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【うつと私】心理学を学んで救われた話。


「親同士の不仲を見せることも、虐待にあたります」

一年前、何気なく聞いた虐待についての授業で、はっとした。
まさかの先生の発言に、私の息が止まった。

「親の悪口を聞かされること。親の愚痴を子どもが聞くこと。これらは全部虐待にあたりますので、私は『やめてください』といいます」


あぁ、そうか。
私が「つらい」と思ったあの日々は、間違ってなかったんだ。


父親は母親の悪口をよく言った。
「母ちゃんはああだからな」「もう柳のように受け流すしかない」

母親も父親の悪口をよく言っていた。
「お父さんは変わってる」「私より収入が低い」「家から出たがらない」

二人はよく口論していた、くだらないことで、いつもいがみ合っていた。

母親は、よく仕事の愚痴を私にこぼした。
「あの人、全然私の言うこと聞いてくれないの」
「もう疲れたわ、嫌だわ」
「あの人障害者だわ!」

きっともう、二人は、愛し合ってはいなかった。


ずっとそばで見てて、辛かった。
私を生んでくれた二人がいがみ合うなんて、悲しかった。
でも、それがあたりまえだったから、なにがどうおかしいのか、表現できなかった。
だれにも、苦しかったこと、言えなかった。

私が、おかしいんだと思っていた。
私のせいだと思っていた。
私が間違っている子だったから、私が生まれちゃいけなかったから、二人はいがみ合っているんだと。


心理学を学んで、自分の症状や、自分の感じていたことが、間違っていなかったのだと気づかされた。
これには、本当に感謝する部分がたくさんある。

あの頃の私は、もう救えない。
辛かった時の私を、もうその時に遡って救うことはできない。
それでも。
私は前に進む、生きていく。

何がつらかったのか、何が苦しかったのかさえわからず、もがいていた私。
そんな私へ。
なんにもしてやれなくてごめん。
あなたの分まで、精いっぱい生きるからね。

死を選ばずに、前に進んでくれてありがとう。
あの時、精いっぱい生きてた私へ。



毎日のコーヒー代に。