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大人にも子どもにも読んでほしい絵本【みえるとかみえないとか】

今、声を大にしてオススメしたい絵本がある。

小さな子どもから大人まで、どの世代の人が読んでも感じるものが大きいと思う。

全人類に読んでほしいと思うほど、気に入って感動した絵本だ。

数年前に友人に紹介されて買った絵本。

自分と向き合い、弱視難聴の母親として元気いっぱいな男の子の子育てをし、視覚障害に関する活動や仕事をするようになった今この本を読むと、より深く考え、色んなことを感じ、心に響いた。

人はみな、自分を基準にして「あたりまえ」の世界を見ている。

二つの目でしっかり見る事ができて、二つの耳でしっかり聞くことができて、二つの足でしっかり歩く事ができて、二つの手でしっかり物を持てる。

それが「あたりまえ」なのか?

それが「あたりまえ」なのではなく、それができる人が多い世界に住んでいるからこそ、どれかが欠けている人を見ると「自分と違う」と感じてしまうのだ。

もしも宇宙に、前と後ろの両方に目がある宇宙人がいたとして、その星にあなたが一人行ったとしたら…その星の人は言うだろう。

「背中が見えないなんて!不便じゃない?!」

って。でも、地球に住むわたしたちからしたら、背中が見えないことに対してなんとも思っていない。

だって、背中を見える目を持ったことなんてないのだから。

もしも宇宙に、手が四つある人が住んでいる星があったとしたら?

「手が二つしかないなんてびっくり!」

と、きっとものすごく驚かれるはずだ。手が二つしかない地球人からしたら、四つあることにびっくりなのだが。

何でも見える世界に住む人もいれば、ぼんやり見える世界に住む人もいる、全く見えない世界に住む人もいる。

何でも見える世界に住む人が簡単にできることでも、ぼんやり見えたり見えない世界に住む人にとっては、難しかったり時間がかかってしまうこともある。

逆もある。

わたしは、見えにくいからこそ、見えないからこその、人より優れた部分をお持ちの方を沢山知っている。

マイノリティとかマジョリティとか、そんなの関係ない。

立場が変われば、誰だってマイノリティにも、マジョリティにもなるのだから。

この絵本のなかでは、そんな風に様々な見え方や感じ方の違う世界で暮らす人がいることが面白く描かれている。

そして、その一人一人が自分が「あたりまえ」だと思っているけれど、それは自分目線であって、他の目線から見ると皆あたりまえなのだということに気づかせてくれる。

自分と似ている人を好きになるのは、わかることが多いから。

自分と違う人になかなか歩み寄れないのは、自分にはわからないことばかりだから、知らないから。

知らないからこそ、話してみたら面白いかもしれない。

自分の知らない世界をたっくさん知っているのだから。

話しているうちに、自分との共通点を見つけて「おなじおなじー!」って共感できることもあるかもしれない。

盛り上がる話もあるかもしれない。

すきになるかもしれない。

「そうだよね~いい話だわ」

とわたしが呟いている隣で、7歳の息子はゲラゲラ笑っている。

お話も面白いし、絵本に出てくるキャラクターが面白かったらしい。

ひとしきり笑ったあと、今度はしんみりと考え込んでいた。

子どもの心にもしっかり残る絵本なのだろうな。

本屋さんや図書館の目立つところに置いてほしい。素晴らしい絵本📕




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