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NEWSのアルバム「音楽」には伝統と変革が詰まってた。

NEWSのアルバムを手にする時。
それはずっと読みたかった本の表紙に触れるような、観たかった舞台の劇場に足を踏み入れるような、そんな気持ちになるのです。

先日発売された12枚目のアルバム「音楽」は、その緊張感がいつも以上に強かったかもしれません。

全体的にモノトーンでまとめたれたパッケージと、3人の力強い眼差しに心臓の鼓動が高まる。
今回はどんな世界が広がっているんだろうと、わくわくした気持ちが込み上げてくる。


そして一通り聴いたNEWSのアルバム「音楽」がとても面白くって最高だったので、ここへ書き残します。


※★のついた曲はシングル曲です。



“Introduction“ーInterludeー

このアルバムが本だとしたら、突っかかりがなく、なめらかで読みやすいという感想を抱いていただろう。
それは一つ一つの孤立した楽曲が、インタールードという手で繋がれているからだと思う。

作家でもある加藤シゲアキさんが書いた物語を、松たか子さんが朗読します。これだけでもかなり贅沢品。

地球に落ちた小さな星。やがて命が宿り、手足や目鼻、耳が生えるけど、口がない。
星は耳から音を食べていた。
そんな星と出会った男は、星が食べたことのないような”音楽”を教える。

イントロダクションには「導入」という意味の他にも「引き合わせ」という意味もあるらしい。わたしはそちらの意味に心惹かれた。
星と男の引き合わせ、つまり出会いからこの「音楽」という作品は始まる。


TRIAD

本の表紙に一目惚れして買うことがある。
TRIADはまさしくこのアルバムの表紙だ。

NEWSのアルバムは、まず掴みがすごくうまい。毎回1曲目で世界に取り込まれる。
作品の全体像をダイナミックに表現しながら、この先どんな物語が待っているのかとわくわくさせられる。それこそ、曲の歌詞でも使われている「さんざめく」という言葉がぴったりだ。

ギターやピアノ、サックス、ハープなどたくさん流れる音たちは、実際にNEWSが楽器に触れて奏でている。点だった音が集められ、一つの音楽になっている。
それはまるで、夜空に浮かぶ星を結んで星座を生み出しているかのようだ。

3人のソロパートからの、一緒に歌うサビに気持ちがぐわっと高まります。
今回のアルバムは3人それぞれがもつ幅の広さを堪能できるのと同時に、そんな彼らが集まった時に生まれる奇跡のようなハーモニーに、何度も心が震えるのです。
1+1+1=100にもなるし、数字じゃなく文字に生まれ変わる瞬間もある。
彼らの歌声を聴くと、そんな風に思えるのです。

後半の歌詞にある「3つ並べ鳴らす和音ちょうど気持ちいい」という歌詞の通り、耳も心も最高に気持ちがいい一曲。


★LOSER

イントロ→A→Bではなく、初っ端にサビ→イントロ→A〜のように、サビからドンと始まる曲がある。それこそ、このLOSERという曲もそうだ。
アルバム全体を一つの曲とした時、TRIADはパッケージでLOSERは初っ端のサビ的ポジョンだなと思った。

Aメロ、Bメロを受けたサビの壮大さに、聴いてて大空へ走り出したくなる。
たとえ自分がボロボロだろうとも、不思議と立ち上がれる。そんな曲。

インパクトが強い歌詞も印象的で、曲そのものは短いながらも最初から最後までエネルギッシュ。
NEWSは応援歌が多いけど、これは腕を掴んで引っ張っていってくれる応援歌。

僕はまだ君もまだ”負ける意味を知らない”
笑顔じゃなくても涙、晴れるさ

たとえ負けても、またここから立ち上がれる。いつしか涙だって晴れる。思いっきり地面を踏んで、もう一度走ろう。いつかきっと、傷の意味も分かるから。

前向きでメッセージ性の強い歌詞を見ても、やっぱりトップバッターにぴったりだ。


カノン

よく耳にするカノンって実は曲名ではなく音楽用語で、日本語訳にすると「輪唱」というそうだ。分かりやすい例で言うと「カエルの歌」のように、同じ旋律を異なる人が異なる場所から奏でることを指すらしい。(違ってたらごめんなさい)

