1984年|元ひきこもりが読む小説その3

SF小説は一時期ハマってよく読んでました。最近の作品になるほど複雑で難解になっていくなと感じますね。

昔の作品は舞台設定が90年代とか2000年代でもうすでに現代から過ぎていたりして、当時の未来感と現代はずいぶん違うよなとツッコミを入れつつも、ちょっと違えば実はこうなっていたかもしれないという平行世界的な感覚も味わえます。


『1984年』はまさしく1948年(刊行は49年)から見た1984年の世界が描かれています。全体主義や管理監視社会が進んでおり、主人公のウィンストン・スミスは公的に記録を改竄する仕事をしています。

「テレスクリーン」や「2分間憎悪」などの説明を読んでいると恐怖を通り越して逆にワクワクしてくるのですが、こういう世界って実はもうそんなに遠くもないかもなぁという気もしてきます。てかこれってほぼSNSじゃん!


辞書からどんどんと語彙を減らしていって、思考をコントロールしていく方法は現実的かどうかはともかくとても恐ろしいです。疑問をなくしていった先にはただ従うという選択肢しか残されていません。

教育においてもどうしても従わせることを優先させてしまいがちですが、そこにばかり固執してしまうと自分で考えて行動するということができなくなってしまいます。


図書館の『SF全集』でしか読んだことがないから最新の翻訳は読んだことがないです。たぶんこっちのほうが読みやすくなっているはず。