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【未経験→マーケターになり5年】「会社に頼らず食っていけるスキル」を身につけるまでの60ヶ月の歩みと、そこで得たもの

こんにちは!
4月に発売する村上春樹さんの新作長編が待ちきれない、鴻上です。

なんと…ついに…来月、転職してから5年が経とうとしています。いやー月日、早いですね。
(子供はもう6歳と3歳。早い。)

新卒で入社した株式会社ニトリで7年間働いたあと、未経験だったマーケター職にジョブチェンジしたのは2018年3月。当時は29歳でした。

7年の間に店舗運営・新卒採用・物流管理など短いスパンで幅広い経験をさせてもらっていたし、会社の理念にはすごく共感していたし、一緒に仕事する人たちもいい人ばかり。

それでも「会社に頼らずに食っていけるスキルが欲しい」という漠然とした欲求は日々募っていました。

これは人事の時。

そこから思い切って「マーケターへの転職」というチャレンジをして5年経ったわけですが…

いま、過去最高に仕事が楽しいです。笑
ほんと、あの時思い切ってチャレンジしてよかったー。

転職してからの5年間はそれまでとは時の流れが全然違う感じで、振り返ると怒涛のように過ぎていったなー、という感じです。

まるで「精神と時の部屋」にいたような5年

そんな時に最近ふと思いました。
「あれ、やばい。このままボーッとしてると何にも記録しないまま過ぎちゃいそう。」

ということで、転職して5年という節目のここらで気合い入れて「5年間でやってきたこと」と「5年間で得たもの」について振り返ってみたいと思います!

もしこのnoteを読んだことが転職のきっかけになる人がいれば、僕としてはこの上なく嬉しいです!!

このnoteのためだけ撮ってもらった



未経験からマーケターに転職して5年間の歩み


さて、それでは早速5年間でやってきたことをザーッと振り返ってみます。

その前に、僕が入社した株式会社ARETECO HOLDINGS(アレテコホールディングス)をカンタンにご紹介。

ここは大企業の会社員として生きてきた僕にとっては、それまで触れたことのない世界線にある会社でした。

「arete=徳,卓越性」+「co=集団」でARETECOです


どんな会社に入ったのか?


株式会社ARETECO HOLDINGS(アレテコ)を一言で伝えるなら、「日本にマーケターを増やし、クライアントへのマーケティング支援を行いながら、自社でもマーケティングドリブンの新規事業を創りまくる" マーケティングファーム  "」です。

「コンサルティングファームは知ってるけど、" マーケティングファーム "って何?」

って感じだと思いますが、「マーケティングファーム」という言葉は僕たちの会社で編み出した概念です。(調べてみたら、過去にも名付けてるところはありましたが)

クセの強い会社です

コンサルティングファームが「企業の抱える経営課題を解決に導くコンサルタントが集まった集団」とするなら、マーケティングファームは「本質的マーケティング思考を持ち、さまざまな事業を立ち上げ前進させるマーケターが集まった集団」

カンタンにいうと
・日本にマーケターを増やす
・企業のマーケティング課題を解決する
・マーケティングドリブンで事業を創りまくる

ことを目指す会社です。

実際に僕がいた5年間でも、
東大生新卒を1年で14人採用したり
独自のマーケティング教育カリキュラムを開発して100万円で販売したり
・複数クライアントのマーケ支援で過去最高の売上を作ったり
・複数の新規事業を立ち上げてEXITしたり
と「マーケティングファーム」というコンセプトの下で尖ったことに色々チャレンジしていました。

最近でもちょこちょこいろんなところで「アレテコはヤバい」と噂されてると耳にします。(いい意味で解釈しています笑)

