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新人賞に応募するときの参考noteふりかえり

6月になると、新人賞の季節がやってきたなあ……と思います。

そうです。ポプラ社小説新人賞の締め切りは6月30日。
毎年この時期になると膨大な原稿がドドドっと届き、たくさんの期待とちょっぴりのビビりと(下読みがね…大変なんです…)、いろんな想いが胸に押し寄せてくるものでした。

僕はもう編集部から籍が外れているので(本は作ってるけどね)、かかわるのは最終選考のみですが、数年前まで小説新人賞の事務局長を務めており、長いこと新人賞の運営に関わっていました。

運営として編集部として願うのは、たくさんの人が応募してくれてること。そのためにはウチの新人賞に興味をもってもらいたいし、そのうえで応募原稿の精度を上げてほしい。
だって、応募する側も受賞したいし、編集部側も受賞作を出したいのです。
ならば、編集部が見ているポイントや求めてるポイントを全て開示しちゃえばいいのではないか。
そう思って、こんなnote記事をまとめました。

もう4年前の記事になってしまったんですね。
時の速さにビビりますが、今日一番言いたいことは、

「新人賞応募を目指している書き手の人(特にポプラ社小説新人賞に応募しようと思ってる人)は、ぜひこの記事一回読んでみてください!」

ということ。

記事の作成時から時間は経っていますが、求めるものは今も変わらないはず。
当時はプリントアウト応募がメインでしたが、今はデータ応募が可能になったので原稿の送り方については状況が変わっていますが、それくらいです。
「WEBにUPしている原稿を応募してもいいんですか?」など、質問したいけど、問い合わせるのも緊張する……と抱えているモヤモヤの答えが見つかるかもしれません。
書き手のみなさんの参考になることが少しくらいはあると思うので、良かったら何かのお役に立てると嬉しいです。

※記事にも書いていますが、あくまでポプラ社小説新人賞視点での内容です。他社さんは応募規定も求めるものも違うかもしれませんので、その旨はご注意ください。

ちなみにポプラ社小説新人賞の最終選考は、本に関わる社内メンバーが勢ぞろいし、みんなで選考をおこないます。
編集部メンバーはもちろん、営業や宣伝部メンバーなど。チームとして会社として推したい作品を選び、全力でその届け方を考えるためです。
僕はいまは組織的には宣伝部に所属しているので、宣伝の立場で最終選考に参加する予定です。

これはあくまで個人の意見ですが、僕がわりと見ているポイントは、タイトルと冒頭ですね。

受ける印象として、応募作のタイトルって少し地味になりがちな傾向があります。しかし読者が最初に触れるのはタイトルだし、そのタイトルで興味をひかないと手に取ってもらえないわけです。
新人賞の応募作はすべて選考委員が読みますが、それでもタイトルに魅力があると「おっ、おもしろそう」という期待が高まります。
読み手のことまで考え抜けているか、というところがタイトルに見え隠れするので、タイトル付けのこだわりやセンスは個人的に注目しています。
あ、もちろん原稿は面白いのにタイトルのインパクトが弱いから落ちるということはありませんのであしからず。

冒頭シーンも同様です。
この作品は面白そうだ!という期待を高めてぐっと世界にひきこむのが最初の数ページ。そこにどういうシーンを配置し、どういう視点・文章で描くのかにはセンスが問われます。

選考する人によって注視しているポイントは人それぞれあると思いますが、僕はけっこうこの2つの部分は気を付けて見ているので、参考までにお知らせでした。

そんなわけで、ポプラ社小説新人賞の締め切りは6月30日。
みなさんの渾身の原稿、お待ちしています!


★★★

<最近読んだ本>
千野隆司さん『鉞ばばあと孫娘貸金始末 まがいもの』
金貸しの強欲ばばあと絵描きの孫娘が、銭を通したあれこれ事件を痛快に解決する。アウトローでかっこいいお婆ちゃんはいつの時代も最高ですね。エンタメが詰まった時代小説。


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