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あなたのdoneを数えましょう

「で、今はなんの商売(職業)をやっているの?」
聞かれる度にはぐらかして、別の話題に持っていきたい衝動に駆られる。

コンサルタント?…みたいな?…みたいな?
ところで…(別の話題)

って感じで、なんか言い切れずに、トーンダウンしていく。
資格があるわけでもないし、別に体系的に学んだこともないし、そもそもやらなくてもいいなら、やりたくない、というのが本音だ。たぶん、向いていない。

名乗ったもの勝ち

「で、今は何をやっているの?」
の方がまだありがたい。経営会議のファシリテートをしたり、イベントのプロデュースをしたり、営業代行で自治体まわりしたり…。やっていることなら、伝え易い。まあ、どうせ「色々やってんだね」で終わってしまうんだが。

あるのは、多くの行動(やっていること)。が、それらを貫く芯のようなものはない。そのときそのときで、眼の前を通過していくものを、ときにはスルーし、ときには食いつく。そんな感じの3年間。今取り組でいることも、おそらく1年後も全く同じってこともないだろうし、あえてないようにしている。固定化しない。変化を恐れない。それが企業理念だ(そうなの?)。

そんな旅芸人みたいな仕事のスタイルだが、ことコンサルタントの仕事(言い切った!)については、どの顧客にもお願いしているルールがある。


「この半年間、組織内で自身が取り組み、実現した『従来はなかったこと』って、何があるだろうか?」

  • 従来なかった売上(新規顧客開拓等)

  • 従来なかったコストダウン(業者の見直し等)

  • 従来なかった商品・サービス(開発・協業等)

  • 従来なかった制度(人事考課制度等)

それは、その期間、自身がそこにいた痕跡となり、その差分が、自らの存在価値となる。どうせなら、その組織において、数年後?数十年後?に社史が編集されるなら、名前を残したいよね。「20◯◯年◯月 △△が小西取締役(当時)によりサービス開始となる」みたいな。
さて、果たして、そんな「従来なかったこと」って、何があるだろうか?いくつあるだろうか?
ないよりは、あった方がいい。少ないよりは多い方がいい。
ただ、問題はそこではない。
それは、どこかに記録してあるか、記録しているか?ってことだ。記憶じゃなくて、記録。
メモ用紙でも、メモアプリでもなんでもいいけど、「はいどうぞ」とサラッといきたいところ。

こちらになります、はいどうぞ

起業する前から、なんとなく気づいていたが、意外と自らの足跡をより多く残すことを意識して働いているひとは少ない。結果的に、足跡になっている人はいるかもしれないけど。
いやいや、俺は、私はやっている、という人がいるが、そういう人に上記質問をしても、「やったことリスト」を即座に見せてくれた人はなかなかいない。
それは振り返って数え上げるものではなく、リアルタイムでdone、doing、to doのリストがあるはずなのである、ないと困るはずなのである。


コンサルタントとしてのあるべき仕事の進め方や行動のルールは体系的には学んでいないが(あるのか、そんなもの?)、どの顧客に対しても例外なく、自らに課しているルールがある。

  • 契約期間を短く刻むこと。半年を越えないこと。

  • 契約更新時には、前回契約更新時に約束したミッションの実行の可否を一緒に検証すること。継続いただけるなら、今後のやるべきことのヒアリングを(それが、次回の契約更新時までのミッションに)。

そりゃ、自社の経営的には、あまり寝た子を起こすように契約の更新を重ねたくはないし(豆腐を運ぶように、そーっと請求し続けたい)、都度資料を作成するのも億劫であり、これはこれでコストとなる。
ただ、言うほど強制感、義務感はない。むしろ、あるのは知って欲しい、なんなら褒めて欲しい、という欲。こんだけ、貴社のためにいいことやってきました!もしくはやろうとチャレンジしたけど断念しました!
言わないで済ませる方が不思議なくらいだ。

でも、よくよく考えると、実は、これは業務委託に限ったことではないと思う(実際に、私は起業前からやっていた)。
雇用の形態にかかわらず、キチンと自分の足跡として後世に残る(大げさだけど)仕事を意識すること。そのクオリティをより高くし、より早く、多く生み出してくこと。生み出せていないことを焦り、生み出せたことに歓喜すること。
そのときにメモは、残さなくてはいけないものから、残したいと思うもの、残したくてしょうがないものに変わるのではないかと思う。

いつの日か振り返って、あなたのdoneを数えられるように。


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