テラーの輪転機 異世界部族調査員と開花の少女 第2章 12
12 シオン「……松岡くん!? しっかりして!」
ツネは意識があるのかないのか、まったく判別できないような状態で、案山子のように佇んでいた。
彼にとって馴染みのある女性の声。
その声の主に激しく揺さぶられて、ようやく彼は言葉を返す。
「……あれ? 小鳥先輩じゃないですか。どうしたんですか? まだ待ち合わせの時間じゃないと思いますけど」
「……そんなこと――……っ! あたしも安心しきってたわ。ごめんなさい。このような事態が起こることは事前に予測できていたはずなの