百合のはな
あなたはユリね。
君はそう言っていた。
いつも私の近くにいて、話しかけてきた。
もしものはなし。想像のはなし。創作のはなし。
君のはなす言葉は、
地に足がついていないものばかりだった。
だけど僕はそれが好きだった。
それらの言葉は、ちょうど人生を生きるのにぴったりな言葉だ。
でも君は離れていった。
私はユリは君のほうが似合うと言った。
そしたら君は真っ白い肌を真っ赤に染めた。
こんなにも純粋な君を他の誰にも渡さないために、
静かに摘んでおきたかった。
君が微笑んでくれるなら、
僕は誰に何をされようとも、やりきろうと思えた。
真っ黒に汚れた手にユリの花束を抱えて。
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