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竹の可能性

竹は、この地球上でもっとも成長が早い植物らしい。
1日に1メートル以上伸びるしゅもあるとか。

しかし、近年は日本全土で「放置竹林」が増え続けている。
手入れされない竹林は森林に侵入・拡大したり、害獣のすみかになったりして「竹害」とも呼ばれ邪魔者扱いされている。

そんな嫌われ者の竹だが、実はとても優秀な植物なのだ、と私は思う。

竹の持つ特性に、抗菌性が高いということがあげられる。

昔の人は竹の皮でおむすびや肉を包んだり、竹で作った水筒を利用したりしていた。食品を保存するためだ。
日々の暮らしの中で、竹には抗菌性があることが分かっていたのではないかと思われる。
それに竹林では、動物の死骸が腐敗しないのだそうだ。
これは、竹に抗菌性がある何よりの証拠だと私は思う。

そして竹の持つ成分。
古来から人々の生活に寄り添ってきた竹は、世界各国で薬としても利用されてきたらしい。

竹から採取した薬はいまでも、中国やインドの医学で利用されているほか、世界中の部族がさまざまな治療に使っている。実際、竹は、根、芽、節、花、実、稈のなかにたまった水など、あらゆる部分に無数の薬効がある。稈から抽出したオイル、節間や地下茎、根、葉から採取した樹液、各所に蓄積されたミネラルが、さまざまな病気に効く治療薬、媚薬、栄養補助剤などに利用されている。

竹の文化誌 スザンヌ・ルーカス著


と書かれている。
そして春に美味しく頂くタケノコにも意外な効果があるようだ。

タケノコにはマグネシウムやゲルマニウムが含まれており、いずれも抗がん作用やアンチエイジング効果があるとされる。そのほか、亜鉛、マンガン、クロムなどの微量元素も含んでいる。つまりタケノコは、医薬品の原料として有益なだけでなく、栄養価が高く、食品としても優れている。

竹の文化誌 スザンヌ・ルーカス著

たけのこに抗がん作用があるとは驚きだ。
また、近年は竹の中に、今流行りの乳酸菌が含まれていることも分かってきたのだとか。
昔と違って、今なら竹の中の成分を科学的に調べることが出来るだろう。
どのような成分が発見されるのか、またその成分が、現代の生活にどのくらい貢献してくれるのか、早く明らかになって欲しいと思う。
抗がん作用なるものが見つかってくれることを、大いに期待したい。

昔の人は生活用具としても竹を利用してきたが、最近では竹を利用しさまざまなものの開発を進める動きもあるようだ。
コンクリートに竹を混ぜたり、ポリエステルと混ぜたり。
竹を細かく粉砕したものを地面にまき、除草の役割を果たしている例もあり効果を上げているそうだ。
工業や農業など、竹の使い道はまだまだ広がっていきそうである。

竹はとても成長が早く、日本には豊富にある資源。
「放置竹林」と呼ばれてはいるが、この可能性豊かな資源にいちはやく気付いて欲しい。
個人の力では解決が難しい事案。
ぜひ企業の皆様に知恵を絞って頂きたい。
SDGsと叫ばれてる現代には、コストのかからない、願ってもない資源だと思う。
この有用な竹を活用し、ぜひとも次代に引き継いでいきたい。

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