【阿佐谷ジャズストリート2023-2】山下洋輔のジャズは、阪神タイガースを鼓舞したにちがいない
【↑トップ画像】庭に咲いた<日日草>一輪。花言葉は「楽しい思い出」。
山下洋輔は、<権威>をぶっ壊すヒーロー
<阿佐谷ジャズストリート2023>に集まった団塊の世代が、山下洋輔のジャズに共鳴し、「みんな、青春してるな」と感じたのは、1960年代が「(ベトナム)反戦と(旧体制からの)自由と反逆」の時代であり、なかでも山下洋輔のフリージャズは、当時のそれまでの音楽(ビートルズもそうだが、現在でもなお<伝統と権威>で固める政治や社会体制や文化の概念)をぶっ壊す象徴だったからだ。
60年代は、新宿を中心にライブハウスやジャズ喫茶が立ち並び、音楽といえばモダンジャズの時代だった。
とりわけ、<新宿>は、その<聖地>だった。
それについては、いっぱいお話したいことがあるが、今宵は山下洋輔のジャズと阪神タイガースの日本シリーズ進出の因縁話。
結論から言うと、<山下洋輔ニュー・カルテット>の激しいビートが、東京の金持ち球団(=体制)に対するアンチとして、関西の<阪神タイガース>の選手たちを鼓舞したのではないか――わたしの頭の中では、そう物語がつくられてしまったのだ。
ライブの夜、阪神が大事な一戦を闘っていた
<山下洋輔ニューカルテット>がみんなを魅了していた2023年10月20日の夜、阪神タイガースは本拠地・甲子園球場で、広島カープと日本シリーズ出場の決定を賭けた大事な試合を闘っていた。
わたしら夫婦は長年の横浜ベイスターズファンだが、<ジャズ祭り>に案内してくれた義妹のパートナーは、大の猛虎党で、ジャズも楽しんでいたけれど、広島との試合経過が気になっていたらしく、落ち着かない様子だった。
山下洋輔のライブが終わって、次のライブが始まるまで、阿佐ヶ谷駅南口の商店街を占めるジャズストリートを(スマホのプロ野球速報を気にしながら)夫婦2組でぶらぶらした。
夜になると、さすがにストリートライブは寂しくなっていたが、それでもいくつかのグループが楽器演奏で、聴衆を集めていた。
そうこうしているうちに、スマホの速報が、阪神勝利の知らせを届けてくれた。
猛虎党の彼に、思わず“よかったね、おめでとう”と叫んでしまった。
こちとら、1998年の横浜優勝の年、家族総出で浜スタになんども足を運び、最終回の「ピッチャー 佐々木」の場内コールに熱狂したほどの横浜ファン。
ホントはそうかんたんに阪神の日本シリーズ進出を喜べるはずもないのだが、猛虎党がニコニコしている顔を見たら、こちらまでついつい嬉しくなってしまった。
――いよいよ、今日(10/28)から日本シリーズが始まる。
もし阪神がオリックスに勝ったら、セ・リーグのファンとして、「六甲おろし」をハミングしてやろうかと思っている。
嗚呼! それにしても、いい夜だった。
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