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投稿サイトにUPしている作品は応募可能ですか? とってもよくある問い合わせQ&A【ポプラ社小説新人賞への道】

こんにちは。

いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。
好き勝手なことばかり書いてゴメン……と毎回思いながらも、書き手のみなさんにとって何が参考になるかわからないので、とにかく毎年の選考で思ったことや感じたことをどんどん書いています。
今回もなにか使えそうなところだけ持って帰ってください。

さて、ここまで
新人賞と応募原稿のマッチングミスをなくすためにできること
編集者が応募原稿を読むときに「重視しているところ」と「実は気にしないところ」
について触れてきました。

今日はちょっと中休み。

新人賞を運営していると、たくさんのお問い合わせをいただきます。
同じようなご質問を受けることも多く、応募を考えているみなさんは同じ悩みを抱えているんだろうなあ……と思うことが多いので、今日は「よくある問い合わせ」集です。

毎度いちいち言ってすみませんが、今回もあくまでポプラ社小説新人賞ルールなので、他社さんは違うかもしれません。
応募規定なども新人賞によって違うので、応募したいそれぞれの賞の「応募の決まり」をよく読んでくださいね。

それではいってみましょう!


<本当によくある問い合わせQ&A>


Q:WEBにUPしている原稿を応募してもいいですか?

A:問題ありません。
「小説家になろう」「エブリスタ」など、投稿サイトにUPしている作品は応募可能ですか? というご質問をよくいただきますが、無料公開の作品であればOKです。
また、そうした作品が受賞になった場合、投稿サイトの作品を下げるかどうかについては著者とご相談しながら決める形になります。

Q:規定の枚数から1~2枚オーバーしてしまうんですが、ダメですか?

A:規定なので、もちろんオーバーしたらダメなんですが(笑)
正直、1枚ずつ原稿枚数を数えているわけではありませんし、1枚オーバーしたから失格です、というほど厳格にはしていません
(明らかな枚数オーバーはフォローのしようがありませんが)

ぶっちゃけ、読んでます。

ただ、デビューしてからは「原稿用紙〇〇枚で書いてください」という依頼に応えていかないといけません。
与えられた枚数内で物語をまとめるということはプロ作家として重要なスキルです。
将来のことを考えるのであれば、規定を守ることを強くオススメいたしますし、受賞される作家のほとんどは、規定内で仕上げられています。

Q:原稿用紙換算だと規定枚数に収まるけど、40字×35行など応募の指定フォーマットに変換すると改行の関係で枚数がオーバーします。
これはダメでしょうか?


A:上記のご質問と同じです。多少のオーバーは目をつむりますが、将来を考えるのであれば(以下略)

Q:原稿の書式はどういう形がいいんですか?


A:各社の応募要項に沿ってください。
ポプラ社小説新人賞では40字×35行を指定フォーマットにしていますが、新人賞によって書式の指定は違います。
必ず応募要項を確認して、その形で原稿設定をしたうえで応募してください。指定のフォーマットに揃えてもらえれば、ほかはそこまで気にしなくて大丈夫です。
強いて言うなら、読みにくい人名などはルビを振ってもらえると嬉しいです。

Q:プロフィールに他社の新人賞への応募歴や筆歴を書いた方がいいですか?

A:不要です。
「〇〇賞に応募、1次選考通過」などの情報を書いてくださる方が多いのですが、「これまでどこの新人賞に応募したか」を選考で加味することはありません。無理に書いていただかなくても大丈夫です。(もちろん書いてあっても別に構いません)

Q:早く応募したほうがいいですか?


A:締め切りに間に合えば、いつ送ってくださっても変わりません。
応募一番乗りの補正は特にないです。
応募を締め切って原稿が揃ってから選考がはじまるので、早く届いても会社で眠っているだけになります。
早く書き上げて時間があるなら、じっくり読み返して改稿することをおススメいたします。
ちなみに、毎年締め切りの一週間前から怒涛の郵便ラッシュになります……

Q:内容紹介(梗概)って、どんな感じで書けばいいんですか?


A:最初から最後まであらすじをまとめてください。
ざっくり言うと、プロットを書く感覚です。
「果たして衝撃の結末は?」「感動の一冊」など纏めてしまうのは良くありません。
渾身の作品ですし、煽りたい気持ちはよくわかりますが、どんなどんでん返しがあろうとも、ちゃんと最後まで話の筋を書いてください。
「作品に込めた想い」とかも不要です。

Q:どういう方法で原稿を送るのがいいですか?


