似内 惠子

獣医師。似内産業動物診療所所長。専門は魚病・山羊・牛。人と動物のかかわりについて書いて…

似内 惠子

獣医師。似内産業動物診療所所長。専門は魚病・山羊・牛。人と動物のかかわりについて書いています。オールアバウトの「動物病院」のコラム担当。大阪府立大学農学部獣医学科卒業・博士前期課程修了。

最近の記事

獣医師の花道

時々思います。獣医師の花道ってなんだろうか?と 開業すること?>>しかし流行ってない病院もあります。 公務員として定年まで職務を全うすること?>>退職してからの時間も長いです。 いろいろ考えて、思い出すのは北海道在住の獣医師の方です。仮にO獣医師としておきますね。O先生は関西出身で、長く私立高校の教員をされていましたが、思うところあり、退職して帯広畜産大学を受験し、合格されました。ここで合格されるのがすごいです。 そして、農場のアルバイトなどをしながら獣医師になられました

    • なぜ今古民家を欲しがるのか?なわばり理論続編

      古民家なんです!古民家。今私の周辺でなぜかブームの古民家について考察してみました。今までのなわばり理論の続きです。 なぜ古民家なのか? さて、古民家ブームの最大の理由は、住む人がなくなって価格が下が手tきたということにあります。過疎現象を食い止めるために、自治体もさまざまな対策をしていますが、人口が減って空き家になるのはどうしようもありません。地方都市の不動産価格をご覧になると、驚く値段で古い立派な家が売られています。 そんな中で、古民家再生を企画する団体や個人があった

      • 一級建築士・奥村さんは実はすごい人だった・その2タンス利用のベッド

        なんでも探してみるもので、その1で「画像がない」と申しておりました「タンス利用のベッド」画像が出てまいりました。記録はおいておくものです。 タンス利用のベッドはこうなっている 元場だけでは伝わらないので画像で詳細に解説します。 材料は下記の通りです。 1 ベニヤ板2枚 2 古いタンスの引き出しのみ 設置場所は公団住宅のある、四畳半の部屋です。間取りがほぼ同じなのでご理解いrただけると思います。そこにあるドア式の押し入れを利用します。 つまり... 押し入れにベニヤ板を突っ

        • ハダカデバネズミはすごい

          ハダカデバネズミから目が離せない! 今一番熱い動物がハダカデバネズミです。 ソマリアの砂漠の地下に住む、文字通り「裸」(毛が無い)「出歯」(前歯が皮膚を突き破っています)のネズミです。一番すごいのは、ほ乳類なのにハチやアリのような社会を作っていること。子供はすべて女王ネズミが出産します。つまり、哺乳類でありながら、昆虫のような社会を作っているのです。これが面白くなくてなんでしょう。 また、ネズミなのに寿命が30年と長く、DNAの自動修復機能があるので医学界からも注目され

        獣医師の花道

          奥村さんの語る空間となわばり

          先日から作品などを紹介している一級建築士の奥村氏の話、続きです。 なぜ建築をこころざしたのか? 。この人が建築を志したいきさつがちょっと変わっています。 彼はお父さんが早くに亡くなって、お母さんとお祖母さんと弟・妹の5人家族で同居していたそうです。 家が狭かったので、自分のスペースがなく、いろいろな場所に自分の空間を作るというのが、創作の第一歩だったそうです。なんでも、家の近所にいろいろ構築物をつくる・親が恥ずかしいので壊す・また作る、の連続だったそうです。 家庭ではお

          奥村さんの語る空間となわばり

          一級建築士・奥村さんは実はすごい人だったその1(公団住宅内ロフト)

          ユニークな建築設計士としての奥村さん さて、この奥村さん、前2編の飼い犬話でご紹介をした方です。本来の職業は一級建築士です。そして大変ユニークな設計をされる方でした。単なる犬の家来ではないのです。 一級建築士というと図面だけ引いて現場に行って指図する印象が大変強いのですが、奥村さんは違っていました。現場で大工さんがわりにものを作るのです。注文する人は皆、彼を大工さんと思ったりするのですが、本人は「これはあくまでも建築のサンプルを作るのであって、私は、大工さんや工務店の人で

          一級建築士・奥村さんは実はすごい人だったその1(公団住宅内ロフト)

          続・にざえもんという犬の話

          注目されはじめたにざえもん にざえもんのお話の続きです。子供もらえてが見つかり、奥村さんという。優しい飼い主を見つけて幸せたにざえもんでした。しかしときどき見ると。だんだんは調子に乗っている様子が見受けられました。にえざえもんはメスなのになぜオスの名前なのかというと、京都近郊に奥村さんがよくいく立ち寄り湯がいくつかあり、その一つが仁左衛門の湯というものでした。奥村さんはメスなら竹千代、オスなら仁左衛門と名付けようと思ったそうです。竹千代というのは竹千代の湯というのもあるから

          続・にざえもんという犬の話

          にざえもんという犬の話

          これは、今から約20年前の話です。当時、億無Rささんという一級建築士の方とお付き合いがありました。彼と飼い犬の話をご紹介します。 捨てられていた片足の母犬 当時私はは息子が通っていたフリースクールので奥村さんという一級建築士の方と知り合いになりました。奥村氏もフリースクールのボランティアをされていたのです。一級建築士とは言えなかなかユニークな方で、カヌーを作っていけに浮かべてみたりと、とても面白い事をされる方でした。 その奥村氏が。ある日、子犬のもらい手を探し始めました

