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健やかさを実現するキャリア

転職で自己理解と健やかさを手に入れた

私は今、15年以上勤めた1社目の会社を辞めて、その後2社、合計3社目で働いています。

当初は1社目を出ることに躊躇していたが、外に出てみたら、世界の自由さや開放感を感じたし、自分の経験が活かせそうなフィールドがわりとありそうだったし、自分らしく働けるフィールドも案外ありそうだということに気付けたし、今まで出会えなかった方々に出会えて教養も視野も広がりました。

短期間だけど、今までに出会えなかった種類の人たちと様々な仕事をさせていただく中で、自分がどういう時に発揮できて、逆にできないのか、自分が心身ともに元気でいられるにはどういう環境が必要なのか、それらを勘案したときに仕事選びで大事なことは何なのか、肌をもって理解しました。

今は仕事も家庭も充実し、健やかに過ごしています。

初めての転職の時はビビっていた

正直、最初の会社を出る時はちょっとビビっていたし、手放さなければいけないものもたくさんあったが、仕事を変える経験をしたことは、まだ先の長い自分の人生にとって多くのプラスがあったと思っています。

当初はビビっていたというのは主に2つの観点があると思っています。
「せっかく長く働いてきて、様々な人間関係も作ってきて、いくばくかの実績も作ったし、ある程度のポジションもあるのに勿体無くない?これと同じようなことが別の職場で再現できるの?」というキャリア形成観点からの恐れに違い感情がひとつ。上場グローバル企業でマーケティングチームのマネージャーをやる機会をいただいたり、プロダクトマネージャーをとりまとめる経験はなかなかさせてもらえない貴重なものと理解していました。
そしてもうひとつは「新卒からずっとお世話になった諸先輩方のおかげで、ただの学生からたくさんの仕事をできるようになった。この恩返しをしないとなあ」というチームへのある種の帰属意識みたいなものでした。それを差し置いて自分が好きな道に進むことは、人を裏切った気持ちになりそうだったということです。

これらから、当初は最初の会社で長く働くことが正しい道だと思っていました。周囲からも、「えっ、彼が辞めるの?」って驚かれたことが多々あったように、周囲からもそう見られていたと思います。

しかし今思えば、そのように内に篭ろうというベクトルに自然と物事を考えてしまっていた状態が、いつしか自分の選択肢を狭め、成長を阻害し、充実感を削いでいた気がします。
特に、2点目のチーム帰属意識の観点は働く上で重要であるものの、周囲に気を使いすぎた仕事の仕方が「自分らしさ」を忘れさせて、結果自分のパフォーマンスを落とさせていたことにも後から気づきました。

好きだった仕事、好きだった会社で健やかに生きられなくなった

1社目はそれなりの大企業。しかし新卒で入社したときはまだスタートアップの雰囲気も残り、「新卒でも大きなことができる!」というフレーズに惹かれて入社しました。
成長する市場に対して人の数も社内の仕組みも追いついていなくて、実際にめちゃくちゃ働いたけど、自分で考えて自分でアウトプットして自分で成果をみて自分で次を判断していたから、自分で会社と世の中を変えていく実感が持つことができていました。
この裁量ある環境は自分を大きく成長させたし、毎日がゲームのようで、自分らしさも発揮できていたし、自分にとってすごく充実していたものです。

しかしながら、さらに企業が成長する。気づいたら新卒で入社した当時よりも企業の規模が約3倍となっていました。
こうなってくると、新たなことをやろうとした時に様々なところに影響が出るため、社内の調整ごとが多くなります。「○○さんに迷惑かけないような企画をしよう」とか「○○さんたちと話をしておかなきゃ」、「あっちとも合意しなきゃ」とか。そしてこれが海を超えた話ともなることも。
特に自分は新規事業系に特化したPdMのキャリアを積んできており、新しいことをやろうとして周辺とコンフリクトするなんてことはザラにありました。
こういったことは当たり前だし、ある程度の規模の企業の中で新規事業やるなら考えなければならない重要な点だと理解しているものの、今思えばこれが結構大変で、新しい価値を外に生み出す仕事にも関わらず、かなり内向きな仕事に時間を割きまくっていたと今は思います。冗談抜きで、毎日社内資料に4時間くらいかけるようになっていました。
自分は徹底的にユーザと向き合ってインサイトを得て純粋に事業を作って、誰かの課題解決に役立ちたいと思っていたし、それを感じれた瞬間にこそ本当に充実感を感じるが、そういった力や想いが活きる仕事ではなくなっていました。

また、社員数がただ3倍になったのではありません。グローバル規模で3倍になったので、自分が主に見ていた日本市場に対するグローバルの中の位置付けや優先度も変わったりもしました。
結果、大きな改組があり、それまで関わってきた多くの人が近くの部署から離れてしまったり、退職してしまうということも起きました。
加えて、その環境変化の中で、自分が将来目指していたポジションそのものが構造上なくなってしまったという誤算も生じました。
ちょうどその頃、どんなキャリアを作っていくか考えていた時期と重なり、いきなり目標を失って抜け殻みたいになった期間があったのを今でも覚えています。

自分が仕事するにあたって何が大事か考えた

過去、自分が仕事をしてきた経験から、「お客さんのためになるアウトプットをする(それを実感する)」ということが、最も自分にとって充実感を感じさせ、喜びであると確信しています。

しかし、この時すでに、会社の成長と共に自分が期待するレベルで市場やお客さんと触れる機会が減り、しかも周囲の人も変わったことでここに集中できなくなくなったし、目標も見失ったし、充実感を失っていました。日々の仕事が全然面白く無くなってしまっていました。
この状態ではプロダクトマネージャーとして企画の筋を磨いたり、ましてや世の課題を解決するなんてことは自分にはできなそうだと感じました。その後考えに考えた挙句、前述の通りビビっていましたが、思い切って1社目は出ることにしました。

「何をすべきか」で壁にぶつかる

ここまでの話は、全て「自分が働く環境」のことを書いています。
最初の転職をする時までは、自分が好きな仕事ができる環境を求めるべきだと思っていました。結果、この考え方は少し失敗に終わります。「働く環境」はもちろん大切なことのひとつですが、もうひとつ「原体験」が大切だということに気づきました。結果、3社目の今はとても楽しく、日々充実して健やかに過ごしています。
この点は別のブログに書いているので、よければそちらも目を通してください。

健やかさ = テーマ(原体験) x 働く環境

2回の転職の中で私が感じたことがこれです。
働く環境がどれだけ自分が望むものであっても、それによって解決するテーマが自分が関心のあるものでなければやりきれない。どちらが欠けても自分は健やかにはできませんでした。
つまり、「自分が好む環境で」、「やりたいことがやれている」ということこそが大事ということです。

状態を維持するためには日々勉強

こういった状態を手にすることができるのは、「積み重ね」があったからだと思っています。その点、15年以上いた1社目においては、幅広く、そして深く仕事をしてきたので、潰しの効くスキルがそれなりに得られていました。こういった状態で、かつそれを言語化できるからこそ、私は仕事をするフィールドを選ぶ権利を一定手にしていると思っています。こればかりは本当に感謝しかありません。

でも、世の中で必要とされるスキルの移り変わりは早いものです。常に勉強を重ねて、新しいことにチャレンジをして、新しい学びを得続けられているかどうかが、継続的に「自分が好む環境で」、「やりたいことがやれている」状態を作り出せるのだと思います。

充実して健やかに過ごせている今だからこそ、さらにチャレンジして新しい力をつけながら、社会に貢献していきたいと思っています。

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