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おばあちゃんが来てる

先日、私のおばあちゃんの四十九日がありました。

八十八歳で亡くなりましたが、病気で苦しんでというわけではなく天命を全うした大往生だったと言っていいでしょう。

そのため、もちろん悲しみもありましたが、「今までありがとう。おじいちゃんとゆっくり休んでね」という気持ちの方が大きいです。

おばあちゃんが亡くなってから四十九日までの間に、私はおばあちゃんの夢を頻繁に見ました。今までおばあちゃんが夢に出てきたことはほとんどないのに!

夢の内容は、おばあちゃんに私がありがとうと言う夢だったり(現実では伝えられなかった)、子供のころの記憶にある洗濯物を干してるおばあちゃんの姿だったりetc.

なぜこんなにおばあちゃんの夢を見るのか考えました。

普通に考えて、一つは、おばあちゃんへの思いが夢という形で出てきた説。

もう一つ、四十九日までは死者の魂がこの世とあの世を行ったり来たりしているというのを聞いたことがあります。つまりおばあちゃんが私に会いに来てる説です。

会いに来てると思った方が嬉しいので、私はそう思うことにしました。


ところで、私の両親は共働きだったため、高校生になるくらいまで平日は毎日おばあちゃんの家で過ごしていました。

おばあちゃんの家で宿題したり、テレビを見たり、昼寝したり、工作したり、ご飯食べたり、そしてもちろんトイレにも行っていました。

おばあちゃんの家のトイレはいつも変わった臭いがしていたのを覚えています。甘ったるいような、でも結構キツイ臭いで、ちょっとヤな感じだなって思っていました。きっとそれは芳香剤かトイレットペーパーについてる紙の臭いで、買う種類を変えてくれたらいいのになって思っていました。さらに、おばあちゃんはトイレの換気をしません。私も子供の頃は換気すればいいという発想がなくただただ臭いを我慢しながら鼻をつまんで用を足していました。

そして話は今日に飛ぶのですが、先程スーパーに行っていて用を足しにトイレに行きました。そしたら、一つしかないトイレに先客がいたのでしばらく待っていました。長いな~って思いました。ああ、大便だなあって思いました。

入っていたおばちゃんが出てきたので、交代でトイレに入りました。

この臭い……!!!

一瞬で私はおばあちゃん家のトイレを思い出しました。

十数年の時を経て、臭いの謎は解決へと向かいます。おばあちゃん家のトイレの臭いは、芳香剤とおばあちゃんの大便が混ざった臭いだったのです!

そして同時に「あ、今おばあちゃんが来てる」って思いました。


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