ただ、カノンは輪唱のように同じ旋律を追いかけるのではなく、リズムを変えたり音を変えたりするそうで。

それってなんだか、NEWSの3人そのものを表しているようだ。
声質や音域はもちろん、それぞれ違った分野で活躍している3人が、それぞれの音楽を奏でて重なり合う姿はカノンそのものだ。

目を閉じると燃えるような夕焼けが浮かび、晩夏に漂う物寂しさに心が締め付けられる。
その一方で、四部作を経て手にした地図と歩き始めた彼らのことも浮かんできて、勝手ながらNEWSのこれまでと重ねてしまう。
もしかしたら、STORYの後を歌っているのでは?とさえ感じてしまう。

「夏が過ぎて夢は覚めて思い通りじゃなくても遠回りして口笛吹いて僕らはまた歩いていける」

この歌詞において”夏”とは過去の歴史、思い出のことを言っているのではないか。そう捉えてもおもしろい。


“Rhythm”-Interlude-

男と出会い、星が初めて感じた心臓の音は、「LOSER」「カノン」から伝わる生命力のようなものなんじゃないかと思う。
やがてその生命力はリズムとなり、ふたりは手足を鳴らす。
“すべてのものは生きている。すべてのものにリズムは存在している”

このインタールードからはそんな風に感じた。


ポリリズム

ポリとは「複数」、つまり直訳すると「複数のリズム」という意味になる。
その名の通り、複数のリズムが一緒に走っていて、韻を踏んでいる歌詞にもリズムを感じて心地良い。

冒頭の動き始めた時計らしき音や、夜や銀河を連想させる歌詞から、どことなくメルヘンさが漂う。かちゃかちゃと鳴る電子音に体が揺られる。
眠るのが怖い夜に開いた絵本が、ここじゃないどこかへと連れ出してくれるような曲。
⭐︎Taku Takahashiさんが紡ぐ音が大好きなのですが、この曲でさらに好きが深まった。

「Let’s slip away」という歌詞が2回出てきて増田さんと加藤さんがそれぞれ歌うんですけど、伸ばすポイントが異なっていて面白い。
増田さんは「away」、加藤さんは「away」というように太字のところが伸びているように聴こえて、その違いもとても楽しい。


★チンチャうまっか

一度耳にしたら離れないキャッチーな歌詞と、どこか異国情緒あふれるサウンド。
ポリリズムとはまた違ったリズミカルさがたまらない。リズムに揺られるのがポリリズムで、リズムに乗せられるのがチンチャうまっか。
所謂、トンチキソングと呼ばれる類の楽曲なので、「考えるな、語感を使って楽しめ」系だと思っている。

増田さんがレギュラー出演している「ゴチになります」の主題歌に相応しく、歌詞には世界各国の“美味しい”が散りばめられていたり、「ゴチらせて」と直球に絡ませにきていて耳が楽しい。
ただ全体を見ると、なかなか落とせない相手を口説いている、熱情のこもった歌。

特に加藤さんの「甘すぎSugar たまに辛いや 踊ろうよマイダンシングクイーン」というパートが好きだ。文字だけ見ると意味がわからないところが良い。


★三銃士

シングルとしては2007年に発売された「weeeek」以来のNEWS×GReeeeN楽曲。
リズムパートの中でこの曲が一番体が動き出しそうになる。もしかしたら、徐々にギアを上げていくように組まれていたのかもしれない。

weeeekには「大人になるってどういう事?外面良くして35歳を過ぎた頃オレたちどんな顔?かっこいい大人になれてるの?」という歌詞がある。
20代。迷いながら、足掻きながらも進んできた彼らは今年、全員が35歳を迎えた。
その問いの答えがこの曲であり、このアルバムなんだと思っている。

始終明るくて楽しい曲だけど、後半で心の内がほんの少し露呈する箇所がある。

「それでも僕だってそうさ 吐けない弱音もあるんだ」

外面を良くしてきた彼らが、隠した涙もある彼らが、わたしたちと同じように弱い部分も持っていることを吐露する。
でも弱いからこそ、彼らは優しい。こちら側の気持ちに寄り添ってしゃがみ込んでくれる。そして何度も一緒に立ち上がって、変わらずに想いを歌に乗せてくれる。
そんな風に外見も内面も磨かれた彼らは、すごくすごく「かっこいい大人」だ。


“Melody”-Interlude-

点だったリズムを繋げると線になり、それらをなぞるとメロディーになる。
それは個だった星を繋げて神話に見立てたかのように。
メロディーを聴くだけで感情が刺激されるのは、そこに物語があるからなのかもしれない。

