誰かのため、社会のために、人生を捧げる20代活動家〜インタビュー記事:長谷川諒さん〜
社会のために本気で行動したことはありますか?
今回は、私が働く会社の元同期の長谷川 諒さん(以下、まこっちゃんです。)にインタビューをしました。
まこっちゃんは、今年で26歳となり、私と同じ歳です。
彼の行動力は、たいまつの炎のようにたくさんの人に影響を与えています。
私が社会課題について関心を強く持つようになったのは、彼の社会に対する熱い気持ちを聞いたことがきっかけでした。
この彼の思いを聞いた後、自分の生き方を考えたり、誰かのため、社会のために「動かずにはいられない!」
そんな状態になってもらえたら嬉しいです!
考えるだけではなくて、現場に入りながら関わり方を考えたい
今、どんな活動をされてるんですか?
神奈川県を中心地として、気候変動対策と持続可能な地域 (流域) づくりをテーマに活動しています。
例えば、地域の企業や行政、研究機関と一緒に、再エネ普及に向けた事業モデルの検討や、担い手創出に関わっています。
特に今は、農業と再エネ発電を掛け合わせたソーラーシェアリングという取組みの普及に取り組んでいます。
他には、人と人、人と自然をつなぐ「流域祭」というお祭りの企画や「農業・林業」に踏み込んで持続可能性を模索していたり、、、
そんなところを日々実験しています。
たくさん活動されている中で、ここが熱いというテーマはありますか?
活動の中で、森の上流から下流までを体感できていることです。
というのも、私は林業従事者を育成するための森林塾に参加し、林業研修を受けています。
先日、チェーンソーと刈払い機の資格も取ってきました(笑)。
話を戻しますが、林業研修の中で、森の管理と木材生産のプロセスを体感できています。
そして、いま建築と大工の学校にも通って、その木材を加工する技術を学び、最後に、南足柄市の森林商社で、森と暮らしをつなぐ商品開発や体験の企画・提供プロセスまで関わることができています。
自然や森のことを考えるだけではなくて、実際の現場に入り込む中で関わり方を考えたいという想いからこれらに挑戦しています。
絶対的な貧困と呼ばれる人たちが、まだ何億人もいることに思いを巡らせると、見て見ぬふりはできない
まこっちゃんの過去について聞きたいです。
まず、今とは異業種のIT企業を選んだ理由が気になります。
理由は大きく3つあります。
1つは、いろんな産業や分野に関われる場所としてIT業界を選びました。
地域格差や教育格差、経済格差とそれに関わる環境問題を解決する方法として、産業の構造や資本主義的な経済の仕組みを変えなければ解決できないという結論に至りました。
産業がどのように構成されているのか、社会がどういう要素で作られているのかを理解しなければと考えて探しました。
2つ目は、これまでの人類の発展の中で同じような問題が今でも続いてることが多いことに気づき、アナログなやり方だけでなく、ITの観点から新しい解決のアプローチができるんじゃないかという観点でもIT業界を選びました。
3つ目は、環境に負荷が低く、生まれてきたニーズに柔軟に対応できるという観点で選びました。
有形でモノを作って売ることを主軸としている会社では、本質的な豊かさには関係なく、短期的なニーズを満たすためにモノを作り、広告によって需要をかき立て、よりたくさん買ってもらうことを追求する構造が生まれやすいです。
これは別の視点から見れば、過剰な生産・消費・廃棄を促す環境負荷の高い構造でもあります。そこで、環境負荷が低く、柔軟性のある無形商材を取り扱う会社を選びました。
キーワードとして、「社会問題」などがあると思うのですが、関心を持つようになった原点が知りたいです。
大学生の頃、人生について悩み・落ち込んだ時期があり、そこで身近にいた友人や家族に支えられた経験が1つの大きなきっかけだったと思います。苦しんでいる人がいた時に、手を差し伸べられるような人になりたいと思いました。
高校生の時には、家庭の事情で家に居場所がなかったり、ずっと続けてきたサッカーでも怪我をしたりという出来事が重なり、自分の居場所がどこにもなく、自身の存在を肯定できずに辛く苦しんだ時期がありました。
その後、大学生活の中でも「生きる意味とは何だろうか」と気持ちが揺らいで、自分の人生を見つめ直していく中で、「人がより良い生き方や選択肢に気づけるきっかけ」を与えられるような、生き方をしたいと思うようになりました。
そんな心理的な変化の中で、大学の授業やゼミで格差問題などを扱い、経済格差・地域格差の苦しさや、衣食住の最低限の生活も厳しい「絶対的な貧困」と呼ばれる人たちがまだ何億人もいることを知った時、自分は、いろんな人に救われて、考えや行動が変化し、その受け取ってきたものに感謝していたからこそ、それすら与えられない、生存条件すら不安定な人たちのことを知り、見て見ぬふりをできなくなりました。
普通の学生であれば、学んだことは知って終わりというところが多いかと思うんですけど、
どうしてそこまで行動ができたのか知りたいです。
