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【生きる】複雑な現実を単純化して伝えるのが知性なのかな?

人生をラクに生きたいと言う人がいる。
それもまた、かなりたくさんいる。

そんな人のために、
ラクに考えられる自己啓発本が
たくさん出てくるんです。
でもね、かりに一時的に
ラクになったとしても、
あまり長続きはしないものです。
簡単に手に入るものは、
簡単に失ってしまうから。

複雑なことを単純化できるのが
頭の良さなんじゃないのかと、
一般的には信じられている…。

でも本当に深い読書や研究が
できるようになると、
複雑なことを無闇に単純化しないで
捉えられるようになります、
きっと、なるはずです。

単純化できない現実の面倒くささを
以前より「高い解像度」で
捉えられるようになるのが、
それが、もしかしたら、
人文の世界の本を読むメリット
かもしれません。

ラクになる読書より、
面倒で複雑な現実を、
単純化しないで受け入れる力を、
身につけるのが、もしかしたら
それが知性なのかもしれない。

……この上記は、全て、
若き哲学者・千葉雅也さんの 
『現代思想入門』(講談社新書)
からの抜粋です。
 
自己啓発やビジネス書では、
人生をラクにスマートに確実に
生きられるノウハウが書いてあるけれど、
単純化ばかりしていては、 
いつまでたっても
次へのステップに行けるだろうか。

千葉雅也『現代思想入門』は、
「人生を楽に捉える危険性」を
説いてくれているのですね。

なんでそんな面倒くさいこと
しなくちゃならないの?という
反論もあるかもしれません。

でも、現実には、
単純化したら台無しになる
重要なリアルがたくさんあるからです。

高い解像度で、
複雑な現実に取り組む。
千葉雅也さんのスタンスは
とても、真摯なものです。

千葉さんは、茶髪でロン毛なので、
一見、ギャル男に見えますが(笑)、
中身は日本で一、ニを争う重要な
現役哲学者の一人です。

ラクな単純化に逃げ込まない
まっすぐさがあります。
そんな人に触れるのが読書です。
そんな本に学べるのが読書です。

人生はだから、面白い。
簡単に考えようという風潮が
以前は強すぎて、
たとえば、その典型例が
ひろゆき、ホリエモン、西野亮廣ら
やたら肺活量で他人を論破する
やからたちでしたが、
今ではみんな彼らにマンネリズムを
感じ始めてきているような…。

人生、論破で勝ったと思う種族は
さておいて、私たちは
もっと単純化をやめるべきでしょう。
大事な枝葉をも切り捨てないで。

本当は、人生はおそらく、
最高のクイズなのかもしれない。
まずは謙虚に、真摯に、
現実世界をスキャニングする
習慣を身に着けることから
始めましょうか。

スキャニングした現実に対して
修正したり、削除したり、
また加筆したり、
試行錯誤するのがまっとうな
人生に対する態度でしょう。

問題ある状況でも単純化して
サクサク頭に入るような、
一見、魔法のような提言をする人は、
疑いたくなる。
現実には、そんな魔法はないのです。
コツコツ、生きるのが一番です。

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