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東エルサレム事業 研修レポート2024: オリエンテーション

 みなさんこんにちは、エルサレム事務所の木村です。日本の4月といえば入学式や入社式など「新しいステージのスタート」の季節ですね。

2021年から始まった東エルサレムでの「女性および青少年の生計向上とエンパワメント事業」では研修参加者募集の前にオリエンテーションを実施していますが、今年はちょうど4月に行うこととなり、たくさんの女性たちが「新たな学びの機会」を得ようと参加してくれました。今回はその様子をお届けしたいと思います。

スピーチをされる対パレスチナ日本政府代表事務所の川(かわ)さん

今年のオリエンテーションでは、本事業をサポートしてくれている対パレスチナ日本政府代表事務所・二等書記官の川(かわ)さんにもご参加・ご挨拶をいただきました。川さんは職業訓練やビジネススキル、ライフスキル研修を通じて女性や青少年たちの経済的・社会的自立を目指す本事業の重要性に触れられ、参加した女性たちにエールが送られました。女性たちも川さんのお話に真剣に聞き入っていました。

スピーチはAWCスタッフ(アラーさん:写真右)に通訳をしてもらいました

続いて、私からもスピーチを。今年で4年目を迎えるこの事業、私もこの3年間でたくさんの女性たちが活き活きと学んでいる姿を見てきました。その中でより研修の成果をあげている女性の特徴として、①研修の機会を活かし、②そこで得た仲間と切磋琢磨しているが、③何よりも大事なのは本人のやる気、という点をお伝えしました。うなずきながら話を聞く女性たちの目がキラキラしていて、私も大いに刺激を受けました。 

研修内容と応募方法について説明するAWCスタッフ・ハニーンさん

ホールは40人ほどの女性たちで満席状態でしたが、さらにホールに入りきれない女性たちが外に30人近くいることがわかり、研修の内容説明と応募方法の案内を現地パートナー団体(AWC)の研修担当のハニーンさんが行った後、ホールの中にいる人と外の人を入れ替えて再度、同じ説明を行いました。結果、オリエンテーションには例年を大きく上回る73人が参加し、事前の申込を含めて86人の女性たちが研修に応募してくれ、嬉しい驚きとともにオリエンテーションは終了となりました。
 
<参加者の声>

オリエンテーションの参加者・サジャさん

サジャさん(19歳)
ふだんは週に4日ほど学校で子どもたちの勉強をサポートするボランティアをしていますが、今年の8月に自宅の一角を改装して美容サロンを開きたいと思っています。母がAWC主催の研修に参加したことがあり、今日のオリエンテーションへの参加をすすめてくれました。ビジネスを立ち上げることに関して両親も賛成してくれています。今回、メーキャップのコースに応募しました。ビジネススキルの研修(初心者向け)もAWCのスタッフにすすめられたので参加してみたいと思います。研修をとても楽しみにしています。

オリエンテーションの参加者・アヤさん

 アヤさん(32歳)
企業で経理の仕事をしていましたが、出産を機に仕事をやめました。3人の子どもがいますが、全員小学校に通うようになり少し時間がとれそうなので、思いきって研修を受けてみたいと思い、今日はオリエンテーションに参加しました。AWC事務所に来るのは初めてです。母や姉がAWCの研修に参加したことがあり、すすめられたこともあります。美容コースに興味があり、ヘアーカットやヘアーカラリングに応募しました。小さいころから美容に関することが好きで、まだ子どもも小さいということもあるので、自宅でビジネスをでできればと思っています。
 
5月から本格的に研修開始となり、今年はどんな女性たちに出会えるのか今から楽しみです。研修の様子は随時、またお届けしていきたいと思います。
 
※本事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力にて実施しています。


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