参加費1人100万円で販売していたCMO BANK


5年間でやってきたこと、振り返ってみた

そんなARETECOに入ってからの5年間で僕自身が経験してきたことと、その時々のハイライトを綴ってみたいと思います。

入社までの細かい経緯は↓のnoteに書いたので今回は割愛。

まずは入社後の半年間から。


▼フェーズ1(2018/3 - 2018/9): マーケティングの基礎を学ぶ時期

入社後から半年間のハイライトといえば、これはもう確実に代表高木の下でマーケティングの基本をみっちりと教わった「3ヶ月のマーケティングブートキャンプ」です。

こんな感じでした。

3ヶ月の課題というと…

  • 3ヶ月で本を100冊読む

  • 社内の誰かに対面で5,000円以上何かを売る

  • 会社のグループチャットでセールスして20,000円以上何かを売る

  • SNS広告バナー制作で目標数値を出す

  • SEO記事を書いて検索1ページ目に載せる

  • リスティング広告のLPを作ってROAS合わせる

  • クライアントのLPを制作してリスティング広告で既存CPAを上回る

今考えると3ヶ月にしては相当無茶なチャレンジ。笑

ですが、未経験から入った身としては「これが当たり前なのか…!」という感じで必死。笑
当時の先輩方にたくさん教わりながら全力で食らいついて、たくさんのフィードバックをもらうことでなんとか1つ1つ目標を達成させていきました。

目標未達で坊主の図。気合いが違う 

振り返ってみると、本質的なマーケティングの土台をこの時期にしっかり叩き込んでもらえたんだなーと思います。

あとはそれまでそんなに本読んでなかったんですけど、年間100冊読んで自分で目標に対してインプットしていく習慣がついたのはでかいです。

kindle見たら891冊ありました。今年目指せ1000冊。



▼フェーズ2(2018/10 - 2019/8): SNS広告チームのリーダー期

次は入社してから半年経って新広告チームが立ち上がった時のこと。

この頃のハイライトは、「未経験から入社して半年にして13人の部下を持つ」です。笑

しかも年下とはいえ先輩ばっかり

自分自身まだまだ実績が乏しい中で、チーム全体の数値目標を持ちながらメンバーの育成もしながら自分も結果出さなきゃ、という本当にてんやわんやの時期です。

まぁこれもまたなかなか無茶な状況ですが、ある程度の無茶(ストレッチゾーン)は人を育ててくれるもので、もう一人のリーダーと一緒に組織のこと、事業のこと、色々話し合いながらなんとか乗り越えていきました。

パニックゾーンギリギリでしたけどね。 画像引用:https://www.gaji.jp/blog/2021/04/16/7101/

この中で自分自身でもSNS広告制作・運用のPDCAをブンブン回してスキルを身につけていきました。


▼フェーズ3(2019/10 - 2020/4): クライアント集客支援チームのリーダー期

次は息子誕生のために1ヶ月の育休をとった後、改めてクライアント集客支援のチームリーダーをしていた時期。

この頃のハイライトは、あるD2Cスタートアップの集客支援プロジェクトの経験です。

この時自身がプロジェクトリーダーとして企画→制作→運用を一気痛感で担当していた広告キャンペーンで、2020年4月5月に月間15,000件の新規顧客獲得というクライアントにとって過去最高の成果を届けることができました。

この経験の中で「一つ一つの広告」ではなく「複数チャネルでの顧客購買行動全体の設計」を担当して成果に繋げるという流れを身につけることができたのは、1つの自信につながりました。

当時のチームメンバー4人で行った達成祝いの「焼肉うしごろ」の味はいまだに忘れられません。うまかったなぁ。。

お腹すいた

▼フェーズ4(2020/5 - 2021/6): 海外化粧品ブランドの国内展開事業リーダー期

「すでに売れているプロダクトの売上を最大化する」という経験ができたあとは、「まだ売れていないプロダクトをマーケの力で売れるようにする」というチャレンジをしたいと思いました。

そんなところにたまたま舞い込んできたのが「海外化粧品ブランドの国内マーケティング」のチャンス。デジタルでの集客に課題を抱えていた企業からマーケティングの相談があったんです。

