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エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える

 を読みましたので簡単にまとめ①。著者は三浦俊彦氏。

 もともとアニメが好きで、涼宮ハルヒの憂鬱は観たことなかったのですが面白そうだったので軽い気持ちで手に取りました。すると想像の何倍も深く、難しい論評がなされていたので衝撃を受けました。うまくまとめられるかわかりませんが、これから何回かに分けて書いていきたいと思います。
 主な分け方としては

①エンドレスエイトに関する事実の確認(製作過程や評判などについて)
②エンドレスエイトが不評だった理由
③エンドレスエイトの退屈さの理由
④エンドレスエイトを退屈な失敗作とみる以外の見方の考察
⑤エンドレスエイトの芸術面について

の5つを考えています。本の章立ても主にこの流れになっているので。
 では早速①を見ていきます!(たぶん①が一番まとめるの簡単……)

「エンドレスエイト」はアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」第Ⅱ期の第16話〜第23話として放送された、毎回ほぼ同じストーリーをほぼ同じシーン構成で、ほぼ同じセリフとモノローグを使って作られた8回分の放送のことを指します。これがなされた1番の理由は、(ググれば出てくるので詳しくは省きますが)似たシチュエーションを原作中で登場人物が体験しており、その一部を視聴者にも体験してもらおうという製作陣の試みでした。
 オタクが喜ぶ小ネタを随所に挟んだり、メディアミックスを徹底的に進めたり(ハレ晴レユカイではキャラが踊るという新たな手口を開発し、これはアニメだけでなくドラマ等でも受け継がれている)、視聴者を楽しませる斬新さが作品にあることはあらかじめ受け手にもそれとなく伝えられていました。だからこの「エンドレスエイト」も受け入れてもらえるだろうという算段だったようですが、結果は散々な評価だったのです。
 視聴者の批判には主に4つの種類があったと本書では書かれています。それは、

⑴美的批判=単純につまらない。
⑵TPO的批判=アニメファンは単純に娯楽を求めている。芸術家気取りのようなこの演出はアニメでやることではない。
⑶商業的批判=劇場版まで引っ張るためにエンドレスエイトで尺を稼いだんじゃないか?
⑷文化的批判=DVDにも収録してファンに売っただけでなく、エンドレスエイト許容層がDVDでエンドレスエイトを楽しむための配慮もなされていない。

 です。確かにこれらの反応は至極もっとも。本作に対して「エンドレスエイトさえなければ……」という感想があることも頷けます。

 では次から、まず②エンドレスエイトが不評だった理由、つまり上記の反応の原因をもう少し詳しく見ていきます。

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