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【書く】文体は、最大の自己主張である?

文章における文体について。
漫画でいえばコマワリにあたるような、
芝居なら声にあたるような…?

文体は文章体?文態?ともいえそう。
ある作家によれば、文体とは本来
「こっちを観てくれ」
「こっちにはこんな者がいるんだぞ」
と作者が世に自分の存在や思想を
知らしめようとする気概や気迫を
固体化したものだそうです。

フランス語の文法を日本語で応用した
大江健三郎や
伝統美を文章で追求した三島由紀夫、
西洋的救済と日本文化を縫合しようとした
遠藤周作、
伝統的文学からの断絶を宣言した村上春樹。

最近では、中身こそ一番大事という考えが
主流で、文体に自分の存在を託そうとする
傾向は減ったかも?

今、文体に精を凝らす人は蓮実重彦や
多和田葉子さん辺り?
でも、翻訳家・鴻巣友季子さんによれば、
三浦しをんも確実に自らの「文体」を
確立しつつある作家だそう。

タッチやモードやフォームの問題ではない。
もっと個人の資質に関わるものだという。
彼女は作品によってポップだったり、
ねっとりしたり、瑞々しい文体に
書き分けてるけれど、
それは、表面的な「文章の態度」で、
肝心なのはどの作品を読んでも、
三浦しをんその人を強烈に感じさせる
力がこもってること。
彼女だけの「ボイス」を読者が
感じてしまうのです。

そのボイスこそ「文体」でしょうか?
冒頭1ページを、作家名を
伏せられて読んでも、
三浦しをんの作品なら
当てられそうな気が…。

作家名を伏せて1ページ読んで、
作家あてっこゲーム、
やってみるのも楽しそうですね。

もっと文体について、中身以上に
問いかけ、考えていけたら、
書くという作業も楽しくなるかな?

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