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栃木の瞑想の森にて「内観研修」をしました。

2022年2月27日日曜日~3月5日土曜日まで栃木県にある「瞑想の森内観研修所」へ行ってきました。

内観って何?

知らない人がほとんどだと思います。

更に瞑想と言われると悪徳宗教にも勘違いされそうですが、宗教ではありません。

生きとし生けるもの全員内観研修を一度受けると良いなと思ってこの記事を書きました。

今回は「内観とは何か?」「なぜ行ったのか?」「得られた効果は何か?」「内観1か月後、今思う事」についてお伝えしますね。

内観とは何か?

さて、皆さんは「内観」って言葉を聞いたことありますか?

あまり馴染みのない言葉ですよね。

内観とはその名の通り「自分の内側を観る研修」です。

外部とのコミュニケーション・情報を一切遮断して徹底的に自分に向き合います。

部屋の角、畳半畳分(90×90㎝)に座り、高さ170㎝ほどのL字型の屏風で仕切られます。

スマホとかテレビとか本とか一冊禁止。
他人との会話も禁止。誰かと会っても挨拶もしません。

トイレと風呂以外は屏風の中。食事も屏風の中です。

背中は壁、目の前は屏風なので、やや薄暗い中「6時30分~21時30分まで1日15時間」徹底的に自分と向き合います。

向き合い方にもルールがあります。

そのルールとは、母、父、姉、妻などに対して『して戴いたこと』『してお返ししたこと』『ご迷惑をおかけしたこと』の3点に絞り過去を調べていきます。

とにかく上記だけを調べる。もちろんスマホもないので思いだせない事は多々あります。

約90~120分毎に、先生が来て「この時間誰のいつのことについてお調べになりましたでしょうか?」と問いかけられますので、
「ただ今の時間、母に対して0~6歳までの自分について調べました」と伝え『して戴いたこと』『してお返ししたこと』『ご迷惑をおかけしたこと』をお話ししていきます。

私の場合、最初の内観は母に対して0~6歳までの自分について調べました。
※内観では思いだすではなく調べると言います。

宗教ではないので、教えがあったり、否定がないので、調べたことをただ言うだけです。

先生もただ聞いてくれるだけです。

それを日曜日16時頃~土曜日の正午まで7日間、永遠と繰り返します。

何に課題を感じて内観に行ったのか?

そもそも、なぜ私が内観に行こうかと思ったか?を正直にお伝えします。


情けない話ですが「これだけ頑張っているのになぜ会社の規模や成績がこの程度なのだろう?」と思っていたからです。


「自分には経営センスが全くないのだろうか?」と考えていました。

会社がどこを目指すかにより成功の定義は変わると思いますが、私の周りの社長はどんどん業績を伸ばしていっている中で、私は微増がずっと続いています。

さらに、コロナ禍ではやや痛手を喰らって後退。


ずっと「自分に課題はある」と思っていたのですが、「それが何なのか?」わからず悶々としていました。

マーケティングや経営についてはかなり学びました。が、インプットした程結果は出ていません。

なので、スキル面じゃないのはわかっていました。

自分の心の中、相当奥深い部分で何か躓いている部分があるのだろうと。


そういう時に、元ホークス投手でコーチとしても千賀を育てた倉野信次さんと会食する事がありました。


この著者です。(良い本なのでぜひお読みください!)


その倉野さんが、現役時代大車輪の活躍をした年がありました。

確か2004年。私が創業した年です。

当時球場で見ていた私もびっくりするくらいの大活躍でした。

大変失礼ながら物凄い活躍だったのを覚えていたので「なぜあの時大活躍出来たのですか?」という質問をしました。


私はてっきり「下半身を強化した」とか「投げ方を変えた」という答えが返ってくると思っていたところ、、、


その答えは「内観研修により、翌年一軍で9勝したんですよ」と予想外の答えをいただきました。


私はなぜだか「これだ!」と思い、その時に「すぐに紹介してください!」と言いました。なんかピンときたんです。理由はわかりません。

それが2021年12月中旬の話です。

その後、紹介をしていただき12月末には研修所の先生と連絡を取り合っていました。

そして、内観研修に行ったのが2022年2月末。

結構素早い行動だったと思います。

最初にお伝えしたように7日間全く連絡取れません。零細企業の経営者として大丈夫かな~と思いましたが、行く事を即決めました。

今思うのですが、7日間連絡が取れなくても大丈夫なスケジュールを良く作れたなと思います。

仕事では副社長はじめメンバーのおかげ、家庭は妻のおかげだと思い感謝しています。

多くの経営者にこの事を話すと「自分は7日間も空けれない」と言います。

が、私から言えば「7日間空けて何もなければ自分の存在感が否定される恐怖」に支配されているだけです。

自分の存在価値は頼られる事ですもんね。

もっと言えば「7日程度空けれない会社って社長に何かあったらどうするのだろう?」と思います。


話は逸れましたが、そのような課題を抱え、栃木にある「瞑想の森内観研修所」に行くことにしました。


得られたものは何か?

