この景色、巨匠が絵にしたら／実験8
今回は、第7回で SDXL巨匠に絵画化してもらったのと同じ風景をLoonardo.Ai巨匠に絵画化してもらいます。前回、｟Aiには巨匠たちの作品に登場しない対象物は巨匠風の絵にできない》という仮説を述べました。今回の実験には、この仮説を画像生成Aiを変えて検証するという意味合いもあります。
前回はこちら：
１．ホテル・エントランス
まずは、都心の隠れ家的な雰囲気のあるホテル・エントランスから。
画像生成の条件は次の通りとします。
※画像生成アプリ＝Leonardo. Ai
※Image Guidance = Image to Image
※Strength = 0.5
（0.2～0.9幅なので、0.5は元写真縛りと巨匠画風の中間くらい）
※Prrompt Detial ＝画家の名前（フルネーム）
第６回まではPrompt Detailで画家の名前の後ろにoil paintをつけていたのですが、今回は、第7回の SDXL実験と条件をそろえるため、oil paint を除いて画家名だけを指示することにします。画家の名前はフルネームにしてSDXLと条件をそろえます。
まず、ルノワールから。
ギャッ！ 階段の途中に人物が登場です。それも、拡大してみると造型的にかなり変です。残念ながら、絵画として通用する感じがしません。
では、Leonardo.Aiユトリロは、この風景をどう料理してくれるでしょう？
おぉ...…まともな絵になっています。階段の奥が突き当りになっているのが残念ですが、パリの一角にあってもおかしくないような風景だと思います。
SDXLユトリロには写真縛りを0.3に緩めた絵も描いてもらいました。Leonardo.Aiユトリロにも、写真縛り0.3で描いてもらいましょう。
ありゃ、元写真をほぼ完全に無視しています。では、0.5と0.3の中間の0.4では、どうでしょう？
うわ、ほとんど壁だけ……です。写真縛りを緩めたら、鑑賞に耐える絵にはならなくなってしまいました。
ホテル・エントランスはここまでとして、丸窓のある風景に移ります。
２．丸窓のある風景
まず、ルノワールから。画像生成の条件は、１．ホテル・エントランスと同じです。
うわっ！ 丸窓に景色が映り込んでいるのを《丸窓＝鏡》と解釈して、そこに人の顔を映してきました。この男性は……若かりし日のルノワールのようでは、あります。絵画としては、いまイチというより、いまサンくらいだと思います。
では、ユトリロはどうでしょう？
ええーっ！ またも、《丸窓＝鏡》に人の顔が。それに、この男性は、いったい誰でしょう？ ネットで私が見たことのあるユトリロの顔とは全く違うと思うのですが。
ここで、二つの絵の自動車に注目してください。ルノワール、ユトリロ、どちらも写真のままです。やはり、巨匠の作品に登場しない対象物を巨匠の画風で描くことはAiにはできないようです。
３．ガストのある風景
次は、ガストのある風景
まず、ルノワールから。
1階はガラスの向こうに植栽を配し、2階と4階の壁面には植物の絵をあしらってきました。ちょっと異様な感じです。
ユトリロは、どうでしょう？
ガラス張り壁面への映り込みの処理に苦労しています。なんだか誤魔化した感もあり、それを補おうとしたのでしょうか、堂々と署名してきました。
ガラス張りの壁面も、ルノワールとユトリロの作品には登場しない対象物のはずです。ですから、Leonardo.Aiは、その絵画的な処理がうまくできないのだと思います。ここでも巨匠の作品に登場しない対象物を巨匠の画風で描くことはAiにはできないと言って良さそうです。
その制約がありながらも、SDXLユトリロは、なかなか良い仕事をしてくれたと思います。
４．SDXL・Leonardo.Ai対比
最後に、絵画として鑑賞に耐える感じに仕上がった １と３の風景について、SDXL版とLeonardo.Ai版を対比してみます。
今回の中では一番気に入った「1. ホテル・エントランス／Leonardo.Ai／ユトリロ」をトップ画像にして、この投稿を締めくくります。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
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