激妄想:米国はロシアの力の支配を容認、世界戦争回避のために

***** どちらかというと、アメリカ合衆国が絶対的な地位になるために、ロシアのソビエト連邦領土回復とその支配復権を容認するのだろう。ひきかえに、ゆるぎない米国を築く。

かつてないほどに強くなった米ドル。リープフロッグを狙う新興国に対して、圧力として利用できる米ドル。アメリカ合衆国の推奨する経済圏で生き残りたければ、米ドルを決済で利用し続ける必要がある。底堅いアメリカ合衆国の個人消費に身をゆだねなければ返済が滞るからだ。

ロシア・中国の新興国抱き込み作戦は進まない。ロシアは "領土回復"、中国は "タイワン抱き込み" にアメリカ合衆国がレッドラインを越えないとするなら、代わりに新興国へのちょっかいは手控えているのかもしれない。

米ドルが強い間に、世界秩序は回復傾向を強めていく。代わりにウクライナの領土と主権の回復は遅々として進まない。世界戦争回避のためにウクライナは見捨てられたも同然である。

欧州の旧東側諸国は今後はどのようになっていくのか。ウクライナの惨状をみれば、西側がアメリカ合衆国がどんな態度で臨んでくるのか見通すことができる。NATO傘下であることが、唯一の保険であるのだが、ロシアの出方次第で切り取られる可能性も見えてきた。

やがて、旧東側諸国から米国批判が湧いて出てくる。米国の富裕独占に対して自身の貧しさとの比較が巨大な憤懣となって吹き上がる。ロシアもそれに同調する。NATOが旧東側諸国から機能しなくなっていくのだ。

欧州で火の手が上がれば、アジアではASEANも呼応するかのように米国批判が高まっていく。高慢になった米国経済に不満が爆発する。米国金利が火に油を注ぐ。

アメリカ合衆国が世界の一強となって、欲が強欲となって傲慢となっていく。従えぬものを切り捨てる挙動が目立つようになる。同時に、米国への反発も日を増すごとに強くなり、反米連携の絆も強固になっていく。ロシア・中国も米国との裏取引を一方的に破棄し、世界を取りに動き出す。

油断していたアメリカ合衆国。ウクライナから米国東海岸へ弾道ミサイルが発射される。切り捨てられたウクライナの恨みをはちきれんばかりに積み込んで。

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"巨大な政府" にかじを切ったアメリカ合衆国。国家資本主義の匂いを発していることも気にせず、せっせとアメリカ第一主義を構築し、米ドルを基軸とした冠たる経済王国を築いている・・・というのが、わたしの妄想。

ロシアも中国も、ドル支配から抜け出ることはできない。強いドルでいくらでも裏取引ができる。そう傲慢になっていくアメリカ合衆国を妄想したのです。そして、反米感情が高まっていく。米国への恨みが膨らみ世界大戦の火ぶたを切ってしまう、そう、妄想したのです。




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