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スタートアップの方向性を決める「3つの輪」その②

この記事は4日前に投稿した「スタートアップの方向性を決める「3つの輪」その①」の続きになります。下図は再掲です。

1.「やりたいこと」とは


「やりたいこと」とは、スタートアップが始めたいビジネスの内容です。
ビジネスを始める前には、これから始める事業内容をある程度固めておく必要がありますが、構想段階では漠然とした内容でも構いません。カフェをやりたいのか、パン屋なのか、寿司屋なのか、プログラムの受託開発なのか、それとも特殊なたんぱく質を取り扱うバイオベンチャーなのか等々、この程度で構いません。
 

2.「できること」とは


「できること」とは、「スタートアップ自身ができること」です。たとえば「美味しいコーヒーの淹れ方を知っている」、「パンのレシピを100個知っている」、「美味しい寿司を素早く握れる」、「スマートフォンで動作するアプリを作成できる」、「特殊な素材を使って化粧品を開発できる」といった内容になります。
 
ポイントは「できること」の根拠が具体的に説明できるかです。たとえば「寿司職人15年の経験があり美味しい寿司を素早く握れる」、「GAFAでアプリケーションの開発に関与した経験があり、スマートフォンで動作するアプリを作成できる」といった説明の方が、聞き手に響くと思いませんか。特に「できること」の内容が、スタートアップの経験やキャリアと結びついていると良いですね。
 

3. 「求められていること」とは


「求められていること」とは、「社会でニーズがあること」です。ビジネスは誰かの需要を満たすことで成立します。美味しいコーヒーやパン、寿司は空腹な人のニーズを満たすものですし、アプリや化粧品も内容によってはニーズを満たします。
 
ポイントは“珍しさ”とニーズを混同しないことです。たとえば「日本初」の商品やサービスが必ず売れるわけではありません。専門家から絶賛されるような優れた技術をベースに作られた商品やサービスでも同じです。

2つ目のポイントは、家族や友人の評価を鵜呑みにしないことです。スタートアップの家族や友人からの「甘い評価」を信じてしまい、試作した新商品やサービスを「社会でニーズがある」と勘違いしてしまうケースは少なくありません。この問題は別の機会に詳しく説明します。
 
前回の記事で「3つの輪」は「「will can must」とも呼ばれる」と説明しましたが、スタートアップがこの図を使う場合は、「求められること」はmustよりneedの意味に近いかなと思います。

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