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服好き学生のオタク語り:PRADA 2012年秋冬 メンズコレクション(AKIRA JOZAWA)

このコラムを書くというお話を頂いたときに、なにを書こうかと悩みまして。タメになることとかメンタル的なこととか、私のパーソナルな部分とかを書いたほうがいいのではと思ったのですが、たまにはこういうコラムがあってもいいのではないかと思ったので、私の一番好きなコレクションについて私なりの見方でただただオタク語りしていこうと思います。

「PRADA 2012年秋冬 メンズコレクション」
(YouTube by Prada)

コレクションテーマと自由奔放なモデルたちの魅力

「A parody of male power(男性の力のパロディだ)」デザイナーのミウッチャ・プラダが舞台裏で発した言葉です。ショーは正にその通りといった感じ。権力や虚栄心、力強さを象徴したような男性的でエレガントなルックの表現が特徴的で、素直にめちゃめちゃカッコいいです。

会場は建築家のレム・コールハースがデザインした絨毯やシャンデリアを用いた重厚な王宮の様な雰囲気。その中をモデルが歩くんですけど、このモデルたち実は有名な俳優なんですよ。ちょうど10年後の2022年 秋冬も俳優がモデルですね。

でもってこの俳優陣が好き勝手しまくりで。めっちゃカッコつけてると思った次の瞬間にはめっちゃ笑顔だったり、歩き方も自由だし、観客席指さすし、フィナーレでは列乱しまくっておしゃべりしてます。

観客も観客でフィナーレでもないのに歓声あげて拍手しちゃったり。でもそこがカッコよかったりするんですよね。こういうの魅せられると、着る服もそうだけど着る人自身の魅力みたいなのも大事だなって思っちゃいます。本職のモデルほどスタイルが良くなくても服を自分のものにしてしまってる感みたいなのがありますね。

ちなみに同時期にゴールデングローブ賞のレッドカーペットがLAで行われてるっていうのもなかなか面白いなと思ったり。

ミウッチャのエレガントなテーラードに秘められた強かさ

さて、ここからは服の話をしていきます。ベースは19世紀を思わせる、ミラノの美しいテーラード。まずこのテーラードが最高です。最近も色んな面白いことやるブランドはありますが、テーラードがしっかりしていると地力がある感じがしていいですよね。

余談ですが私はイギリスのテーラーより肩が薄くてウエストが絞られているようなイタリアのテーラーが好きだったりします。PRADAらしいレイヤードと遊び心が散りばめられたテーラードスタイル。このシーズンに特徴的なタートル、ハイネックのシャツの合わせ。カール・ラガーフェルドっぽいですが偉そうな感じでうまいなってなりますよね。

服はそれぞれが見た目から想像するものと違う素材で作られているらしいのですが、これは虚栄心みたいなものを間接的に揶揄してるんでしょう。DIESELでグレン・マーティンスがやってるようなアプローチに近いものを感じます。テーラードがデニムから作られてるっていう記事を見たんですけどこれは本当なんでしょうか…。ちょっと信じられませんね。

見えにくいですがシャツの柄の騎士の甲冑に紛れて、ネイティブアメリカンっぽい羽のついた被り物やアメフトのヘルメットみたいなのがあって、着飾った内側の空虚さみたいなのが表現されているように見えます。こういうわかりにくい部分に皮肉っぽい表現をするミウッチャの強かさみたいなのが私はめっちゃ好きです。

そしてパンツはひたすらに綺麗。細目ではありますが極端ではなく、ストレートにワンクッション。奇をてらわずに勝負できるのが歴史あるメゾンの強さを感じます。

スタイリングも、突拍子のないアイテムはないですが、結構色も柄も難しそうなのに上手くまとまっています。これだけテーラードばかりなのに最後の数ルック以外上下のセットアップでは使ってないんですよ。このシーズンのPRADAまじやべぇ。

