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ムスリム女性とヒジャーブ・ファッションの多様性@パレスチナ

【パレスチナ事業30周年・コラム第3弾】


JVCパレスチナnote読者の皆様、前回から久しぶりの更新となりましたがお元気でしょうか。
今年も残すところあと一か月余りとなり、年を越す前にやり残していることを片付けるために正に師走状態のインターン堀谷です。

今回取り上げるのは、中東・イスラーム圏といえば真っ先に思い浮かぶ人も多いはず、あのアイテムに関しての「T&Eコラム記事」です!

このアイテムをめぐっては最近大きなニュースにもなりましたし、その後に世界中で巻き起こった(ている)反応についても皆様ご存じかもしれませんね。

髪を覆う「ヒジャブ」着用巡りイラン警察に拘束された女性が死亡…国内外に抗議広がる:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
東京新聞 
 2022年9月23日 20時05分

今年9月中旬、イランの首都テヘランで、ムスリム(イスラム教徒)の女性が頭髪を覆うために被るスカーフ「ヒジャブ」の着用の仕方に問題があったとして、警察に拘束された22歳のマフサ・アミニさんが死亡した事件が発生しました。

アミニさんがイラン社会でマイノリティである少数民族のクルド人だったということもあり、それまで経済的格差または女性、少数民族への差別・排除などで抑圧されてきた層の人々が中心となり、抗議運動はあっという間に全国規模に拡大していきました。

さらに、イランで長年続いている女性への抑圧に対する抗議活動に連帯を見せる動きは国を超えて広がり、治安当局とデモ参加者との衝突は収拾が見通せないほど事態は混沌としています。

JVCは、イランの隣国であるアフガニスタンでは2021年6月まで、また同じ中東パレスチナでも抑圧下にある女性たちのエンパワーメントや生計向上支援を行っていることもあり、note執筆者も「他人事ではないな・・・」と状況を注視しています。

同じイスラーム教が多数を占める国でも、私がかつて留学をしていたトルコのイスタンブルでよく目にした、繁華街や大学キャンパスにいる女性たちのこだわりが感じられるファッショナブルなヒジャブの装い近年、東京の六本木でムスリム・ファッションショーが開催されるなど、ムスリム女性の間でヒジャブは「抑圧の象徴」/「隠すために着用する」のではなく、自分の魅力を発信するための「ファッション・アイテム」/「魅せるために着用する」ものとしてみなされ、愛されていることももっとクローズアップされてほしいな、とも感じました。

更に「T&E記事」ではムスリム女性の髪色やコーディネートの多様さにも注目しています!

ヒジャブ着用文化とその自由について取り上げてみても、イスラーム教の信仰の解釈と、生活での実践、その形式を定義しようとする政治権力との関係の複雑さが立ち現れてきて、中東・イスラーム世界の奥深さを学ぶ面白さ、難しさも実感されますね。

T&Eの「スタッフのひとりごと」コーナーで紹介された「パレスチナ人女性のヘアスタイル事情」についての記事はこちらです!
ぜひご覧ください。
※写真をクリックすると記事が拡大されます。 ⇒

(2013年6月発行の「Trial&Error」No.302 より抜粋)


JVCのパレスチナ事業では、現地に暮らす人びとの意思を応援する形での支援を行なっています。また、パレスチナの問題を日本社会にも伝えることで、一人ひとりが取り組むための橋渡し役を担うことも試みています。 サポートしていただいた分は全額、JVCのパレスチナ事業に寄付いたします。