自分でも使ってみて「これはめちゃくちゃいいプロダクトだ!」と感動した僕は、そのプロジェクトを担当させてもらうことにしました。

映像のシズル感にこだわってる様子

ブランドマネジャー的な役割になったので、ここで一気に業務内容が広がります。

事業計画策定、ブランド全体のSTP設計、価格含む4P全体の設計、ユニエコなどの財務管理、海外輸入品の在庫管理、などこれまで全くやったことない業務ばかりでまたしてもてんやわんやな日々。

そのマルチタスクぶり阿修羅のごとく

この時期のハイライトは、忘れもしない2021年11月。
その前に失敗したコミュニケーション設計を全部捨てて、ゼロから顧客インタビューを繰り返して挑んだ2度目のコミュニケーションキャンペーン。

ついにリリースして運用が始まった瞬間…
「な…に…!?」
目標CPA(顧客獲得単価)の1/2という圧倒的に安いCPAで、爆発的に獲得が伸びるのをみた時は、一瞬信じられず。

「これがPMF(プロダクトマーケットフィット)か…!!」と感動してしまいました。

一人で大部分を進めていたプロジェクトだったので、一人オフィスで「シャンパン飲みたいシャンパン飲みたいシャンパン飲みたい」と言っていたのは異常に見えていたかもしれません。笑

家に帰って一人でビールを飲みました

▼フェーズ5(2021/7 - 2021/9): 新規事業立ち上げチャレンジ期

この時期の経営会議での意思決定により、海外化粧品ブランドのマーケティングは他のメンバーに託すことに。

そして「まだ売れていないプロダクトを売れるようになる」という経験をした僕は、その後「ゼロから事業/プロダクトを作る」ことにチャレンジすることになります。

結論から言うと、ここでの新規事業立ち上げは思いっきり挫折しました。

ゼロから事業を創造するという壁

事業構想を描いて立ち上げに向けてリサーチ→事業計画策定を繰り返していたんですが、その中で…

・生活者の中にそもそも需要が存在しない可能性が高い
・需要があったとして、事業計画が大赤字

ということがわかり、これをスタートするのは無茶ではなく無謀だ、とプロトタイプをすべて捨てて泣く泣く中止しました。

何度事業計画を組んでもマイナス

▼フェーズ6(2021/10 - 2022/8): マーケティング支援事業でのクライアント開拓期

新規事業立ち上げに失敗した後は、マーケティング支援事業のチームに入ることに。
それまでの事業立ち上げの動きは会社にとって「金食い虫」だったので、とにかく売上を作って貢献したいという思いがありました。

この時期のハイライトは、とある上場企業クライアントを担当した時です。

トライアスリートのAさんと担当しました。イメージです

それまでのマーケティング支援では基本的にクライアントを紹介いただいていたので、新規での営業はほぼ不要でした。

けどクライアントの業界の偏りなどがどうしても発生していて、ここを新規で開拓していきたいと考えてたんです。そこで、市場に出ている広告などをいろいろ調べて「自分たちが担当すればこの企業は絶対に爆発的に売上を伸ばせる」と信じられる企業に複数アプローチしていきました。

BtoB営業のいろはも経験

その中で担当した上場企業クライアントのプロジェクトでは、過去に取り組んだことのない業界の企業だったにもかからず大きな成果を出せて、その当時ARETECOで最も大きな売上に繋がったプロジェクトになりました。

これまでの経験がさまざまな業界・プロダクトにも生かせるなという自信に繋がった経験です。


▼フェーズ7(2022/9 - 現在): 「株式会社ARETECO MARKETING FIRM」取締役へ

その後、元々の「マーケティングファーム」という構想の最も重要な「マーケティングドリブンで事業を創りまくる」ことを真ん中に置いた事業会社として「株式会社ARETECO MARKETING FIRM」を新しく設立することに。
そこで取締役に就任し、今に至ります。

