9/10 毎日新聞余禄 書き起こし

今年は聖徳太子の千四百回忌に当たる。役人の心得として作られたという十七条憲法には「和をもって貴しとなす」のように今にも通じる道徳的内容が含まれている。第六条が中国の古典を引用して規定するのが「勧善懲悪」である

▼「水戸黄門」に代表される「勧善懲悪」ドラマは人気が衰えない。悪人が懲らしめられるシーンには竜飲が下がる。「倍返しだ」の決めゼリフで高視聴率が続いた「半沢直樹」シリーズも現代版「勧善懲悪」ドラマといえる

▼だが、「勧善懲悪」の基準は絶対ではない。時代や地域で変わりうる。自然に身についた習慣を突然、悪と決めつけられれば目の前が真っ暗になるだろう。まして「懲悪」の対象にされるのは不条理以外の何物でもあるまい

▼そうした状況が起こりつつあるのがアフガニスタンだ。カブールを制圧したイスラム主義組織タリバンが暫定政権の人事を発表した。20年前までの旧政権時代にはテレビすら禁じられ、女性には全身覆うブルカの着用、男性はこぶしより長いあごひげを義務付けられた。違反するとムチで打たれ、罰せられた。バーミヤン渓谷の石仏破壊にも同省が関わったという

▼今のところ、極端な政策が復活したわけではない。しかし、暫定政権に女性の姿がなく、テロ組織の指導者も含まれる。権利の保障を求める女性たちのデモも鎮圧された。タリバンに国際社会の目を意識させ、変化を促すことは可能だろうか。



偶然にも日経新聞にも同じタリバンのイスラム教の勧善懲悪の話が書いてあった。

書き起こしをしてみると面白い。

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