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幸せがよくわからないわたしが、コーヒーを飲んで幸せを感じた話


わたしは、幸せという感情がよくわからなかった。

こう書くとちょっとやばいやつ?不幸せ自慢と思われるかもしれないですが、そういうことではなく…嬉しい!楽しい!面白い!って感情は湧くけど、幸せだな〜〜はあんまりなかった。

推しのイベントに当たった時も、自分の結婚式の時も嬉しいけど、楽しいけど。幸せという気持ちはなんだかしっくりこない。

嬉しくて楽しいのに幸せじゃないなんて。恵まれてるのに、幸せだと思えないなんて。わたしは幸せのハードルが高すぎるのかなとちょっと落ち込んだりもしていた。

今ならわかる。わたしはしみじみゆったりと感情が動くときに幸せを感じるらしい。3週間くらい前に珈琲にハマったことで自分の幸せの定義がちょっと明確になった。

珈琲にハマったきっかけはひょんなことだった。夫と近所のブレンド豆を手挽きミルで挽いて、ハンドドリップで飲んだのだ。美味しすぎた。わたしにとって、あのとき家で飲んだ珈琲はほぼ喫茶店と同じ味だった。

珈琲について知りたいと思ったわたしはYouTubeで動画を診始めた。最初にこの動画を見て、コーヒー豆とはなんなのか、精製方法の違い、コーヒー豆の伝来と国による味の違い、ハンドドリップのそれぞれの工程が与える影響について知った。

珈琲面白すぎない???
そこからはすごい勢いだった。豆を追加で2種類買って、家で淹れ、行きたい珈琲屋さんを地図にチェックする。(いつの間にか60店くらいになってた)。あの国のあれが飲みたいと妄想する。夫に至っては珈琲について書いてある本を2冊も買ってきた(どこを目指しているのか)。

好きになってから、シングルオリジンコーヒーをいくつか飲んだ。今まで苦味、酸味くらいしかわからなかったのに、この酸味はどう表現できるか、温度によって変わる味のバランスはどうか、そんなことを考えながら飲むようになった。

ただ喉に通すだけじゃなくて、舌でしっかり味わう。どんな味を感じられたかしっかり考える。遠い国のコーヒー農園や精製所で働く方が丹精込めてコーヒー豆に仕立て、誰かが大切に焙煎した姿を思い浮かべながら、しみじみ飲む。

ついこの前、飲んでみたかったエチオピア ウォルカサカロ ウォシュドを飲んだ。

強すぎない爽やかな酸味と穏やかなコクであっさり飲めて、時間が経つとちょっと苦味を感じた。しみじみゆったりと美味しさを感じる時間。木目調の家具が並ぶ店内で、夫とお互いの珈琲の感想を言い合う。なんだかホッと落ち着いてしまう。

いつの間にか口から「幸せだなあ」と声が漏れ出ていた。自分の五感で味わいながらゆったりしみじみする時間が、嬉しいでも楽しいでもなく、めちゃくちゃ幸せだったのだ。

自分が幸せを感じられる時間をやっと見つけられた気がする。五感を使ってゆったりしみじみしながら、もっと幸せを感じたい。

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