家族みんなが幸せになるミーティング
今回は、前回好評いただきました、『子供に勉強をやる気にさせる方法』の続編となります。
『子供に勉強をやる気にさせる方法』では、子供をギュッと抱きしめて、
「君ならできる、信じているよ」と応援するスタンスでした。
これは、勉強するきっかけづくりとしては良かったのですが、子供が成長するにつれ、「新たな別の方法」が必要になってきました。
具体的には、次のステージ、つまり中学受験合格に向けた勉強をどうするかということです。
中学受験を受けたいという割には、勉強量が圧倒的に少なく、テレビやyou tubeを、いつまでもダラダラ見ている状況でした。
そこで、「1時間勉強したら1時間テレビを見てOK」
というルールを作ったのですが、親が勝手に決めたルールに不満だったようで、うまくいきませんでした。
勝手に決めたルールがダメなら、みんなで決めた「納得のルール」なら良いのではないかと思い、家族ミーティングを実施しました。
ミーティングの最初に、まずテレビを見るルールを勝手に決めたことを子供に謝りました。
親が非を認めて謝ったという事実は、子供の心を打ったようで、最初はイヤイヤ出席していたミーティングも、聞く耳を持つようになりました。
聞く耳を持っていなければ、何を言ってもひびかず、ミーティング自体が無駄になってしまいますので、子供にもちゃんと謝ることが大事だと思いました。
さて、今後どのようにして目標の中学校に合格するかですが、そもそも、その中学校に本当に入りたいのかどうかを、
「自分の意志を自分の言葉で」発表してもらうことにしました。
その前に、中学受験を受けるメリット・デメリットを伝え、受けないという選択肢もあることを伝えました。
そもそも親自身、中学受験をしていないし、中学受験をする割合って10%台なので、ほとんどの小学生は受験をしません。
それなのになぜ中学受験をするのか?
メリット①
中高一貫校なので高校受験はしなくてよい
メリット②
目標とする学校の教育プログラムがよく、自分自身が成長できる
メリット③
こころざしの高い人が集まるのでよい影響を受ける
デメリット①
遊びざかりの小学時代に勉強ばっかりしなければならない
デメリット②
今通っている小学校から離れた場所に行くので友達と別れることになる
デメリット③
一生懸命勉強しても不合格になる可能性があり、自信を失う可能性がある
以上、メリット・デメリットをしっかり認識させ、
「受けるも受けないも君の自由」と、やさしく伝えました。
親に言われたから入りたいのではなく、
「入ったら楽しそうだし、自分が成長できると思うので、受験をしたい」と意思表示をしたのですが、今のままでは志望校に入れないことが、本人もわかっていたようで、
「夕飯前に1時間半、夕飯後に30分勉強する」と、2時間勉強することを提示してきました。
明らかに、以前より勉強時間が増えた宣言に、
「本当にそんなに出来るの?」と、半信半疑で聞くと、
「できる!」と力強いおことば。
「まぁ、そこまで言うならやってみるか」となり、
1日2時間の勉強がスタートしました。
しかし、みんなが幸せになれる(はず?)のミーティングから半月後に、事件が発生しました。
実は、1日2時間の勉強を宣言したものの、集中力が全く感じられず、再度ミーティングを行ったのですが、
「合格する自信がない」
「仮に合格しても授業についていける自信がない」
など前回のミーティングでは出てこなかった、ネガティブワードが連発して出たのです。
つまり、前回本音だと思っていた、
「合格するために頑張る」という意思自体が、まだ腹をくくれてはおらず、
「勉強がしんどい、逃げ出したい」という気持ちが強くなったようです。
私たちは、しばらく思考停止状態になりました。
「どこでやり方を間違ったのだろうか?」
「そもそも最初から中学受験をしたくなかったのか?」
「親の期待に応えたい一心で、受験すると言っていたのかな?」
迷った時は、自分たちだけで考え込まずに、世間の知恵を借りた方がよいと思い、本棚から、ちきりんさんの、「ゆるく考えよう」を再読しました。
本の中に、「人生は早めにあきらめよう」という項目があり、
「勉強は得意じゃないかもと悟ったら、勉強が必要となる職業は早めにあきらめさせた方がよく、塾だの家庭教師だのと大金を注ぎ込んでも、正直いってたいして結果は変わらない」と書かれていました。
つまり、ムリしてやっと合格しても、長い人生どこかでひずみが出てしまい、必ずしも結果が良くなるとは限らないということです。
「う〜ん、一理あるが、このタイミングであきらめてよいのか・・・」
悩みに悩んだ末に、私たちが出した答えは、
「一回寝かせる」ということでした。
つまり、結論を急がずに、この問題から一度離れて、俯瞰するという方法です。
子供のことになると、どうしても親は前のめりになってしまいますので、煮詰まったときは俯瞰するのも一つの手です。
問題を寝かせている間に、何か良いアイデアが浮かぶかもしれませんし、子供も自分の人生を考える、良い機会になるかもしれません。
そして、親も気付かされることがたくさんあります。
今回の例でいうと、
「子供のためになるから中学受験を受けた方が良い(あなたのためだから)」
と思い込んでいましたが、視点を変えるとそれは、単なる親のエゴかも知れません。
あまり好きではない勉強を1日何時間もさせて、親も成績ばかりを気にしながらイライラした生活を過ごすことが、本当に幸せなのか?と、私たちが自問自答して出した結論は、
「みんなが幸せになることをしよう」
という、当たり前と言えば当たり前すぎることでした。
私たちは中学受験という迷路に迷い込み、本当に大切なことを忘れてしまっていたのです。
この決断は、今まで私たちの周りにあった霧が、パーッと晴れて、すがすがしい気持ちにさせてくれました。
そのようなすがすがしい気持ちの中で、再び家族ミーティングは開かれました。
結果を言いますと、中学受験に向けた勉強は一旦やめて、「自分が好きなことをしよう」ということになりました。
娘は物作りが得意なので、裁縫をしたり絵を描いたりしながら、将来したいことを見つけていくという考え方です。
このやり方が正解かどうかは誰にも分かりませんが、一つだけ分かったことがあります。
それは、悩んだり、道に迷ったりした時は、
みんなが幸せになるミーティングをすることです。
一方通行の考え方をやめ、いろんな角度から俯瞰して見ることで、今まで考えも及ばなかったような答えが見つかるかも知れません。
我が家ではこれからも、「みんなが幸せになる」という軸をブラさずに、問題と向き合っていきたいと思います。
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