なぜ今古民家を欲しがるのか?なわばり理論続編
古民家なんです!古民家。今私の周辺でなぜかブームの古民家について考察してみました。今までのなわばり理論の続きです。
なぜ古民家なのか?
さて、古民家ブームの最大の理由は、住む人がなくなって価格が下が手tきたということにあります。過疎現象を食い止めるために、自治体もさまざまな対策をしていますが、人口が減って空き家になるのはどうしようもありません。地方都市の不動産価格をご覧になると、驚く値段で古い立派な家が売られています。
そんな中で、古民家再生を企画する団体や個人があったりします。古民家カフェなど各地で増えてきました。医療獣医者として警告したいことがあるとすれば、長く居住されていない家は、カビで汚染されている危険があるということです。
古い家屋のカビに注意
古い家屋で水回りや雨漏りのする場所では、トリコスポロン・アサヒという真菌が繁殖し、これが喘息などの原因になります。
「夏型過敏性肺炎」という間質性肺炎に発展することがあるので要注意です。最近は抗体検査も保険適用になったそうですので、
古い家屋に住んでいる・引っ越した
席が出る・特に夏場にかけてひどくなる
そういう方は要注意です。
実は筆者はこの病気にかかりかけたことがあります。夫の転勤で借りた古い家屋が汚染されていたのです。治療にかなり時間を要しました。
なので古い家屋はまず入るところから警戒するのです。
京都市内で古い家屋をギャラリーにされていた女性があり、ご主人の退職と共にこちらで済むということでした。以前そこにはいったとき、くしゃみ鼻水・呼吸困難ですぐ都に出したことがあります。
真菌の感染の可能性があるのでやめた方がいいということを何度も説明したのですが、「今日町家にすむ」という京都人的憧れの強い方で聞き入れてもらえませんでした。
その後、どうなられたのでしょうか?
古民家を買いたい70代女性
なわばりの話なのになぜか感染症の注意になってしまいました。職業柄です。ご容赦ください。
さて、この古民家を私の周囲だけで2名も70過ぎの女性が飼うとうと言い出しました。家がない方とか、すっと借家住まいの方ではありません。立派な家を持っている女性です。
一人は下関に研修で滞在中のアパートのオーナーです。私が自宅に戻る前に、「古民家が出ているので買いたい」と言い出しました。物件をいくつもお持ちなので、私の症例などお話ししたのですが、気持ちがもう買う方に向いているようでした。
もう一名も近所のNPO法人の理事長さんです。こちらは地域のお付き合いで買うことを勧められたようです。しかし断ることもできたはずです。もう取得されたようです。
「何なの、この共通性は!」と私は思いました。
お二人ともなに不自由ない生活で、買える余剰金額あがるからこうなるので、それは羨ましいことですが、物件なんて管理が大変です。
何かそこに訳があるのかと思う次第です。
やっぱりなわばりなんだ
最後に思い至ったことがこれです。彼女らは小さい時、地方の名士のお宅などに連れていかれて、「すごい!」と思ったのでしょう。
子育ても終わり、一応安定した状態で、「ああした家に住んでみたい」という欲求があるのでしょう。男性なら、退職してもうおおと思っているところへ、良いポジションのお誘いが来たようなものです。
生活に十分な場所があっても、まだまだ広げたいのが縄張りなんですね。
ちなみに筆者は以前古民家で凝りているので、新しい建材の機能的な家が好きです。その時は苦しみましたが、煩悩を捨て去る一助であったと今は思っています。
似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/edit/
オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/
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