浦由記氏がゲーム音楽を手掛けたことでも知られます。
 私が格ゲーのアレンジサントラ(新世界楽曲雑技団)とFFVII以外でゲームサントラを買ったのは、これが初めてでしたね。
 
 ちなみに同じ「やるドラ」シリーズの『季節を抱きしめて』も好きです。

Ever17 -the out of infinity- 

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 画像はプレイステーション公式より引用。

 これも説明不要レベルで有名なゲームなんですけど、noteでは不思議と語られないので。巨大海洋テーマパーク『LeMU』がなんらかの原因で崩壊、施設内に閉じ込められた主人公たちが力を合わせて脱出を試みるというゲームです。
 
 このゲームはキャラクターにも魅力はあるんですが、なんといっても最大のウリはあまりにも壮大な物語の仕掛けにあります。もう20年は前のゲームなんですが、当時非常に斬新だった物語に仕掛けられた謎と、それを紐解いていく伏線回収の見事さにかけては、現在でもこれほどの作品はほとんど見つけることができないほどです。

 この作品はネタバレ厳禁とよく言われます。どうかプレイする時は事前情報を見ずにプレイすることを強くおすすめします。

 ちなみに同じ「infinity」シリーズである『Remember11』は『Ever17』を超えるスケールでの謎解きが楽しめ、私はものすごく好きですが、正味前作と比べると芳しい評価とは言えません。人を選ぶタイトルではあると思います。
 
 今だとDMMなどのゲームサイトで買うのがお求めやすいんでしょうか。GEOなどでPSPなどの中古を探してみるのもいいかもです。

フリーゲーム

 これは昔私がハマったフリーゲームについてです。
 ただ、以下個別の解説で申し上げます通り、現在の環境でプレイすることにはかなりの困難が伴うものと思われます。

Sin

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 個人の方が2003年から作っているフリーのADVゲーム。
 ※画像は公式サイトのゲーム紹介部分より引用。
 幼い頃から人とあまり関わろうとしなかった主人公の男の子・甲斐樹生はある少女との出会いによって、異能の存在たちとの戦いに巻き込まれていくという筋書き。
 
 

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 非常にかわいらしい絵柄で描かれる恋愛模様がメインなのですが、残酷な描写もあるのが少し人を選ぶかもしれません。

 わたくしが現在まで更新をずっと待ち続けている作品です。
 現在は第7章まで公開されておりダウンロードも可能ではあるものの……7章までをまとめたものが2008年に公開されて以来長い期間にわたって更新されていません。作者さんも令和元年に日記を残して以来音沙汰なし。
 当然動作保証もないので、現在プレイできる環境は限られているものと思われます。
 そのためにここでおすすめタイトルとして話すのもためらわれるのですが00年代のフリーゲームの中では間違いなく名作に数えられると思います。
 
 忘れ去られるのは非常に惜しいので、ここでタイトルだけは語っておきたい。なお『SIN』というフリーゲームもありますが、本作とは無関係です。
  
  

Erinyes(エリニュエス)

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※公式サイトが閉鎖されているためGoogle検索の画像で引用することをお許しください……! 

 2003年から2004年にかけて連載形式でリリースされたADVゲーム。
 謎の島に閉じ込められた環境で脱出を試みながら少女と出会い絆を深めていく、謎解き要素が強かったアドベンチャーゲーム。分岐次第で多くのエンディングルートが存在し、個人制作とは思えぬ重厚なシナリオが特徴。
 背景素材として軍艦島の写真を使用していることもよく話題になります。

 ただ、詳述はできませんが、政治的にセンシティブな要素が存在していることが、本作を語りづらくしている要因でもあるとは思います。
 ゲームやシナリオそのものは非常によくできているだけに、語られることすらまれな現在の状況は歯がゆいですね。

 現在は公開終了のため新しく入手することはできないのが、曲がりなりにもダウンロード自体は可能である『Sin』とは違うところ。
 本作が現在では語られなくなった最大の要因ですね。
 
 少し前にFlashが完全に終了したことにより、Flash文化が死滅してしまうのではないか、といったことがネット上で語られましたが、フリーゲームも同じような問題を抱えていて。
 いくら個人制作とはいえ、もはや昔のプレイ動画でしかどんなゲームだったかをたどることすらできないことは重大な損失だと思いますね。
 

 ……書いてみると、改めて自分のゲーム遍歴偏ってるな!? と思いますね(
 つい最近までゲーセンでマジックアカデミーするか格ゲーするか、でなければ艦これなどのブラウザゲームするかしかなかったので、ゲーム体験自体が誇れるほどないのですね……
 ゲーム実況とか見てると、それが仕事とはいえ、よくこれだけのタイトルをプレイなさるなあ、と変な方向で感心してしまいますよ。
 
 そしてラインナップが絶妙に古い……
 旧世代の人間だと思い知らされますね。
 まあ回顧くらいは許されるでしょう……
 改めて振り返ると、採り上げたフリーゲームタイトルのリリースがともに2003年だったのは示唆に富んでるといいますか、このあたりがいちばん多感な時期だったんでしょうかね。
 
  どちらも当時はとても評価の高い作品として知られていたのですが、やはり時の経過は残酷ですね。好きなタイトルは語っていかないと、供給なんて簡単になくなってしまう。
 特に今はかつてよりも個人発の作品が多くあり、これからさらに増えていくことでしょうから、いつかは手に入れたくとも手に入れる機会がほぼ失われてしまう、なんてこともこれからどんどん出てくるんだと思います。
 
 今ある作品はもっともっと大事にしていきたいですね。
 ……と、当時推しておくべきだった、という後悔と共にお送りしました。
 次の更新予定も用意しておりますので、近いうちにお会いしましょう。 

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