男が吹いた口笛から次の曲への繋がりがあまりにも見事で、初めて聴いた時は思わず感嘆の声が漏れた。


★ビューティフル

タイトルの通り、メロディーも歌詞も歌声も清らかで美しい。
この曲から感じる”美しさ”って、私の中では安心感に近くて。
川のせせらぎや緑の香り、太陽のあたたかさみたいな、変わらずにずっと存在するものに対してほっとするような気持ちと似ている。

歌詞にもある「君は君のままでビューティフル」の通り、変わらないあなたも変わろうとするあなたも、あなたでいれば良いんだよと背中を撫でてくれる曲。

水のように流れるメロディーと、その上にふんわりのった歌声が優しい。目覚めの一曲にも、眠りのお供としてもぴったり。
落ちサビ前の加藤さんのファルセットがすごく好きなんです。番組で歌うごとにどんどん磨かれている気がして、生で聴くのが楽しみ。


pink moon

歌い出しの音だけでこんなにも切なくなる。
歌い出しの音を聴くだけで、鼻の奥がツンとする。

個人的に”切ない”という感情が味わい深くて好きなんですけど、愛おしさが大きいほど切なさも増すと思っていて。
この曲は相手への愛おしさを感じるからこそ、とても切ない。

一つ一つの音はもちろん、音を繋ぐ線も繊細できめ細やかで、絹のような曲。
特に小山さんの歌声がめちゃくちゃ良い。あまり聴いたことがない歌声で、正直最初は小山さんだと分からなくてびっくりした。歌ってる姿を見るのがとても待ち遠しい。

そして歌詞が本当に魅力的。文字数は多くないけど、その中に詰め込まれた世界観と想いに心打たれる。
作家としても言葉を巧みに操る加藤さんが「言葉はいつも余計な格好をするから」と歌うのはニクイし、「壊さないように触れない距離がいい日も笑顔の真裏に飛んで行くべき日もある」の歌詞からは、普段は理性的な主人公の相手を想う気持ちの大きさを感じて、心がキュッと締め付けられる。

最後の増田さんの歌声は何度聴いても涙が溢れそうになる。そのギリギリのラインを奏でてくる。増田さんの歌声には顔がある。


“Harmony”-Interlude-

「音と音楽の違いはなんだと思う?」
男からの問題に、星と一緒に私も考えた。

これは食材と料理に近いのかもしれない。
食材そのものだけでも美味しいけど、よりたくさんの食材が集まって一緒に混ざり合ったら、もっと美味しいものが生まれる。
星がいってた「より美味しい方が音楽さ」の言葉の通り。

ハーモニーとは、調和を意味するらしい。
それはまるで個々の声質は粒立っているのに、重なると一つの線になるNEWSの歌声みたい。


KMK the boys rock you all!

一つ一つだった音が、一人一人だった命が集まり、やがて壮大になっていく流れに心臓がどくどくと高鳴る。
静かだった森がだんだんとざわめき合い、自然の全てが音楽になっていくよう。
ゴスペルっぽさがあり、たくさんの音たちに囲まれて楽しそうに歌う3人が浮かぶ。ライブでの演出が一番楽しみな曲。

3人のイニシャル(小山、増田、加藤)から取っていると思われる“KMK”は、まるで一つの音楽記号のように見えるのです。
洗濯マークや地図記号のように、NEWSの音楽を表す記号がKMK。
3人がいないと生まれない。3人だからこそ生まれるのがNEWSの音楽。だから、KMK。

歌声がとてもたくましい。曲から感じる重厚感は小山さんの低音ボイスが担っているように思える。
加藤さんの「ain’t no worries」の歌い方が好き。加藤さんが歌う英語歌詞には曲線美があって、耳の裏側がゾワッとする。


★カナリヤ


初めて聴いた時、3人の歌声に心が震えたのを今でも覚えている。
彼らとずっと一緒に歩み、声質や音域を熟知している音楽スタッフさんが、3人のために作ったこの曲。
時に、NEWS以上にNEWSに近い心情を表しているのではと思う歌詞にもハッとさせられる。中でも、加藤さんパートのこの歌詞が印象的だ。

「途方にくれて歩道にひとり踏み出す意味もわからなくなるんだ。どうすればいい?答えは今日(ここ)になくても」

元々落ちサビ前のこのパートが好きなんですが、「音楽」初回Bに収録されたドキュメンタリーで語った「4人から3人になった時、なんのためにやるのか今一度考えた」を受けて、改めてこのパートを歌った加藤さんのことを考える。