内観研修の話をすると、多くの人に「情報遮断しての7日間は絶対耐えれない!」と言われます。

やってみるとそんな事はありません。苦行じゃないですから(笑)
何しろ根性のない私ができるくらいなので。

ちなみに、食事も優しい味付けでとてもおいしいんですよ。風呂もトイレもきれいです。


内観は母・父・兄弟姉妹・妻・子供などについて『して戴いたこと』『してお返ししたこと』『ご迷惑をおかけしたこと』を考えるだけでいいんです。


私は日曜日に開始して、火曜日夜には完全に慣れてきました。

そして、この間スマホを手放したことで、心が穏やかになりました。
正直、経営から離れてもいいかな?なんて思いました(今は思いませんよ)

無我の境地です。

最近いろんな方から「内観で何が得られたのですか?」とよく聞かれます。

答えは「いつも清々しく心が落ち着いてきた」事ですね。


変わったのは自分の心の内側なので、他人から見て私の変化は気付かないでしょう。決して他人には分からない部分です。

逆に、7日研修終わってかなり変わってたらそれ怖い宗教ですよね(笑)


変化に関して具体的には
「他人の愛に(前よりも少しだけ)気付けるようになった」
「相手の立場になって(前よりも少しだけ)考えれるようになった」
「自責思考が更に芽生えた」
という事です。


『して戴いたこと』『してお返ししたこと』『ご迷惑をおかけしたこと』をずっと考えると、どういう気持ちになるのでしょうか?


それは「人にして戴いている」「ご迷惑をおかけしている」罪深き自分です。その割に「人にお返しをしていない」冷たい自分。
これは私の体験なので全員が同じになるわけではありませんが。

例えば、私が小学生の時、母親はどんな気持ちで毎日食事を作ってくださったのでしょうか?
熱がある日も、気分が乗らない日も毎日毎日、朝夜作って戴きました。

母親側から考えると、相当な負担ですね。
内観中は、それがドラマの様に、いや母親側の立場になり、母親の目から見た自分が鮮明に、イメージになり見えてくるのです。

恩知らずの自分が分かった瞬間に、母や父・妻の苦労を感じ取る事ができます。

そうすると、涙しかでません。

その涙の意味が「ごめんなさい」なのか「ありがとう」なのか人それぞれです。

「自分が人に迷惑をかけてきた=母・父・妻は無条件の愛で包んでくれた」となり、今まで流れてしまった「愛」に気付けるようになります。

「ああ、自分はいろんな方の愛で生きてきたんだなあ」と。

研修中はそれを「愛情の落穂拾い」と言われていました。

身内だけではなく「社員」「仕入先」「地域社会」「支援者の方々」にもそう思えるようになります。

話は逸れますが、弊社のPurpose(企業目的)は、関わる方々の幸せと位置付けているのですが、ようやく腹の底からそれを思えるようになりました。

愛されていると分かった人は強い。

世界中が敵になっても無条件で愛してくれる人がいるのだから。

様々なスポーツ選手や経営者が内観研修後に成績を上げた理由の一つに、「愛に気づき、自分自身の幹がどっしりするから」ではないでしょうか。

内観1か月後、今思う事

内観して1か月経ちますが、以前より自分に気付けるようになりました。

他人の愛情をスルーしてしまった時も、直ぐに気付けるようになりました(もちろん100%じゃないですよ)

そして、今後は身近な人を大事にしようと思っています。


長年経営していて、かっこよく『社会を変える』だの『こんなビジョン実現する』だの言っても、身近な人への恩返しできてなければ、短期的には上手く行っても永続企業は出来ないです。

それは幸せじゃないですもんね。

幸せじゃない組織体を作るのは不幸です。
※この幸せというのは仕事が楽とか甘やかすという意味ではありません。

本当の幸せは虎舞竜のロードの歌詞『何でもないような事が♫』だと思って、その何でもないような事気づけるようになったりました。

幸せとは日常に落ちているものです。
それに気づき、拾い上げ、人に返す。

ただただ、それだけです。


他にいろいろ学びもありました。

仕事で一番使えるなと思ったのは『とにかく今この時に全知全能を持って集中するという教え』です。


経営者の特性上、私は先のこと先のことばかり考えて生きてきました。
10年後はこうする、5年後はこうする、3年後は・・・

もちろんVisionとしては大事ですが、先の事ばかり考えても、不安になるんですよね。

未来なんて一寸先はわからないし考えれば不安になるだけ。
過去は過去で終わった事で変えようがありません。

冒頭に書いた「自分は一生懸命にやってきたのになぜこの程度なんだ?」という自分では気づかなかった後悔。

でも答えは簡単でした。

実は全て一生懸命やってきたんです。

頑張ることもサボる事にすら一生懸命やってきた。全部一生懸命やったんです。その結果の今。

だから、一点の後悔もなくなりました。

私の過去は肯定できました。

今ここにある自分が全て。そして、今、ここに集中するだけ。今に集中すれば、未来は創り上げることができます。

今ここにある自分にだけ集中して生きていきます。

そうすると、どうなるでしょうか?

自責思考になるんです。

他人がどうかとか、考える時間が減ります。
今の自分に対してだけ考える事が出来ます。

いたって健康的な思考ですよね。

年齢を重ねれば人間としての余計な垢がたまる。経営者だけじゃなく人はこういう時間が必要だと感じました。

今回の内観研修談はあくまで「私見」としてとらえてください。
人により体験後の感想は違うと思いますし、気づく部分も違うと思います。

ただ、内観研修は悩める経営者にお勧めします。


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