妄想:リーダー変心

欧州がルールをけん引してきたのですが、どうも、様子がおかしい。

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背に腹は代えられない。経済低迷すれば、欧州連合は衰退していく。「われわれがルールをこさえて、世界がそれに追従する仕組みと仕掛けを浸透させてきた」と自負するが、そのルールで自身が動きにくくなってきたということ。

資源さえあれば、米国よろしく経済優先で力づくで世界を引っ張ろうとする遺伝子はそもそも欧州にはある。その子供たちが米国に渡って行ったということ。

だが、欧州は老いた。若いころはアフリカやアジアで資源を貪り喰いながら政界を牛耳っていたが、老いた体にはそれも重くなり、小言を言うようなルールで世界を従わせるより他に手段がなくなっていたということ。

その欧州で生まれ育った次世代は、老人たちが小言でこさえたルールを信奉し、ルール逸脱を激しく嫌う。若者と老人の諍いは止まらず、老人は過去の栄光にしがみ付くように右傾化していく。

「あんたたちが汚して、それを恥じてルールを作ったんじゃないのか。ルールを守れよ!」と、若者は老人に食って掛かる。環境にせよ人権にせよ平等にせよ。ことごとく、老人を攻め立てる。

今、老人は後悔している。「若い者たちに、なにを引き継いだのだろう。信念があったのか、なかったのか。」右往左往するだけでとりとめがない。また、あの鬼籍に入っている先輩たちのように世界大戦へ足を向けてしまうのか。どうにも制御が効かない世の中にしてしまった。

米国は2025年に変心する。それは、疑いようのないミライである。そして、欧州が築き上げたルールは米国の格好の嘲笑の的になる。老いた欧州はそれをどう受け止めればいいのだろう。ルールを信念としてまとめ上げ、どんな揺さぶりにも動じない確固たるものに仕上げることができるのか。世界から嘲りを受けながら、背を丸めて小言ばかり言う老人になっていくのかもしれない。

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期待すべきは、欧州の若者たち。次世代に向けたルール形成に力を発揮するのでしょう。ですが、できれば上から目線で覆いかぶさるような伝播の仕方は選ばないでほしい。よきルールは皆が自然と追い求めます。性急な行動になりませんように。来年は、その良し悪しがはっきりしてくる年になるのだろうと、妄想した次第。

#日経COMEMO #NIKKEI

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