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私のビタミン

「好きな映画は何?」と聞かれてパッと思い浮かべる作品はあるだろうか。

10人に聞いたら全て違う作品を答えるかもしれないし、10人全員が同じ作品を答えるかもしれない。

どんな答えだとしてもきっと、10人それぞれの中に、その映画と自分だけの思い出を持っているはずだ。



私の好きな映画は「Back to the Future」である。

SF映画の金字塔とも呼ばれる王道中の王道。
この作品を知らない人といまだに出会ったことがないほど、あまりにも有名すぎる作品である。
例えば海外旅行先で英語がわからなくても、この作品名だけで仲良くなれそうな謎の自信がある。


きっとみんな大好きな映画。


自分が生まれる何十年も前に公開された映画。
何度も何度もセリフを覚えるほど観てきた。
ストーリー展開も知っている。

だけど、どうしてだろう。

何度観ても、最高にワクワクするんだ。



数年前、「午前十時の映画祭」にて初めて劇場鑑賞する機会があった。
その時点で既に5回ほど家で観ていたのだが、「劇場で観ると全く違うぞ」という映画好きの父の一言で連れられたのがきっかけだった。



頭がおかしくなるほど興奮した。
さいっっっっっっこうすぎだった。



この日は、たった数十年の中で最高にヘビーな時間だった。


何かに目覚めるかのようなOPの小さなBGMから始まり、デロリアンと共に時代を翔る2人に心はもう奪われっぱなしだった。

これまでテレビで観てきて、それでも最高だったのに映画館はこんなにも違うのか。 
なんだこれなんだこれ!と心の中で叫んでいたのを覚えている。

宝物を発見した子供のような、目をキラッキラ輝かせ、心が躍り出して止まらない。

この後どうなるのか、頭では知っているのにまるで初めて観たかのような感激に、私はもう虜になっていた。



その後、当然DVDやグッズを買い漁り、中古ショップでパンフレットを掘り出し、果てにはスクリーンプレイ(英語と日本語のセリフ集)であれだけ苦手だった英語学習も始めた。

「あの映画、面白かったな」という感情の枠をも越えて人生に彩りを与えてくれたのだ。



影響を受けたり、勇気をもらったり。
人生において大切だと思える映画と出会うこと。それは奇跡に近いと思う。
そしてそんな奇跡的な出会いを持った作品が自分の中にあるこの気持ちを、いつまでも私は忘れず大切に育んでいきたい。
それがいつかまた、どこかで私の原動力となる日が来る。

だって未来はまだ白紙だから。

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