【書評】教会が震えた悪徳のリーダー論「君主論」マキャベリ著
どうも、彼女とフルメタルジャケットを一緒に観たら心なしか会話が減った鈴木です。
皆さんにとって理想のリーダーとはどんな人物ですか?
本屋に行けばリーダー論を語った本は無限にありますが、こんな事が書かれている本はある でしょうか?
・悪評を立たせろ
・人を騙せ
・ケチであれ
今日紹介するのは、リーダー論の原点ともいえる、ニッコロ・マキャベリの「君主論」です。
国を統治する君主としてどうあるべきかを説いた本で、内容の無慈悲さにローマ教会から禁書扱いされるほどの内容です。
本書の注目すべき点は2つです。まず、物事を細分化し、論証するロジカルさです。
マキャベリは国家を論ずる際に、国にはどんな種類があるのかを明らかにします。
「まず国家には共和国か君主国があり、君主国には世襲か新興の国があり、新君主国には... 」
といった具合に、物事を細分化してからひとつひとつ検証していく論法を取っています。 今でいうマインドマップの考え方をこの時代から実践していたという事ですね。
もうひとつは、冒頭でも述べた徹底的な現実主義です。 とにかく人間の血が一滴も通ってないです。
君主に必要な心構えについて、以下のように
語っています。(超現代語訳)
「人道に反したことしても結果出せばみんな忘れるからやっちまえよ!」
「人なんて信用するな、人間なんてみんな恩知らずでネコ被った偽善者だから!」
「側近の1人や2人簡単に殺せるようになれ、そんじゃなきゃ人なんて束ねられねぇよ!」
そりゃ悪徳の書って言われますわ。聖職者からディスられて当然です...。
しかし、実際に国を背負う人はここまで重すぎる責任を背負って戦わなければいけないとい
う事なのかもしれません。
政治でも野党は責任が無いから理想や理論に基づいたキレイな事をいくらでも言えます。 ただ実際意思決定を行うとなるとキレイごとだけでは厳しいんでしょうね...。
君主論は我々の政治や自分の会社の意思決定の捉え方にも一石を投じてくれそうです。
また、上司との付き合い方や、自分が人をまとめる立場になった際にもマキャベリの言葉は
参考になります。
例えば、怖い上司と優しい上司、貴方はどっちになりたいですか? 僕は迷わず優しい上司を選びます。陰口叩かれるのすげー嫌だし...
マキャベリは迷わず怖い上司になれといいます。
彼に言わせれば、人は愛情をかけてくれる人はめっちゃ裏切りやすく、ただの恩だけのつながりは、相手の利害が絡む機会にはすぐ断ち切られてしまうからだそうです。
マキャベリの人間性が心配になってきます...。どんだけ人の事信用できないんだろう。友達 とかちゃんといたのかな。
逆に、人から恐れられるリーダーは、部下も自分にその矛先が向かないように自分の持ち場 の平和と忠誠を固く守るそうです。
こう考えると人から好かれないようにすればいいのかというとそうではなく、とにかく恨み
だけは買わないようにしろというのです。
そのためにすべきことは1つだけで、とにかく人の持ち物に手を出さないことだと言ってい ます。
人は親の死は忘れても自分のものを取られた事は一生忘れないといい、そこだけ守れば恨まれず、裏切られることもない。との事です。
いやー君主論、何百年以上も前に君主に向けて書かれた本にもかかわらず、現代の我々にも非常にタメになる事がビシビシと書かれています。
ゴールデンウィークで個展に挑戦してみましたが、注釈の多さが少ししんどかったとはいえ、ボリュームも少なくすごく分かりやすい本でした。
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