3人になって間もなかった時に生まれたこの歌詞。初めて聴いた時以上に、今の方がより心にくるものがある。


初めて聴いてから2年近くが経つ。
ますますパワーアップしていく彼らの歌うカナリヤは、一体どんな音色をしているんだろう。楽しみでならない。


走れメロスのように 

増田さんプロデュース曲で、増田さんから武田鉄矢さんに作詞をオファーした一曲。
これは武田さんから3人に向けた手紙だと感じた。

メロスと聞くと有名な物語の主人公が最初に浮かぶけど、ギリシア語の”歌”という意味で捉えるのも面白いかもしれない。
メロスとは抒情詩を指す言葉で、 抒情詩とは自分(作者)の内面的な感情・情緒を主観的に表現した詩のことだ。
それを踏まえて歌詞を見つめると、ソロパートにあてられた歌詞が各々を体現しているようにも聴こえてくる。

「地面にささって明日になる 疲れた誰かの杖になる唄」を歌う増田さん。
「ぼくの命はゴールに飛び込む君、見送って一歩遅れるガイドランナー」な加藤さん。
「歌いたいのは英雄たちや魔法使いの唄じゃないんだ」とそのままの姿で唄う小山さん。

「金八先生」の生徒だった増田さん・加藤さんだけでなく、小山さんやNEWSのことも見守ってくれた武田さんだからこその、3人に寄り添った歌詞に心があたたかくなった。


“Dischord”-Interlude-

Dischordは直訳すると「不協和音」という意味がある。
和音と和音の衝突。調和が取れていない。一方でそれにより印象に強く残るときもある。
 アルバムの詳細が発表された時、どうしてこの英単語がここにあるんだろうと不思議に思った。

一見ネガティブな意味に聞こえる不協和音ですら、加藤さんは物語に取り入れて馴染ませていた。起承転結の”転”にして、物語を動かしていた。その才能に改めて惚れ惚れする。

耳障りな音から逃れようと耳を押さえていた星は、衝突を止めるべく叫ぶ。いつの間にか、星には口が生まれていた。

このインタールードはアルバム内の物語に留まらず、もっと広い社会へ向けたメッセージにも感じてしまう。


★BURN 


ごうごうと燃え盛る炎の中に白い光のようなものが見える。
この曲から連想されるのは、そんな美しい荒々しさだ。
 
激しさと切なさが入り混じっているからか、聴いているとテンションが上がるし、だけど胸がグッと詰まるような情緒もあって。
相反するものがぶつかって溶け合って一つになっている、そんなロック曲。 

3人になってから2枚目のシングル。「こんなところで終わらない、まだまだ燃えたばかりだ」という熱さに体中が痺れる。 
簡略化すると”エモロック”になってしまうけど、その中に男くささや高貴さがあって、ただ暴れているだけの曲じゃない。それがNEWSならではのロックなんだと思う。

ロックな曲が大好物なので、はやく全身で浴びたい。
そして演出が楽しみ。燃やしてくれ。



★ReBorn 


BURNが橙色の炎ならば、こちらは青。
洗練され研ぎ澄まされていて、だけど確かに熱い。
熱さだけじゃなく鋭さもあって、電流が走ったような痺れのある一曲。 

疾走感あふれるAメロ、スローモーションのように転調するBメロ、からの大空へと一気に飛び立つような晴れやかなサビが気持ちいい。
とにかくずっと歌ってる。休む間もなくずっと歌い続けている。そんなところからも疾走感を感じます。

3人とも、それぞれラップに個性が出ていてめっちゃ格好良い。みんなラップができるのってすごい武器なのでは?