ちなみに私が一番好きなルックはコートにショーツとハイソックスのやつです。一歩間違ったら事故りそうなのにこのカッコよさ。こんな感じのスタイリング、いつか組みたいですね。

でもこのシーズンの本当の醍醐味は…

私にとってのこのシーズンの醍醐味は実はシューズで、大分褒めちぎってきましたけど正直シューズが違ったら全然普通のコレクションで終わってた可能性もあります。それだけシューズがカッコいいです。

上半身のレイヤードから糊のきいた細身のスラックスという流れをしっかりと受け止めるような最高のシューズ。ラバーソール筆頭に今でも人気ですけど、シャープでありながら広いコバから少しボリュームのあるトゥへの流れ。もうエロすぎです。

私は2012~2014くらいのPRADAが黄金期だと思ってるんですけど、当時はシューズが圧倒的に良くて。最近はモノリスとかは人気ですけどなんか違うんだよなって思っちゃいます。またPRADAの良いシューズが出てくれたらな…と期待してます。

私はつい先日、念願かなってこのコレクションの靴を手に入れました。好きすぎるあまりあともう何種類か欲しくなっちゃってますが…。

ミウッチャという 女性 / デザイナーについて

今見返してみてもミウッチャのクリエイションはやっぱり素晴らしいです。ここら辺の時期のコレクションは皆さんにもぜひ観てほしいですね。

私はミウッチャが他のデザイナーと違う部分として、女性であることが大きいと思っています。今の時代にあまり女性だからって言うのも憚られますが、女性デザイナーでメンズが強いブランドってなかなか少ないと思うんです。

実際ミウッチャはインタビューなどでも「女性らしさ」みたいなワードをちょくちょく使うんですよね。そして重要視しているのは女性らしさの持つ力と知性による武装。VOGUEのインタビューでこんなことも言ってます。

「うちに若い女の子が来ると、こんな話をすることもあります。21歳のあなたが、すごくセクシーな格好をしてディナーに出かけたとして、誰よりも政治や文学、芸術、サッカーに詳しかったとしたら? あなたの教養の豊かさに、皆、衝撃を受けるわよ。その夜は、女王様のように崇められること間違いなし!」

https://www.vogue.co.jp/fashion/article/interview-miuccia-prada

これがミウッチャなんだろうなあと思わされます。この女性ゆえの強かさ、あでやかさみたいなものがレディースはもちろんメンズのクリエイションにも独特の雰囲気をもたらしているんだと思います。

「PLADA」「MIUMIU」でデザイナーを務めるミウッチャ・プラダ

ちなみに最近はMIUMIUのほうが気合入ってる感じがしてしまいます。ラフ・シモンズとのPRADAはお互いもともとシャープなテーラリングが得意なだけに、そこに妥協点を見出してきてしまっているような服になってきて二人の飛ばしたクリエイションが薄れてしまっているような。この間の2023SSのRAFSIMONSのコレクションも少し引っ張られてるんじゃないかなって思いました。二人とも好きなだけに少し残念かなと。

いろいろ語ってしまいましたがこんなんで良かったんでしょうか。私は楽しかったです。みなさんの好きなコレクションも知りたいですね。それでは。

Arrivederci.

2022.11.17
AKIRA JOZAWA(DESIGNER)


【2022年度 ファッションショー開催のお知らせ】

<開催概要>
2022年度 Keio Fashion Creator
ファッションショー「羽化」

<日時>
2022年12月18日 (日)
1st OPEN 16:30 / START 17:00
2nd  OPEN 18:30 / START 19:00

<会場>
東京都内某所

11月25日 (金) 20:00になりましたら各種SNS (Instagram, Twitter)に応募URLを掲載いたします。人数制限の都合上、お申込み受付は先着順とさせていただき、定員になり次第応募を締め切りとさせていただきます。

3年ぶりの有観客でのショー発表になります。
どうぞご期待ください。

【Keio Fashion Creator 関連リンク】

● IG : @keio_fashioncreator

● Twitter : @keio_fc

● HP : keiofashioncreator.com

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