A:ちゃんと届けばなんでも構いませんが、おススメはレターパックです。
原稿が届いたかどうかの問い合わせはご遠慮いただいてますので、追跡できる方法で送ると安心できてよいと思います。
宅急便でもOKですが、安価でポスト投函できるレターパックで送られる方が多いですね。
ちなみに会社に直接持ち込むのはダメです。

Q:別の新人賞に応募した原稿なんだけど、応募してもいいですか?


A:現在進行中の賞(結果が出てない賞)に応募している原稿は二重応募になるのでNGです。
ただ、すでに落選が決まった原稿であれば問題ありません。

Q:昨年応募した原稿なんですけど、応募してもいいですか?


A:落選した作品で、改稿していれば問題ありません。
ただ、前回の記事でまとめましたが、編集者たちはその原稿のポテンシャルまで含めて選考しています。
落選したということは、改稿しても賞の基準に達しないだろう、と選考で判断した可能性があります(厳しい言い方で本当にすみません)。
過去の事例を見ていても、落選した作品に手を入れて敗者復活受賞したケースはあまりありません。
個人的な意見としては、それにこだわるよりも、すっきり新しい原稿で応募することを推奨いたします。

☆例外として第一回記事で触れた、マッチングミスによる落選、という可能性もあります。
原稿のクオリティではなく、新人賞や出版社の傾向と合わなくて落ちたということも考えられるので、同じ新人賞に再応募するのであれば、その原稿と相性の良さそうな別の新人賞に応募する方が可能性はあると思います。


Q:前回応募した時は二次選考までいったのに、今回は一次選考落選なんておかしい。ちゃんと読んでいないに決まっている。


A:お気持ちはよくわかりますが、がんばってちゃんと読んでます……。ほんとです……。

ポプラ社小説新人賞に関して申し上げると、細かい部分はけっこう目をつぶって選考しています。
書式が少し違うとか、プロフィールの記入欄がひとつ抜けてたとか、多少のミスがあるから選考しないということはありませんので、安心してご応募してください。
※といいつつ、応募要項はしっかり守ってくださいね! 

最後に、選考とはまったく関係ないし、なんら問題はないんだけど、できれば気を付けてもらえるとうれしいなあ……という運営からのお願いも掲載しておきます。


<できれば気を付けてもらえるとうれしいなあ……という運営からの単なるお願い>

〇プロフィール用紙の入れ忘れ

これ、けっこうあります。
封筒の中にプロフィール用紙が見当たらなくて、住所はどこー?連絡先はどこー?と捜すことがあるので、絶対に入れ忘れないようにしてください
住所などが分からないときは応募原稿の入った封筒の送り状から把握していますが、それすら記入がないと、もし受賞となっても連絡が取れないので……。

〇原稿をひもで綴じて応募すること

いや、ひもでも全然いいんです! いいんですよ!
でもね、ページが外れたりしたときに、ひもだと合体させるのが大変なのです。
みなさんもパンチで穴開けるの大変じゃないですか?
できれば、ダブルクリップが嬉しいです……

〇マトリョーシカみたいに厳重な梱包で送ってこられること

たまにね、箱がガッチガチに固められていて、開けたらビニールでぐるぐるになっていて、それを剥ぐとさらにゴツイ封筒で閉じられていて……という封印形態で送られる原稿があります。
原稿が綺麗な状態で送っていただけて嬉しいのですが、そこまではしなくても大丈夫です。
封筒に入れて、それを外封筒やレターパックに入れれば、だいたいの水濡れなどは防げますので……。

〇応募した後で、「やっぱり取り下げます」「1ページ差し替えたいです」という申し出をされること。

たくさんの原稿を管理しているので、できればご遠慮いただけると……うれしいです。

〇大作を分割して応募すること。

時折いらっしゃるのですが、大作を分割して応募してこられる方がいます。
(たとえば3作品を応募しているが、それぞれが独立しておらず続編になっているケース)
それぞれの枚数は規定内なので、たしかに規則的に問題はありません。
ただ、そもそも違う原稿扱いになるので、連続した原稿が同じ読み手にあたらない可能性があります(1巻はAさん、3巻をBさんが読むかもしれません)
一冊にまとめての応募を推奨いたします

今回は以上です。
次回は「原稿をレベルアップするために」などを考えています(変更の可能性があります)

それではまた!

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