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のらりくらりひとり-孤独を救う曲7選

外出自粛が続き、孤独な時間が増えた人もいれば、逆に減ってしまって辛いという人もいると思います。

1.吹奏楽部門

J.バーンズ/交響曲第3番より第3楽章"ナタリーのために"

「アルヴァマー序曲」などで有名な作曲家バーンズは、吹奏楽のために素晴らしい交響曲をいくつも書いています。中でも1番人気なのがこの3番で、かつてより吹奏楽コンクールで多くの団体が取り上げてきました。自由曲として主に取り上げられるのは4楽章のフィナーレですが、この美しい3楽章をなかった事にはできません。オーボエとコールアングレの長いソロに導かれて、優しさに満ちたコラールが続いていきます。低音木管が響く後半がお気に入りです。

優しさの中に哀しみが感じられるのは、副題にもありますが、生まれてすぐに亡くなってしまった娘ナタリーに捧げられた曲であるからとも言えます。

ちなみに生命力に溢れた4楽章はこちら


2.クラシック部門(その1)

F.シューベルト/即興曲 変ト長調(第一集第三曲 op.90 D899)

シューベルトは9つの交響曲含めて管弦楽曲も数多く書いていますが、私は室内楽曲や歌曲の方が好みです。どの作品も繊細な心の襞を表現していて、ひとりで音楽と向き合いたい時に聴くと何だか救われてきます。中でもこのピアノ曲は、単純で息の長い旋律に小波のような伴奏が複雑な和声を添えており、傑作と思います。とても好きです。

3.ワールド部門

A.ピアソラ/タンガータ(tangata)

ピアソラはアルゼンチン生まれ、フランスのパリ高等音楽院で学んだ作曲家。出身地の民族音楽「タンゴ」を洗練させ、西洋音楽史に残る価値を与えた人物で、20世紀最重要の作曲家だと言えます。「リベルタンゴ」や「ブエノスアイレスの春」で有名ですね。

数多くの作品がありますが、冒頭のピアソラ本人による独奏(バンドネオンというアコーディオンのお化けみたいな楽器)、中間部のピアノの独奏、後半のヴァイオリンの独奏がそれぞれ、人間の孤独な精神を研ぎ澄ました表現となっており実に美しい。すべてを乗り越え、ラストで感情が爆発する様には感動をおぼえます。傑作です。

ほかに私は「アルフレッド・ゴビの肖像」が好き。また、その名もずばり「孤独」という曲もあります↓


4.ポップス部門(洋楽)

Peter,Paul&Mary/Don't Think Twice,It's Alright(くよくよするなよ)

元々はボブ・ディラン(ノーベル文学賞を受け取っていないことで有名)の曲ですが、ピーター,ポール&マリーの美しいハーモニーと、小気味いいスリーフィンガーのギターで見事なカバーとなっています。歌詞の優しさと、最高のハーモニーで心に沁みる演奏です。とにかく、最高のハーモニー。

5.ポップス部門(邦楽)

クラムボン/波よせて

クラムボンは3人組バンド。ジャズやソウル、AORを組み合わせた音楽アレンジが特徴で、特に自由奔放なミトの女声ボーカルが魅力です。この「波よせて」はカバーですが、1人の少年が夢に立ち向かっていく様子を描いている? 不思議な世界観に浮遊感があって、励まされるような、癒されるような、唯一無二の印象が残ります。

6.ヒップホップ部門

nujabes/Reflection eternal

nujabesは本名を瀬場 潤(せば じゅん)さんと言って東京出身のDJ、トラックメイカー。穏やかで爽やかで、独創的なサウンドが多くの人の心をつかみ、フォロワーとなるDJも多く生み出しました。36歳という若さで亡くなってしまい、伝説的に語られてもいます。
この曲は繰り返されるピアノのリフレインが優しくて、どんなシーンに聴いても心が洗われる名曲です。

7.クラシック部門(その2)

F.ショパン/ピアノ協奏曲第1番 第2楽章(ラルゴ ロマンス)

ショパンはポーランド出身、フランスで活躍したピアノ音楽の巨匠です。2つある協奏曲はどちらも名曲ですが、特にこの楽章はすべてのフレーズが悲しさと優しさを湛えていて素晴らしいです。美しい。

8.最後に

そもそも音楽というのは、聴いてくれる人がいなくても成立するものです。ピアノに向かって1人でぽつぽつ弾いたり、ギターで好きな歌を鳴らしてみたり。そんな、音楽が持つ本来のプライベート性を思い起こすような感じになりました。

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