と振り返ってみると毎年違うことにチャレンジしてきた怒涛の5年間でした。

転職してからの5年で得たもの

この5年間の仕事の中で得たものを数え出すともうキリがないです。そりゃ未経験から始めてるし、企業文化も全く違うところに転職してるから当たり前ですね。

なので、5年間で得たものの中で、特に大きいと感じている2つを挙げてみます。

1、本質的なマーケティング思考

1つ目はいろんなマーケティングの実践経験と学習から得られた「本質的なマーケティング思考」です。

ここ最近、
「WEBマーケティング」
「SNSマーケティング」
「コンテンツマーケティング」
「動画マーケティング」など
「〇〇マーケティング」という言葉が増えていますし、「マーケター」という職種を名乗る人も増えているように感じます。

マーケティングテクノロジーも氾濫してます 引用:https://www.underworks.co.jp/download/wp-chaosmap-2021/

僕も「マーケター」を名乗る人たちといろいろ話をしてきたんですが、その中であるとき気づきました。

「話合わない人、多くね?」

なんだか個別のHOW、アプリケーションの話が多くて、そもそもの「誰にどんな価値を提供するのか」っていうマーケの本質的なところの話の解像度が合わないことが多いんですよね。

マーケターを名乗ってる人のうち、「誰にどんな価値を」の部分を理解して使いこなせてる人は正直5%もいないというのがこれまでの肌感です。

ここの解像度を上げていくためには「ゼロから売れるものを作る」とか「売れないものを売れるようにする」とかの課題に本気で向き合う必要があるのかな、と振り返ると感じます。

自分が使いこなせるかでいうとそれは正直まだまだですが、それでも「誰のどんな欲求に、どんな価値をブッ刺していくのか」という根っこの部分を考えてきた経験は、5年経った今大きな自信につながっています。

シンプルすぎて「わかる」と「できる」の壁が大きすぎる。
引用:山口義宏「マーケティング思考」


2、自分の人生にリーダーシップを持つというスタンス

ブルーピリオドより。いい漫画です。

もう一つ得たものの中で大きいのが、「自分の人生にリーダーシップを持つ」というスタンスです。

これはマーケティングの仕事だからというよりも、スタートアップという環境とかARETECOの企業文化(創業者である高木の考え方)から得たものですね。

もちろんマーケティングという「会社に頼らずに食っていけるスキル」が身についたことで人生の選択肢が広がったこともあります。
が、それよりもそもそも「客観的な正解や枠組みにとらわれるのではなく、自分にとっての理想を想像する」という考えになれたなと。

映画ソウルフルワールドのエンディングの感覚

マーケティングって突き詰めて考えても「絶対的な正解」は無くて、できることは「自分で理想を想像して、それを妥協せずに創造する」だけ。(もちろん顧客視点で客観的なリサーチは全力でやり切った上で)

それを繰り返し考えていく中で、自分の人生に対しても「理想ってどんなだっけ?」という問いに向き合うことになります。

で自分個人のことを考えると、過去に強くエンゲージメントされている瞬間って結局「誰かのために何かをつくる」ときだなーと気づけたり。

この辺のことをじっくりと考える時間があったのは、自分の人生にとって大きかったなと思います。

「想像と創造」という言葉が自分の芯になった感じ


「本質的マーケティング思考」と「人生へのリーダーシップ」。
これら以外にも得たものはたくさんあります。

  • 読書を通してインプットする習慣(年間100冊読書を継続)

  • 「仮説思考」「抽象化思考」「フレームワーク思考」などの思考法

  • 脳(認知・行動のメカニズム)に対する解像度が上がった

  • 自分の強み弱み(卓越性)の理解が深まった

  • 休みを自分でデザインできるので、家族関係良好

  • 給料は2倍以上になった(マーケターの市場価値は高いです)

などなど。総じて今思うのは、僕にとっては「自力で食っていくスキルを身につけるための転職は正解だった」ということです。


以上、5年間の歩みとそこから得たものの振り返りでした。

追伸:
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