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死亡率3分の1の急性膵炎という病気になった件(2)

その1はこちら。

流動食の味に衝撃を覚える

入院して5日が過ぎたころ、ようやく食事を口から摂取するように指示が出された。それまでの5日間、小腸がマヒしていたそうで、まったく空腹を感じなかった。日々20本以上流し込まれた点滴からの栄養補給の助けもあったかもしれない。

何より嬉しかったのは鼻のチューブが取れたこと。1回差し替えた事があるが、最悪の気分になった。はじめの印象は「鼻から胃に管って通るの!?」だった。それが慣れてくると、ただ邪魔なチューブが鼻から伸びているかんじ。取れてすっきり解放的な気分になった。

病室に運ばれた流動食について説明受けたところ、味がほぼありませんとの事で、はじめはゼリーのような十部粥のようなドロッとしたものから開始し、徐々に固形の食事に慣らしていく。

で、初めて出された流動食を食べた感想。



めちゃめちゃ美味い!!!



味薄いんじゃなかったの!?

理由は明白で、口から5日間も摂取しなかった事で、久々に舌が感じた味のあるものが衝撃的に味覚を感じたのだ。

それがうっすーい流動食であっても極上の高級食に感じた。

病気から復帰した後も、空間や一緒に食べた人のバイアスで美味しいと感じる事はあれど、あれほど純粋に味が美味しいと感じた事はない。

人の味覚ってすごい。


つづく

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