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『最前線のリーダーシップ(Martin Linsky / Ronald A. Heifetz著、2002年)』~リーダーとは危機を

『最前線のリーダーシップ(Martin Linsky / Ronald A. Heifetz著、2002年)』~リーダーとは危機を

最前線のリーダーシップ

そもそもリーダーとは何か、訪れる危機を乗り越える為にはどうしたらよいかを体系的に論じた良書。以下三つの質問に対する答えという3部構成となっている。

①なぜ、どのようにリーダーシップは危険なのか(第1部)
②それらの危険にどう対応すればよいのか(第2部)
③困難な状況のなかで心の活力を保つにはどうすればよいか(第3部)

「リーダーシップの発揮は、人生により多くのエネルギ

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『未来に先回りする思考法』(佐藤航陽著、2015年)~未来を考えるツール

『未来に先回りする思考法』(佐藤航陽著、2015年)~未来を考えるツール

普段、ビジネス書を読み直すことは殆どないのだが、この本は内容を念入りに読み直した。非の打ち所のない良書、というわけではないのだが、色々と考えさせられる影響力のある一冊であることは間違いない。

元々、現在から未来がどのように推移するか、仮説を立てることに興味を抱いていたのがこの本を手に取った背景であるが、改めてその重要性を認識した。本書は主にテクノロジーの側面から未来に先回りする為の方法を論じてい

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『話し方入門』~良い話し手になるには

『話し方入門』~良い話し手になるには

カーネギーの代表作の一つ。巻末の訳者あとがきにもあるように、カーネギーは元々話し方研究の専門家として立身出世の第一歩を踏み始めたことを考えると、本書はカーネギーの原点を知るのに格好の書であろう。

『話し方入門』では、パブリック・スピーキングを成功させる為に必要な事項を、単なるテクニック論的な話に終始せず、事前の準備や心構えの重要性や、記憶力増進の為の方法、また洗練された言葉遣いを行う為の学習方法

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『道は開ける』~日常の悩みを取り除くには

『道は開ける』~日常の悩みを取り除くには

『道は開ける』も含めたデール・カーネギーの本の中では『人を動かす』が尤も有名だが、本書も内容的には負けじとも劣らない良書。ただ、タイトルのインパクトが小さいせいか、『人を動かす』程浸透していない。

確かに本書に簡潔な日本語でタイトルを付けるのは難しいが、各章に通底している概念として、「悩みは結局小事に過ぎない」という考え方があるのではないかと思う。各章でのメッセージは、例えばレストランの給仕や清

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