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完結済み小説まとめ(含関連コラム)

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これまでに連載していた小説をまとめています。 『テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女』 『Frozen Edge 真夏の氷河期』 『真・幼帝再臨抄 中華ノ皇帝、現代デ美…
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#長編小説

Frozen Edge 真夏の氷河期 エピローグ【完】

Ⅴ あなたといきてゆく 令和2年の夏。日本じゅうが大寒波で荒れた。  それは『クリサンセ…

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Frozen Edge 真夏の氷河期 第4章 6

6 希望と恐れのあいだ 「……」 「ああ、いたの。存在感がなさすぎて気が付かなかったわ。ご…

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Frozen Edge 真夏の氷河期 第4章 3~5

3 統治者 ディストリビューター「お互い……とは言いますけれど、人数的にはフェアじゃない…

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Frozen Edge 真夏の氷河期 第4章 1~2

1 透明な私、けれど孤独じゃない  令和2年。東京五輪は延期された。  理由は、季節外れ…

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Frozen Edge 真夏の氷河期 第3章 3~4

3 ひとであること「『クリサンセマム』なんて御大層な組織を作り上げて、あんたは何を成すつ…

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テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 エピローグ【完】

サイ・スタート  僕――松岡常一はテラレ族の大元となった女性・スミレの血を直接引いている…

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テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 第5章

1 キュエソア(救済)  もとより生物とは攻撃的であるし、人間であったって理由を見つけさえすればたやすく暴力を振りかざす。いつだって、「攻撃してもいい対象」を求めている。  往々にして暴力は『正義』の名のもとに下される。  我だって……そうして成り上がってきた。  であるとすれば……今の我を取り巻くこの事態は報いである――とでも神はしたり顔で言うのであろうか。  テラー王国は全世界の衆目に晒されることとなった。   「異世界人への人権蹂躙だ!」 「成田太郎は日本の恥!

テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 第4章

1 トンカン(探検)  1944年、チューク諸島。当時の名称で言うと『トラック諸島』。  …

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Frozen Edge 真夏の氷河期 第3章 1~2

1 『無敵の人』  若葉台駅のホーム。  巨勢(コセ)さんが電車待ちをしていた時のことだっ…

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テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 第3章 7~12

7 コマ(神)  話はツネ――松岡常一(つねいち)が異世界へ旅立った時にさかのぼる。 「…

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テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 第3章 5~6

5 コトモ(子供)  有給を使ってある山をめざして旅行する途上。温泉宿泊施設に到着。  そ…

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テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 第3章 1~4

1 テアソエ(追想)  テラー王国へ入国する前に一度ワクチンを打ちに訪れた施設。  それは…

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Frozen Edge 真夏の氷河期 第2章(後)

5 ベルトシュメルツの乙女 「我々の同志になるための資格はふたつだけ。まずは若い乙女であ…

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テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 第2章 12

12 シオン「……松岡くん!? しっかりして!」  ツネは意識があるのかないのか、まったく判別できないような状態で、案山子のように佇んでいた。    彼にとって馴染みのある女性の声。  その声の主に激しく揺さぶられて、ようやく彼は言葉を返す。 「……あれ? 小鳥先輩じゃないですか。どうしたんですか? まだ待ち合わせの時間じゃないと思いますけど」 「……そんなこと――……っ! あたしも安心しきってたわ。ごめんなさい。このような事態が起こることは事前に予測できていたはずなの