BURNもReBornもアニメ「半妖の夜叉姫」のオープニング曲でもあって、耳に残るメロディーもいい。コンサートで続けて聴きたい。


“Music”-Interlude-

不協和音を止め、みんなで楽しく歌い続けた夜もそろそろ明ける。
音楽を教えてくれた男は、星と別れて立ち去っていく。
星とは、男とは、音楽とは一体なんだろうと考えさせられる。

夜の間の不思議な出来事は、まるで夢のようで、ちょっぴり寂しい。
その余韻が次の曲と繋がって、説明ができないけど目の奥がじんわりと熱くなってしまう。


★未来へ

応援歌はNEWSの十八番だ。
ただ得意というだけじゃなく応援方法もそれぞれ異なっていて、でも熱量は衰えずどんどん増していっている。そこがすごいところ。

LOSERが引っ張ってくれる応援歌なら、こちらは並走してくれるタイプの応援歌。
彼らはただ歩道から「頑張れ」というのではなく、横についてくれるし、時には後ろから支えてくれるし、時には前に立って風を切ってくれる。
つまり、同じ道に立って一緒に走ってくれる。とても心強いタイプの応援歌だ。

ストレートな歌詞が骨にガツンと響く。
直球な歌詞は場合によっては強すぎることもあるけど、臆せずに力強く歌うNEWSはすごく逞しくて、凛々しくて、輝かしい。
これは年齢を重ね、様々なことを経験したNEWSだからこそ歌える一曲なんじゃないかと思う。
ラスト、3人それぞれにフェイクがあるのもすごく良い。


Coda

物語にしっかりとピリオドを打つ作品が好きだ。
中途半端に垂れ流して終わるのではなく、きちんとピリオドを打つ作品は潔い。
NEWSのアルバムって、掴みはもちろん、締めもうまい。ちゃんとピリオドを打ってくれる。
これまでのリズム、メロディー、ハーモニー、不協和音から生まれた心の叫びの全てが詰まったこの曲は、「音楽」という作品の集大成だ。

夜、星というテーマが散りばめられていた曲から一転、この曲から浮かび上がるのは美しい朝日。昇り始めた太陽の眩しさを感じた。

これで「音楽」という作品は終わる。
寂しさはあっても不思議と悲しくはなくって、むしろ前向きになれる。
それはこれからも歌い続けるという意志を、この曲から感じ取れるからだ。

以前、ラジオにて加藤さんがアルバムを「宣誓のようなもの」と仰っていたけど、まさしくその通りで。この曲は宣誓であり、未来への誓いの言葉なのかもしれない。


“Outroduction”-Interlude-

どうして男は、口がなかった星と今まで話せていたのか。
男は言う。
「初めから君のなかに音楽があった。そういうことさ」

男=NEWS、星=わたしたちのように捉えていたけど、この言葉を受けて、もしかしたら「NEWSが星だった頃の物語」なのではとも思い始めた。

8曲もあるシングル曲が孤立しないでアルバムに溶け込んでいたのは、男の言葉を借りるなら最初から根底に「音楽」があったから。
他の曲たちもそう。根っこには「音楽」がいる。

そのことに気が付いた星というNEWSが、このアルバムを作ったのではないか。

最後に聞こえた息を吸う音は星か、それとも男か。


必要以上に語りすぎず、想像という余白を残してわたしたちへ届けてくれる加藤さんの物語が大好きだ。

それにしても、加藤さんが生み出した物語に松たか子さんが命を吹き込んだ事実が夢のようで・・・。
シングル曲が溶け込んだ他の理由として、冒頭でも書いた通りこのインタールードが楽曲と手を繋いでくれたことも関係していると思う。
カレーに例えるなら、具材単品でも美味しいけど、インタールードというカレーのルーと混ざり合うことで、より美味しい一つの料理が出来上がったみたいな。例えが下手くそでごめん。




アルバムを聴いて、自分自身が感じたことと向き合った結果。
“受け継がれる伝統””とまらない変革”の両方を持っているところが、NEWSの面白さに繋がっているんじゃないかと思いました。

伝統と変革。
ずっと磨き続けてきたからこそ、NEWSにしか出せない唯一無二の音楽と。
変化を恐れず、受け入れ、そして楽しんでいるからこそ生まれた新しい音楽と。
両極端にいる二つを掛け合わせたNEWSの音楽に、毎回心奪われてしまうのです。

いよいよ迫ってきた20周年。
その前に原点へと立ち返り挑戦したこの「音楽」というアルバムは、わたしにとって大切な宝物になりました。



すべてを聴き終え、一息ついて、また吸って。
胸いっぱいに広がる多幸感に溺れながら、目を閉じて思う。

やっぱりNEWSがだいすきだな、と。



↑全曲のダイジェスト版です。少しでも興味がわいたら嬉しいな。
ちなみに3人のソロ曲も聴けます。ヤバイ(失った語彙)


↑リード曲「TRIAD」のMV。
冒頭には松たか子さんの朗読も入っています!めちゃくちゃいい!

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