かりゆし58『さよなら』
生涯で1番聴いた曲はなんだ?と訊かれたら、勿論いちいち数えていないので定量的に答えを出すことはできないが、私の人生の中に未だ居座り続けている非常に息の長い曲は表題の通り、かりゆし58の『さよなら』だ。
2009年の冬ドラマ『銭ゲバ』の主題歌だった。
ドラマの内容なんて殆ど覚えていないんだけど、やたらこの曲だけが頭から離れずにいる。
MVの内容をとってみると、青春時代を共に過ごした友人との2種類の別れ、具体的に言えば「区切り(ここでは卒業)としての別れ」と「死別」を歌っている。
哀愁にまみれているけれど、別れを乗り越え日々の大切さを痛感し前に進む、という受け取り方ができるので、哀愁の中にもすっきりさわやかな印象がある。
少しばかり疲れている時にヒトカラで歌うと非常に泣けるのである。
中でも下記の言い回しが特に好きだ。
人間、感情や思いの全てを言語化できるわけじゃないし、しなくてもいい。一つ一つの所作や、雰囲気や、反応で感じ取れるもの、表現できるものも十二分にある。
滲んでいてもいいと、そう思う。
私は親しい友人との死別を経験したことがない。
その時私は、どう思うのだろうか。
まだ、想像もできないし、あまりしたくない。
逆に、区切りとしての別れならいくらでも経験してきた。
ライフステージに於いて、一つのコミュニティに長く留まったことはなかった。
強いて言うなら大学のサークルくらいか。
所属意識よりも個々人とのつながりで捉えていた為、離れても仲良かったら大丈夫だろうと、そう思っていたが案外そんなことはなく、コミュニティを離れたら関わりが途絶える人が殆どだった。
だからこそ、今付き合いのある友人に感謝をしているし、これからも大切にしていきたい。
いずれさよならする時が来てもいいように、会えるときに会って、伝えられる時に感謝を伝えてゆこうと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?