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人的資本経営における人事評価制度と目標管理

次に、人事評価制度と目標管理制度です。
まずは、目標管理についてです。
目標管理制度とは、従業員一人ひとりの目標を経営目標や部署目標と連動させることで、業績アップを目指すマネジメント手法です。組織または個人で目標を設定し、その達成度によって評価を行います。
1年や半年などの期間終了後に、自己評価と上司の評価によって、目標達成状況の検証を行うとともに、次期への課題を明確にして、目標設定をして、その実現を目指す活動です。
目標管理は、会社や上司から一方的に決められた目標の達成を設定するのではなく、社員が自ら設定した「自分が本当に実現した、達成した目標」を、上司と相談しながら、会社や部署の目標と連動させながら、達成に向けてサポートしていくことが大切です。
目標管理制度は、人事評価制度の中でも、成果を評価することが中心になります。
そして、人事評価制度です。

人事評価制度は、会社が社員の皆さんを評価することが目的のように理解されがちですが、本当の目的は、会社の組織を最も効果的に運用することです。
そして、その目的を実現するために、人事評価制度は、5つの目標があります。
この目標は、人事評価をした結果を5つのことに活用するということでもあります。
まずひとつ目は、異動・配置転換に活用するということです。人事評価の結果で、社員の皆さん個々の得意、不得意がつかめますので、適材適所の配置ができるようになります。社員の皆さんの得意なコトを活かすことができる職場・部署に配置することで、会社全体のパフォーマンスを上げるということです。
二つ目は、能力開発・教育訓練に活用するということです。人事評価の結果から、社員の皆さんの得意、不得意がつかめますので、不得意なことを、得意にするためのスキルアップを図るための教育訓練計画へ反映させるということです。
そして、三つ目は賃金への反映です。これは、人事評価の結果を、給与・賞与、昇給などに反映させるということです。一般的に、人事評価の結果は、この給与などに反映させることが中心と思われている方も多いと思います。
そして、私が、人事評価が最も大切だと考えているには、4つ目の社員の皆さんのモチベーションアップにつなげるということです。
モチベーションアップは、ただ人事評価をしただけではつながりません。
人事評価の結果を、社員の方本人評価と上司の評価のすり合わせ面談(フィードバック面談)を行うことが大切です。
この面談では、社員の方ご本人と上司の方との評価結果が一致するということは、ほとんどなく、両者の評価結果には、相違点が必ず出てきます。その相違点が、なぜ発生しているのか、お互いの考え方、人時の仕方などを十分に話し合って意思疎通を図ることが重要です。
ここで、上司の評価結果に、社員の方が理解できて納得できることが、最も重要なポイントです。
そのためには、評価をする上司の方は、普段から社員の方の言動などをしっかりと観察しておく必要があります。上司の方が評価する原因となっている事実を社員の方に、しっかりと説明して、理解をしてもらって納得してもらうことで、お互いの認識が共有できて、信頼関係につながっていきます。
ここでは、社員の方が、上司の方から「自分のことを、ちゃんと見てくれている」「ちゃんと評価してくれている」ことをわかってもらうことができる「納得性を高める人事評価」が大切です。
ですので、人事評価の際、社員の方が「成果をだしている場合」、または「成果が出せなくても、成果を出そうとがんばって取り組んでいること」を、きっちりと評価して、それを社員の方ご本人に伝えることが重要です。

人事評価制度は、このように本来の目的と目標を持って運用することで効果的に組織のパフォーマン向上に向けて組織づくりを進めていくことができるようになるのです。
その中には、人事評価結果を、社員の方と評価する方の結果の相違について、しっかりとその原因を両者で納得のいく結果とするコミュニケーションと信頼関係が重要なキーとなります。

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