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季節の変わり目

「暑さ寒さも彼岸まで」と昔からよく言われていますが、今年はその言葉通りで東京もようやく暑さも落ち着いてきたように感じます。自分は先週末から長野県の上田市に滞在していたのですが、ここで「逆さ霧」という現象を初めて見ました。

これは市を代表する山の「太郎山」の稜線を越えて滝の水のように雲が溢れ出す光景なのですが、春と秋の限られた気象条件が揃わないと見られない光景のようです。「太郎山に逆さ霧がかかると寒くなるから霜に注意」といったことが言い伝えられ、天気や農作業の目安になっていたそうです。
こういう自然を見て判断することは、自分の祖父母の世代の方たちは自然に行っていたように思います。自分が小さな頃も外で遊んでいると蝉の鳴き方を聞き分けた祖母がそろそろ夕立が降ってくるよ!と教えてくれたり、ツクツクホウシが鳴けばもう直ぐ夏が終わるから宿題を早く片付けておきなさい!といったことを言われたことを思い出します。

今はスマホのアプリで天気予報を見たり、そこに表示されている気温の数字と睨めっこしながら今日着ていく服を決めたり、洗濯物を干そうかなんてことを考えていたりします。とても便利な世の中だとは思いますが、何か人間的な感覚は少し鈍ってきてしまっているのではないでしょうか。自然の変化をじっくりと観察してみると季節の変わり目のサインは至る所に見つかると思います。見つけるかどうかは人間次第ってわけですね。

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