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元バイト先の卒業する友人へ、お祝いメッセ―ジを手作りした話。

昔書いた記事の通り、今年の四月、約三年間続けてきたバイト先が急に閉店した。
いろんな意味で、大好きで大切なバイト先だった。
職場のパートさんや大学生のバイト仲間たち、常連さんもみんな含めて大好きだった。

しかし閉店という事実は変わらず。
チェーン店だったので、私は離れた別の店舗に籍を移し、今もアルバイトを続けている。

その中でコロナの流行。
人との接触が難しい中、細々と、前のバイト先の人間関係は続いていた。
会わない人がいても、「みんな今なにしてるかな」と考える。
ほんとにたまに大学や近所で会ったり、でも会ったら会ったでたくさん話せる。
そんな不思議なつながりが続いていた。

私には心残りがあった。
本来閉店したのちに、従業員みんなでお疲れ様会をする予定だったのだが、コロナの影響で開催できなくなってしまったのだ。
いつ終わるかもわからない先行き不透明な中、不安だけが大きくなる。
そこで、今年度卒業する友人らが、就職の内定を得たことを耳にした。

これはなにかやらなきゃ…!
咄嗟にそう思ったが、やはり今飲み会や食事会を開ける様子ではない…
私は、一番よく話す友人Nちゃんと相談を重ねた。


「就職祝いどうしよっかー」
「やっぱり大人数で集まるのは今はちょっと…」
「飲み会は厳しいよね」
「プレゼントにする?」
「せっかくだったらなにか思い出に残るものがいいよね?」
「色紙はどうだろう? みんなに配布して書いてもらえれば顔を合わせる時間も短いし良いのでは?」


二人で、近くの駅ビルの雑貨屋に行き、色紙を眺める。
なるほど、今はおしゃれでかわいい色紙、いっぱいあるんだなぁ…
これが、あれが、と言っていたが。
二人の意見は「こんなに小さいカードじゃ思いが書ききれない」だった。
そして、「じゃあいっそのこと二人で作ろうよ」となった(⁉)

Nちゃんも私も、絵やデザインなど創作することが好き。
写真素材やマステ、ペン、色紙など素材を手に入れる方法はたくさんある。
私たちは100均にてスクラップブックと色紙を購入し、自分たちで写真や素材を切り貼りして、一冊のメッセージブックを作ることにしたのだ。

そうと決めてから行動は早かった。
LINEのグループに保存した写真を厳選し、Nちゃんがデザインを考えてくれる。
厳選した写真を私がネットプリントで即印刷。
デザインに合わせて写真を切り貼りし、その空白部分に合わせてメッセージカードを作る。
そして友人や後輩、パートさんなどに配布して書いてもらい、回収。
もちろん卒業する友人らには内緒で。


もう会う機会のない人たちに連絡をとって、久しぶりですと言葉を交わし、元気かなと思いを馳せながらメッセージを書いてもらう時間は、なんとも言えない幸福感があった。
会わなくても、言葉を交わさなくても、思いを伝えあう方法はあるのだと感じた。

また、私自身、まだお店の閉店を受け入れられない部分があったのだが…
それでもこうして、友人らのことを思いながら作業をする時間は、私の満たされない思いが昇華していくような感覚を覚えるものとなった。

今まで、「あのお店がよかったのに」と言っていたが、
今は、「前のお店はよかったなぁ」という風に言えるようになった。
自分の中で、ようやく過去になったのだと、思った。


結局私は最近体調を崩してしまい、直接渡す場面に行くことができなかったのがちょっと心残りだったが(Nちゃんが渡してくれた)
それでも連絡があり、友人らが喜んでくれたのが伝わったので、よかったと思う。
非常に忘れられない思い出となった。

自分が作ったものの中で、一番素敵なものではないかと、胸を張って言えるものである。
がっつり顔が映っている写真を使っているため、どんな出来栄えかをnoteにあげられないのが本当に残念だ(泣)



余談だが、毎年卒業生のお祝いは飲み会で終わらせていたので、コロナがなければメッセージブックを作ることはなかった。
サンキューコロナ。

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