外国人労働者問題から見る目指すべき大道の覚醒(『大亜細亜』第二号、平成28年10月)
ある外国人技能実習生の過労死
平成二十六年四月、フィリピン人男性ジョーイ・トクナンさんが、所属する岐阜県の鋳造会社の従業員寮で心疾患のため亡くなった。二十七歳であった。帰国まで残り三か月のことだったという。一か月に七十八~百二十二時間半の時間外労働をしていたとされ、今年(平成二十八年)八月、労災認定された。技能実習生の長時間労働による過労死認定は今までなく、異例のことだという。
トクナンさんは稼いだ賃金をほとんどフィリピン本国に送金しており、フィリピンにいる娘とテレビ電話で会