見出し画像

手術の記録と記憶①

こんにちは、K-baraです。

今日は手術のお話を。ちょっとリアルな表現もあるので、苦手な方は少しお気をつけ下さい。

脳下垂体腺腫の手術はちょうど2年前でした。いやーなんて言うか、あっと言う間でしたね。

1.経 過

【2018年】※日付は記録が残っている範囲で記載しています。

5月21日 入院。執刀医が部屋にきて、「明日は頑張りましょう!!」と言い残して立ち去る。

5月22日 手術日。

5月23日 手術終了。8時間の予定が出血止まらず12時間を越えるも、腫瘍の大半は無事摘出。麻酔が醒めた途端、手術室で大声で騒いでいた(らしい)。

5月24日 目覚めるとそこはICU。頭と鼻の痛みに悶絶するも、視力のV字回復ぶりに感動する。手根管症候群などの関節の痛みも消失して、さらに感動する。

5月??日 低ナトリウム血症を起こし深夜に痙攣を起こす。母親も呼ばれるが、適切な処置により翌日には回復する。

5月28日 鼻の痛みが退かず、3、4日間まともに眠れず。疲労とストレスから、見えてはいけない物が見えた気がするが、心優しい看護師さんのおかげで何とか正気を保つ。

6月4日 ようやく鼻の詰物や点滴などが取れすっきりするも、手術の後遺症でしばらく味覚と嗅覚が消失。何を食べても無味無臭状態が続く。これが本当のメシマズ?

6月5日 本格的にリハビリ開始。趣味の筋トレのおかげか、回復が早いと褒められる。担当の理学療法士さんとひたすら筋肉について話す。

6月⁇日 主治医から術後の検査について説明。「予定していた範囲の腫瘍は摘出できた。ただし、腫瘍の皮一枚程度が残存。腫瘍のサイズが大きく、無理に取ろうとすると正常下垂体悪影響がでるおそれがある。血液検査では、成長ホルモンの値は正常値付近まで低下しているがまだ完全ではない。今後、投薬は継続し検査結果をみながら追加の治療を検討していく。」との内容。

6月11日 無事退院。一週間の自宅療養を勧められ、それに従う。

6月18日 職場復帰を果たす。

2.印象に残った出来事

 経過書いてたら、何だか思い出語りになってしまいましたね。大体のことは経過で語ってしまいましたが、特に思い出深いエピソードをいくつか。

◯術後の変化

内視鏡的経蝶形骨洞的腫瘍摘出術

文字化けじゃないですよ。手術の正式名称です。

ざっくり言うと、鼻から器具を色々突っ込んで、奥をちょこっと切開し、そこから中を内視鏡で見ながら腫瘍を引っこ抜くんです。脳神経外科の手術では、安全で患者への負担も軽い部類に入るそうです。手術は無事成功、目が覚めた時の視界の変化には感動しました。どれくらい変わったかというと、今まで豆電球しか無かった部屋が、LEDランプで照らされたくらいに変わりましたね。

◯麻酔から醒めたら・・・

麻酔が醒めた途端、執刀医に向かって「手術終わったんやから家に帰らせろや!!」って叫んで暴れていたらしいです(汗)。実際に、術後せん妄と言って、麻酔とかの影響で一時的に脳の働きがおかしくなって、意味不明な言動をすることがあるそうです。目が覚めたら、手足がしっかり拘束されてましたね笑。もちろん、事前にちゃんと説明があり、了承済です。むしろ、ケガしないよう、しっかり私を抑えてくれたスタッフのみなさん、ありがとうございました。ちなみに手術前って、いろんな同意書にサインするですよ。

画像2

◯見えてはいけない物

 手術は成功したとはいえ、鼻は止血のためにパンパンに詰め物され、体には管が2、3本刺さったままベッドの上で絶対安静。しかもちょっと動いただけで、頭と鼻は痛みが走る。そんな状態ではまともに眠れるはずもなく、ちょっと意識を失っては目覚めるを3、4日を繰り返していました。すると、疲労とストレスから、だんだん幻覚のような物が見えてきたんですね笑

何が見えたかというと、目の前を、変な虫みたいなのが数匹浮遊していたんです!譬えるなら、映画マトリックスで登場したセンチネルみたいなやつでしたね。映画好きの私らしいでしょ?笑えないか。

これはさすがにマズいと思い、ナースコールで看護師さんを呼びました。「何か目の前を変な虫見たいなのが飛び交って気持ち悪いんです!!」と訴えると「大丈夫ですよ!私にはそんなもの見えてないよ!」といい、しばらく私の手を握ってくれました。白衣の天使とはよく言ったものですが、この時ほど、暗闇の中でさまよう私に一筋光が差し込んだように感じました。

3.おわりに

今日は、思い出を語る回になってしまいました。

色々ありましたが、とにもかくにもこうして無事なのは、私を診てくださったすべての病院スタッフのみなさまのおかげです。患者目線でしか語れませんが、やはり医療関係の仕事は、本当に肉体的にも精神的にもタフだと思います。私は生涯、尊敬と感謝の気持ちを忘れないと思います。

次回は、これまで病気と向き合う中で、言われてうれしかったこと、あまり愉快ではなかったことを記事にします。もちろん、ただ私の不平不満をぶちまけるようなマネはしませんのでご安心ください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。