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大学教員準備講座

恩師の最終講義に向かう新幹線の車中。この本を開きました。これから大学教員を目指す人、なる人、なったばかりの人向けに書かれた本です。このような本があるとは。もう少し早く気付きたかったです。
大学教員の仕事について、網羅的に基本事項がまとめられています。
学生の立場から知る大学教員の仕事は教育が主ですが、その他にも研究、学校運営、社会サービスの4本柱です。その中でも教育または研究のどちらかに重点が置かれる傾向があり、これまでの日本の大学は研究志向の強さが指摘されているようです。私の恩師も比較的研究志向が強く、学生が夜に研究室を訪ねてきても居留守を使って自分の研究をしてる(と思われる)カワイイ所がありました。
そんな恩師の最終講義です。当初、最終講義をやりたくないと言っていたようです。「誰が私の話なんか聞きたがるんだ!」と卑屈になっていたと企画者に聞きました。何がそうさせたかはわかりませんが、、、、蓋を開けてみると2時間30分みっちり。足りないくらい。集まった卒業生の数は25年の教員人生を労うのに十分。いや、感動的数でした。
丁寧にひとつひとつ。建築と都市に対する色褪せない情熱が見えたような見えなかったような。今思えば先生のその情熱なしに私は建築を志したでしょうか。懇親会の結びの挨拶では「ここで学んだ事は世界どこででも通用するぞ」と感極まってデカイことを言っていました。変わらず強い思いを放つ先生を見て、教鞭を執る者の姿勢を教えられた気がします。
この最終講義は、私には準備講座でもあったのかも知れません。

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