大きくは2つあって、1つは高校の原体験で、自分の生存について問うほど、根本的な価値観の転換が起きたことだと思っています。
人間とは何か?自分は何の為に生きているんだろう?..と考えました。
そんな中で救われてきた経験を通して、他者に機会や選択肢を与えられるようになることが、自分の存在意義の一つだと、行動と価値判断の比重がそこに移っていきました。
2つ目に、フィリピンの貧困地帯に行ったときに見た光景が衝撃的だったことです。
格差を研究する過程で、一人でフィリピンに実地調査に行きました。そこでは、コンクリートの道路の隅っこなど、生活条件が劣悪な場所で暮らしていたり、小さな子供が、コンクリートの上で寝たりしていました。
そんな心苦しい光景を目にしながら、先進国から来た観光客と裕福な現地住民たちは、ショッピングモールで買い物を楽しみ、タピオカを飲みながら笑って歩き去っていくみたいな景色がそこにはあって。
それを見た時に、これはどういう状況なんだろう?と、深刻な何かを感じました。
でもその現状に対して、今すぐ解決することができないもどかしさも感じていました。
現地で会った子供たちとバスケをしたり、地域の人たちと話をすることもあったのですが、今まで気にしてこなかった人たちが、自分の生活の圏内に入ってきた感じがあり、不安定な生き方をしている人たちに、何か影響を与えられるような生き方をしたいと思うようになりました。
経済的合理性ではない本質的な価値に気づくようなシステムや事業を作りたい
今後、将来の話についてどうしていきたいか教えてもらえませんか?
持続可能な社会の実現につながるような、人の意識や行動の変化、サステナブルな事業構造への転換を促せるような支援をしていきたいです。
それは、都市と農村を繋ぎ、地域や一次産業の担い手を増やしていくことであったり、新たなサステナブルな事業のあり方を地域の人々・事業者さんたちと一緒に創っていくような形になるのかなと思います。
そして長期的な構想でいえば、地域(流域)の資源や空間といった制約をベースに、人の意識や営みの循環を促していくことを通して、顔の見える関係性や地域内の自給率、自治力を取り戻し、資本主義的な経済的合理性を越えた、「本質的な価値」に目を向けた生き方や暮らし方を選択できる地域社会を創っていきたいと考えています。
その未来が実現された時に抱く、周りの人たちの感情って、どんな感じなんでしょう?
ウェルビーイングという言葉がいいんですかね?
身体的にも、精神的にも健全であり、活き活きとそれぞれの人生を生きられている。
自分の思考や行動が、 経済や社会の不条理さに歪められることなく、その生き方や暮らし方、周りの人や社会・環境との関わり方に豊かさを感じられる、そんな状態に近づけられると良いなと思っています。
ウェルビーイングという言葉が便利なので、人によって伝わるものも違うと思いますが、個人に閉じた幸せだけではない、そこに遠くの他者や社会の幸せ、一時点の豊かさをゴールに置くのではなく、落ち込んだり、幸せでない時間も含めて、受容して、いろんな試行錯誤や模索をしていくプロセスごと楽しめているという点を含めて、ウェルビーイングを捉えています。
自分の生き方を考え、誰かのため、社会のために動き出している人たちは孤独
最後1つ質問すると、何か伝えておきたいことみたいなのとか、ありますか。今の人たちに向けて。
この世界に生きているほとんどの人達は、たぶん善い人だろうと思っています。(笑)
でも、実は気づかないうちに見えていない人達(途上国や新興国の人々、もしかしたら同じ国に生きている人々)の生活を脅かし、色んな機会を奪ってしまっている現状があります。
知らない人に対して知ってくださいと言っても、どうしようもないけれど、もし周りに伝えようとしている人がいたら、一度耳を傾けてみて欲しいです。
知らずに問題に加担していることもあります。せめてそれを認識して、本当に今のままでいいのか、と自分自身で選択して生きていけると良いのかなと思っています。
そうすると、今まで目を向けていなかったけれど、とても価値のあるものに気づくことができるのかもしれません。
編集後記
今回、まこっちゃんへのインタビューを通し、彼の溢れ出す熱い思いと人間性に触れ、自分も頑張らなければと気持ちを動かされました。
こんな素敵な方と出会え、同じ職場を退職してからも関わりを持てていることに心から感謝をしています。
これから、どんな風に社会に影響を与えていくのか活躍が楽しみです。
今回の記事から少しでも興味を持った方に〜まこっちゃんより〜
持続可能な地域づくりに向けて、こんなプロジェクトに携わっています!
・森と暮らし
・コミュニティ農業
・都市と農村
・お祭り
・再エネ発電、気候変動
・お酒づくり
何ができるか分からないけど、「一緒に手伝ってもいいよー!」という方がいましたら、FacebookのDMでご連絡いただけたら、とても嬉しいです!!
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