韓国マスオさん日記 〜全羅南道オススメ観光スポット②羅州〜
醸造所に行ってみよう
日本にいるうちにやっておけば良かったなぁと思うこと。それは酒蔵見学です。
noteにも何本か記事を書いた通り、わたしの趣味は日本酒を飲むことです。昨年秋には日本酒検定3級に合格することができました。ただ直接酒蔵を訪れて製造過程を見学したり試飲したりということはできませんでした。日本酒に興味を持ち始めたときに一度離職したこと、そしてその後子どもが生まれたことが理由です。
今後日本に帰るときには合わせて酒蔵見学もしてみたいと思っています。でもそれはいつになるかはわからない。それなら韓国で酒蔵に行ってしまえ。そう思いついたのは割と最近のことです。
上のリンクにある通り、近年韓国ではマッコリなどの伝統酒に関する規制緩和や産業振興策が進められてきました。なかでも2013年に始まった「訪れる醸造所」プロジェクト(なんか「会いに行けるアイドル」みたいですね)は全国各地に存在する伝統酒を観光資源として育成するために支援・補助を行う事業です。選定された醸造所では試飲はもちろん製造体験もできます。
調べてみると光州のおとなり長城(チャンソン)郡にも「訪れる醸造所」に選定されたマッコリの醸造所があるとのこと。HPを見ると平日のみ見学が可能とのことですが、ある人は自身のブログに「ダメもとで電話してみたら、土曜日でも見学できた!」と書いていました。よし、俺たちもダメ元でチャレンジしてみよう!ということで金曜の昼に「明日、行ってもいいかな!?」と電話してみると…。「ダメ」だそうです。観光資源として育成することが目的なのに、土日に見学できないってなんでやねん。
うーん、かといって平日の昼間にわざわざ酒蔵見学をするほどゆとりがあるわけでもない。それならば「訪れる醸造所」には選定されていないけど、週末に営業している醸造所を探せばいいのでは? 調べてみると、やはり光州のとなり羅州(ナジュ)市に「ナムド濁酒」という醸造所を見つけました。ネットだと土日でも営業しているとのこと。見学や体験はできないかもしれないけど、ドライブがてら行ってみよう。ということで親子3人で出かけました。
羅州でマッコリを飲む
羅州は人口約11万人の地方都市です。全羅南道の中では比較的大きい方ですね。ちなみに全羅南道の「羅」は羅州の「羅」です。「全」は全州ですね。全国的にはナシの名産地として有名で、コムタン(곰탕)という牛のスープが代表的な料理だそうです。歴史ある地方都市ではありますが、日本人にはあまり馴染みがないと思います。わたしも運転免許の手続きをしに一回訪れただけで、まともに遊びに行くのは今回が初めてでした。
土曜日の朝、パートナーの運転で早速「ナムド濁酒」に向かいます。わが家から大体30〜40分くらいで着きました。近いですね。日本の酒蔵はいまでも瓦造りで趣きのある建物が多いですが、「ナムド濁酒」は小さな工場、もしくは物流倉庫といった佇まい。正直いって趣きはゼロです。敷地内にあるたくさんの甕が少し雰囲気を出してくれましたが。
見たところ、一般客の見学や製造体験などは行なっていないようです。だから「訪れる醸造所」に選定されていないのでしょう。ただ建物の中で商品の販売は行なっているようです。外で掃除をしている従業員さんに入口を教えてもらい、早速中に入ってみました。
販売所には40代と70代くらいの女性が二人。おそらく姑と嫁といった関係でしょうか。ここで販売しているのは、マッコリとドンドンジュ、ダクシュ、そして薬酒の4種類。マッコリが簡単に濾過されるのに対し、ドンドンジュは全く漉されないので米粒が残っています。薬酒は生薬を使ったお酒のことで、「ナムド濁酒」の場合はさらに羅州名産のナシが入っています。ダクシュ(濁酒?)とは正直よくわかりませんが、色はマッコリがさらに濃くなった感じです。アルコール度数も13度と一般的なマッコリの約3倍、値段は約10倍です。といっても2本2セットで2万7000ウォンなので、純米吟醸よりは安いですね。
パートナーが帰りも運転してくれるというので、ダクジュとドンドンジュを試飲してみました。
「ん!? これはうまい!!」
ダクジュはマッコリよりもさらにまろやかな口当たりで、フルーツのような香りがとても豊かです。料理と合わせるには甘味が強すぎるかもしれませんが、単体だといくらでも飲めてしまう感じ。度数が高めなので注意が必要ですね。
ドンドンジュはマッコリよりも酸味が強く、かえって飲みやすいですね。これもある意味「マズイ」酒です。
すっかり気に入ってしまったので、マッコリ、ドンドンジュ、ダクジュの3種類を購入。義父母へのお土産も当然忘れません。今回ナシの薬酒は購入しませんでした。これも美味しそうなので、次は絶対飲んでみようと思います。
市内でコムタンを食す
せっかく羅州まで来たので、お昼にコムタンを食べてから帰ることにしました。目的のお店がある羅州の中心部に行ってみると、そこにはすごい数の車と人が。ここは朝鮮王朝時代の役所が置かれていたところなので、観光客が集まるんですね。そしてコムタンのお店もここに集中しているようです。
お目当てのお店の名前は「ハヤンチプ(하얀집)」。直訳すると「白い家」。その名の通り建物は真っ白でとても目につきやすいですね。
わたしたちがお店に着いたのは午前11時半前だったのですが、お店の前にはすでに行列ができていました。観光地の人気店ですから当たり前ですね。受付で整理番号を発券してもらい、いったん市内を軽く観光することにしました。
昔のお役所の敷地内で子どもと遊んでいると、さっそくお店に戻るようメッセージが届きました。わたしたちの前に17組もいたはずなのですが、すぐにわたしたちの番が来ました。お店に入ってみると、ものすごい数の従業員が働いていました。だから回転が速いんですね。
注文してから料理が出てくるまでの時間も早かったです。ソルロンタンに比べると色は透明に近いですが、しっかりとダシの効いたスープで、お肉もたくさん入っていました。わたしは初めてコムタンを食べたのですが、パートナーは「美味しい!」を連発していました。人気があるのも頷けます。
マッコリを買いに行くついでにフラッと市内を回っただけでしたが、十分に楽しめました。次回羅州にくるときは、もっとジックリと回ってみたいと思います。また薬酒も買わないとね。
これからもこんな感じで醸造所を回ってみたいと思います。マッコリや薬酒だけでなく、山葡萄のワインなんかもあるみたいです。韓国でも地元の酒を楽しんで行きたいと思います。