見出し画像

海外セールス展開にあたっての英文約款の役割

例えば、あなたの会社の製品が世界的にみても魅力的で、こんなにも良い製品なら、日本国外でも売れるはずなのになあ!とお思いであれば、まずやることは1つです。

Webマーケティングですね。

国外からも広告や検索をもって問い合わせが来るよう、Webサイトを構築し、Web広告を打つ。
もちろん、英文で製品紹介のWebページを準備し、問合せには英語で対応できるよう、英語人材を雇用する、又は翻訳会社のサービスを契約する。

その後にようやく、私のような弁護士の出番が来ます。英文約款の準備です。

約款とは、多数相手と同一の内容の契約を結ぶことを想定して、あらかじめ定型的に定められた契約条項を準備しておくことです。英文約款は、その英語バージョン。

英語でいちから取引条件を交渉するのは、能力のある方でも時間と手間がかかりますし、決済を得る必要があるとすればなおさらです。

なので、英文約款で契約の基本的な条件を定めておく

英文約款は公開するか、問合せを受けた時点で提示してしまい、その条項に基づき取引するというMaster Agreementの締結を求める。これが抜群にスムースです。

画像1

勿論、取引先の要望によっては若干の修正も必要ですが、それは特約(Special Terms)を追加することで間に合います。

また、英語での価格交渉も手間が多いようであれば、価格表を公開してしまうという手があります。

公開された価格表をみて、それでも欲しいという問合せだけに対応すれば、対応コストは最小限で済みます。

ここまで準備すれば、広告→問合せ→約款を基本とした若干の条件交渉→成約と、国外へのセールスについて基本的な道筋が描けます

何も難しいことはなく、これからは中小企業でもグローバル市場を狙えるんだ!と言い切ってしまえれば楽ですが、まあ、相手は異なる文化圏なので、色々とクリアしなければならないハードルというのが、やはり生じます。

契約したとして本当に支払いはあるのか?とか、こちらの仕様を本当に理解しているのか?とか、そもそもこのメールを送ってきた会社は実在するの?とか(どれも一応、対応する方法はあります。)。

私にとっても、私のクライアントにとっても、悩みは尽きませんが、国際市場は、色々な意味で刺激的です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?