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【生活をもっと】『がんばらない料理』たなか れいこ/著(家の光協会)

料理がしんどい全ての人へ

おすすめ度・読者対象

おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★
・料理に手をかけるのがつらい人
・簡単な料理の仕方が知りたい人
・レシピに頼らない料理を身につけたい人

「テキトー」と「ちょうどいい適当」の私の独自の料理法の枠をお伝えしたい。
食べものに丁寧に向き合うだけで大丈夫です。
料理ってがんばらなくてもおいしくできることを体験してくださいね。
『がんばらない料理』たなか れいこ/著(家の光協会)

この本はレシピ本ではなく、料理のやり方の本です。
それもとてもシンプルな料理。

必要な調味料も、道具も、方法もとても少ない。
おすすめの材料も“旬であること”、それだけです。
少しのレシピを添えて、シンプルに料理をする基本が書かれています。

必死で料理をしている人や、料理が嫌いになりそうな人や、ラクに料理がしたい人、そして料理初心者におすすめです。

好きなポイントと注意点

私の料理法は5つだけ。
そして、料理はいつも2ステップ。
①蒸し炒め
②蒸し煮(煮物)
③ソテー(蒸し焼き)
④蒸す
⑤サラダ
調理の手順は、①火に通して②調味するだけ。
本当にこれだけなんですから、とても簡単です。
初心者や、料理が嫌いな人は、手順の多さや焦がしてしまうことに一番のダメージを受けますが、
“蒸す”という料理方法のおかげでその心配も、随分と無くなると思います。
『がんばらない料理』たなか れいこ/著(家の光協会)

とても個人的な理由のチョイスで恐縮ですが、
刃物が嫌いな私が気に入った言葉もあります。

まず包丁をしっかり握ります。
このとき、力を入れて握るのではなく「握る」と意識するだけで十分です。
それからトントンと押し切りをするのではなく、包丁を前に進めてスースーと切ります。
すると力が抜け、包丁の刃が切ってくれます・
包丁にまかせ、緊張しないで、ラクに切ることです。
『がんばらない料理』たなか れいこ/著(家の光協会)

料理の本はどうしても「レシピ本」になってしまうことが往々にしてありますが、この本は本当に作り方が書いてあります。
ただ作り方を羅列するのではなく、心軽やかになるような、やわらかい文章で綴られ、読み物としても楽しいです。

注意点は2つあります。

1つは、少し素材にこだわりすぎるところがあることです。
どう捉えるかは読者次第ですが、オリーブオイル信仰はあったりなかったりですし、昨今のSDGsでは使い捨てはあまり好まれなかったり、色々あると思います。
共感できたことだけ試してみることをお勧めします。

2つ目は、お腹が空いている時に読まないでください。
写真はもちろん、文章から美味しそうな料理が想像できます。
本当に美味しい料理なんだと思います。試してみたくなること間違いなしです。

余談

皆さん料理は好きですか。

私は大嫌いです。
水を扱うのも、刃物を握るのも、火を扱うのも全て苦手。
でも旬の食材を見ると、それだけで涎がでるほど食べるのが好きです。
なんと困ったことでしょう。

親には料理をするのを嫌厭されるほどの腕前を持つ私ですが、
なんとか今生活しているのも、数々の料理本のおかげだと思っています。
本が好きなので、料理本を見るのも大変好きで、レシピ本はもちろんですが、何より料理を解説した本が大好きです。
そういう本は、こうやれば自分にもできるかも!という料理の方法を教えてくれます。

よく考えたら、一人暮らしをしてから何冊もの本に助けられたなと、この本について記事を書いている時に思い返しました。

この本は古本巡りをしている時にたまたま出会った運命の本でしたが、また何かの折に、お世話になった他の本も紹介できるといいなと思います。
基本、ラクな料理の本です。賛同してくださる方がいてくれるといいのですが。