          にざえもんという犬の話

          予備校で学ぶこと

          現役で合格するのは、浪人で友人から置いて行かれたように思うこともあるので、できればそうしたいことです。お金を払う側にすれば、一年でも早く社会人になってほしいでしょう。払う側にもなったので、その気持ちがよくわかります。 しかし、予備校はなかなか価値があるんです。高校の補習程度の通学では学べない1年です。1年だけ駿台予備校の理科系に在学したときの経験は新鮮で素晴らしかったです。 予備校の講師は質が違う 担任や事務職員がいくら言っても人気講師に人が集まり、教室は立見で満杯です

          予備校で学ぶこと

          北海道で学ぶ機会がありました

          2021年6月から4か月、北海道帯広市に住む機会がありました。獣医師の奥野尚志先生のご紹介で、帯広畜産大学の研究生になることができたのです。主に牛の繁殖について学ぶことができました。授業や実習に出させていただいた他、農場の牛で直腸検査の練習もでき、大変恵まれた環境でした。快諾をしてくださった松井基淳教授にこの場を借りて御礼を申し上げます。 なぜ帯広までいったかというと、和歌山の家畜保健所(大動物の診療を共催の代わりにしている数少ない自治体の一つです)に勤務した際、知らないこ

          北海道で学ぶ機会がありました

          すごすぎる寄生虫・タイノエ

          魚は甲殻類に寄生されることがあります。それは、海の中だからいろいろなものがいるのです。哺乳類は吸虫や原虫が多いのですが、甲殻類寄生があまりありません。こうしたことも、魚病を学習する過程で、寄生虫の動画を延々とみたからです。勉強はするものです。 タイノエとは その中でも面白いのが、タイノエです。ウオノエとも呼ばれます。タイの口腔内に寄生しているので、魚の餌、鯛の餌と呼ばれるようです。画像検索すると、鯛の口からこの虫が顔を出しています。 ウオノエは分類では 軟甲綱 等脚

          すごすぎる寄生虫・タイノエ

          病院への不当な誹謗中傷を防ぐ方法

          開業医の皆様、開業予備軍の学生さん、お元気ですか?先日はメールで相談に乗らせていただいた方がありましたので、情報共有ということで今日は、病院への誹謗中傷対策について、情報をお伝えしたいと思います。 ある開業の先生がいわゆる誹謗中傷の書き込みやメールでお困りになったことがあり、その折に対策のアドバイスをさせていただいたのです。同じようなお悩みの方に、お役に立てれば幸いです。 考えられる対策は下記のようなものです。 1 サイトに「誹謗中傷や脅しには、毅然として立ち向かう」とい

          病院への不当な誹謗中傷を防ぐ方法

          なわばり争いをいかにして回避するか

          前作2稿では、社会におけるなわばりり争いとその現状を、動物学的な見地から分析しました。本稿では、更に進んでよりよいコミュニティ形成のために、どうすればよいかという方向性を考察したいと思います。 人の社会には上司というものがいる 当たり前のことですが、牛小屋には上司がいません。上司がすぐれていれば、なわばり争いは回避され、円滑な経済活動が粛々と行われることになります。上司の役割は、「この仕事は◎◎さん」「この机の片づけは△△さん」と縄張りを切り分けることです。 筆者は半年ほ

          なわばり争いをいかにして回避するか

          更に、女性のなわばり意識について

          ネット上にの成立するなわばり 筆者はネットの草分けからこの世界に出入りしています。 古きよき文字情報のみの世界でした。年齢がばれてしまいますが、ニフティサーブや今はなき日経MIX(ここのある会議室でペット健康相談をしていました)では、女性が1に男性が下手をすれば20の比率だった時代です。 ちょっと発言すれば、resが10以上あっという間につく、ナンパメールはばんばん来るという、超売り手市場でした。 不思議なことに、こんな場所で、一人の女性が発言して男性が集まると、必ず負

          更に、女性のなわばり意識について

          女性の闘争本能となわばり

          女は男よりなわばり意識が強い 長年の経験による実感です。女性はなわばりをめぐって、ときには過剰とも思える反応を示すことがあります。 実例1:ある料理教室の先生 エスニック料理を教えているのだが、同じような人がいると必ず行って、示威行動をする。 「私は大使館のイベントにも出ている教室には新幹線に乗って来る人もいる。」など、聞かれもしない話をわざわざしに行く。 「この辺りでは私以外に教えている人はいないはずたけど」と、同業者のリサーチに余念がない。 実例2:知り合いの喫茶

          女性の闘争本能となわばり

          細菌分類の歴史とその発展

          細菌学!それは獣医学科の学生にとって、険しいハードルでした。学科ができるだけではダメで、実習の試験に通らないと単位がもらえません。 半年間下関にある水産大学校で研究生として学ぶ機会がありました。そこで感じた時代の違いなどについて、考察したいとおもいます。 約30年前の細菌学 私が毛獣医科大学の学生の頃は遺伝子工学というものがなく、あっても一般に応用されていなかったのです。授業にも遺伝子工学はありませんでた。 その名条件下で、細菌の同定をするのは、一つ一つの試験で、YES/

          細菌分類の歴史とその発展